FinaleのHuman Playback機能を使用すれば、「accel.」などの文字発想記号が自動認識され、プレイバック時にテンポ調整が適用されます(詳しくはプレイバック設定ダイアログボックスとを参照)。しかし、ユーザー独自のテンポ変更を手動で設定することもできます。ここでは、再利用できる発想記号に速度変化を割り当てる方法を説明します。特定の範囲に対して個々のテンポチェンジを簡単に録音するには、テンポタップを使用してください。
Note: 手動で定義したアッチェレランド記号をプレイバックに反映させるには、〔HumanPlayback〕を〔使用しない〕に設定してください。
- 〔発想記号〕ツールをクリックします。楽譜にまだ記号が配置されていないときには、五線上のどこかをダブルクリックしてください。〔発想記号の選択〕ダイアログボックスが表示されるので、使用したい記号をクリックして、〔編集〕をクリックし、手順3.に進んでください。
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すでに配置された記号を編集する場合は、ハンドルをCtrl+ダブルクリックしてください。〔発想記号の設計〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔プレイバック〕タブをクリックします。プレイバックオプションが表示されます。
- 〔タイプ〕から〔テンポ〕を選択します。
- 〔MIDI反映図形〕を選択し、〔選択〕ボタンをクリックします。
- 〔図形〕を選択して〔作成〕をクリックします。〔図形作成〕ウィンドウの画面が表示されます。
- 〔図形作成〕から〔定規とグリッド〕を選択します。
- 〔8分音符〕をクリックします。
- 〔グリッドポイント間隔〕のテキストボックスに「1」と入力し、〔OK〕をクリックします。
- 〔図形作成〕の〔表示〕から〔グリッド〕を選択します。〔図形作成〕ウィンドウの描画エリアに、グリッドポイントが表示されます。水平方向のグリッド1つ分の間隔は、8分音符を表し、アッチェレランドの効果をどれくらい持続させるかを指定することができます。垂直方向のグリッド1つ分は、テンポ1つ分、例えば150(拍/分)から151へ変化することを表します。
- 〔直線〕ツールをクリックします。小さな白い円(基点)をクリックして、右上へドラッグしていきます。〔横〕・〔縦〕ボックスを見ながら、双方の数値がそれぞれ4となる位置までドラッグしてください。
- 〔OK〕をクリックします。
これで、アッチェレランドがかかっている間のテンポを、グラフ(反映図形)で表記したことになります。グラフが右へ1グリッド進むごとに、アッチェレランドの効果が8分音符分長くつづくようになり、グラフが上へ1グリッド進むごとに、メトロノームの速度が1上がることになります。つまり、2分音符1つ分だけつづくアッチェレランドを作りたい場合は、右方向に4グリッド分ドラッグしなくてはならないということです。さらに、最終的に速度を20(拍/分)上げたい場合は、本来であれば20グリッド分上にドラッグしなくてはなりません。しかし、ここではとりあえず4グリッド、つまり4(拍/分)だけ上にドラッグします。
- 〔選択〕をクリックして、〔MIDI反映図形の定義〕ダイアログボックスに戻ります。
- 〔変化の比率〕ボックスに「8:1」と入力します。例えば、全音符の長さをかけて、わずか4ポイントだけメトロノームの数値を速くしても、ほとんどその違いを聞き取ることはできないでしょう。そこで、この〔変化の比率〕によって、アッチェレランドの効き目を倍増することができます。例えば「8:1」と指定した場合、テンポは32ポイント(4グリッド×9)上がりますので、十分アッチェレランドの効果を聞き取ることができるようになります。同様に〔時間の比率〕で、効果が持続する時間を調整することもできます。例えば、4グリッド分(8分音符4つ=2分音符)持続するように設定された図形を、〔時間の比率〕で「1:2」と設定して、持続時間を半分(4分音符)にしたり、「3:1」と設定して、3倍(6拍分)にすることができます。
- 〔OK〕、〔選択〕、〔OK〕の順にクリックして楽譜上に戻ります。実際にアッチェレランドの効果を聞いてみてください。さらに速度を上げたいときには〔変化の比率〕を上げてください。効果があまりに長い範囲に渡っている場合は、〔時間の比率〕の設定比率を下げます。(ただしアッチェレランドの効果は曲に設定されている現行のテンポによっても左右されます。)