〔変形図形の配置〕ダイアログボックスでは、スラー、ベンド、グリッサンドの始点と終点を、音符の真上、真下、または符尾の先端などの、どの位置に配置するかを設定します。この設定をおこなうことによって、手動でおこなった場合には非常に手間のかかる変形図形の調整を自動的につねに正確におこなうことができます。〔変形図形の配置〕ダイアログボックスで任意の変形図形に変更を加えると、その設定は楽譜上の同種の変形図形のうち、手動で調整されていないすべての始点/終点に適用されます。
スラーやベンドの始点/終点の横方向と縦方向の位置は、符頭や符尾などそれぞれが割り付けられている部分の基準点から計測されます。
符頭に割り付けられているスラーやベンドの位置の基準点は符頭の一番高い所もしくは一番低い所になります。横方向と縦方向の寄せ幅が共に0に設定されている場合は、下図のようにスラー、ベンドの端が前述の基準点と接します。
スラーもしくはベンドが符尾に割り付けられている場合、基準点は符尾の先端になります。横方向と縦方向の寄せ幅が共に0に設定されている場合、スラー、ベンドの端は符尾の先端に接します。
重要:この変形図形の位置の設定はこれから作成するすべてのスラー、ベンド、グリッサンドに影響します。またこの設定の変更は、手動で調整されていない既存の変形図形の始点/終点にも適用されます。始点/終点が手動で調整されている場合に関してはこの設定の変更は無効になります。
スラーやベンドの向きや終点の位置は符尾の方向だけでなく声部や連桁が高度に認識されて決定されます。このリストボックス内にはFinaleが自動的に調整する際の原則となるいろいろなスラーが表示されています。
このリストボックスには限られた例しか表示されていませんが、スラーを符頭や符尾に割り付けるためのいろいろな場合が想定されています。例えば上記のリストボックス内の一番始めのモデルで、スラーの2箇所の接続位置を調整することができます。
Note: 重要:この設定は全体に影響します。つまり、スラーの位置の設定変更は、楽譜上の既存のスラーとこれから入力するすべてのスラーに有効となります。ただし、手動でおこなった調整については自動的に変更されることはありません。符尾が上向きの音符のレイヤーと符尾が下向きの音符のレイヤーに対しておこなった設定はすべてボイス1とボイス2の音符に対しても適用され、〔道具箱〕ツールや〔高速ステップ入力〕ツールで符尾が固定されている場合にも適用されます。
このリストボックスに表示されている例は一般的なものを表しています。上記の例は、ふつうの下向き符尾をもつ、同じ位置にある音符間の調整として表示されていますが、たいていの場合同じ音程上に変形図形の始点と終点があることはほとんどありません。
スラーやベンドを特定の箇所に割り付けたい場合、それに該当するモデルを選択し始点や終点を編集します。表示エリアのスラーの端をドラッグ(またはテキストボックスに数値を入力)して設定を編集することができます。
リストボックスに表示されているスラーのモデル(接続の状況)と、それに対応して、始点と終点でスラーがどのように音符と接続しているかを以下に示します(ベンドはスラーの一種として扱われるのでこの設定が同様に適用されます)。
始点の接続 |
状況 |
終点の接続 |
符頭の上 上向き/下向き両方の符尾が含まれる部分の一番始めの下向き音符に割り付ける。 |
符尾が下向きの音符 |
符頭の上 上向き/下向き両方の符尾が含まれる部分の終わりの下向き音符に割り付ける。 |
符頭の下 上向き符尾音符が含まれる部分の一番始めの音符に割り付ける。 |
符尾が上向きの音符 |
符頭の下 上向き符尾音符が含まれる部分の一番終わりの音符に割り付ける。 |
符尾の上 符尾が上下両向きの音符が含まれる部分の一番始めの上向き符尾音符に割り付ける。 |
符尾が上下両向きの音符 |
符尾の上 符尾が上下両向きの音符が含まれる部分の一番終わりの上向き符尾音符に割り付ける。 |
符尾の上 上向き符尾音符のレイヤーの一番始めの音符に割り付ける。 |
上向き符尾音符のレイヤー |
符尾の上 上向き符尾音符のレイヤーの一番終わりの音符に割り付ける。 |
符尾の下 下向き符尾音符のレイヤーの一番始めの音符に割り付ける。 |
下向き符尾音符のレイヤー |
符尾の下 下向き符尾音符のレイヤーの一番終わりの音符に割り付ける。 |
旗付き符尾の上 符尾が上下両向きの音符が含まれる部分の一番始めの旗付き符尾音符に割り付ける。 |
旗付きの上下両向き符尾音符 |
この形式には設定できません。 (符尾が上下両向きの場合の設定が適用されます。) |
旗付き符尾の上 上向き符尾音符のレイヤーの一番始めの旗付き音符に割り付ける。 |
旗付きの上向き符尾音符のレイヤー |
この形式には設定できません。 (上向き符尾音符のレイヤーの場合の設定が適用されます。) |
旗付き符尾の下 下向き符尾音符のレイヤーの一番始めの旗付き音符に割り付ける。 |
旗付きの下向き符尾音符のレイヤー |
この形式には設定できません。 (下向き符尾音符のレイヤーの場合の設定が適用されます。 |
符尾の上 連桁の中の上向き符尾音符に割り付ける場合で、連桁の最後の音符(通常の符尾付き音符として扱われる)でない場合。前後の音符は両向き符尾音符もしくは上向き符尾音符のレイヤーも可。 |
連桁の上 |
符尾の上 連桁のなかの上向き符尾音符に割り付ける場合で、連桁の最初の音符でない場合。前後の音符は両向き符尾音符もしくは上向き符尾音符のレイヤーも可。 |
符尾の下 連桁の中の下向き符尾音符に割り付ける場合で、連桁の最後の音符(通常の符尾付き音符として扱われる)でない場合。前後の音符は下向き符尾音符。 |
連桁の下 |
符尾の下 連桁のなかの下向き符尾音符に割り付ける場合で、連桁の最初の音符でない場合。前後の音符は下向き符尾音符。 |
符頭の下 下向き符尾音符を主音としその前につく上向き符尾装飾音符に割り付ける。 |
両向き符尾装飾音(主音は符尾下向き) |
符尾の斜め下もしくは符頭の下 上向き符尾装飾音符に続く下向き符尾主音符に割り付ける。 |
符尾の上 上向き符尾音符のレイヤーの装飾音符に割り付ける。 |
上向き符尾音符のレイヤーの装飾音符 |
符尾の上 上向き符尾音符のレイヤーの主音符に割り付ける。 |
符尾の下 下向き符尾音符のレイヤーの装飾音符に割り付ける。 |
下向き符尾音符のレイヤーの装飾音符 |
符尾の下 下向き符尾音符のレイヤーの主音符に割り付ける。 |
フレット番号の上 タブ譜上のそれぞれの数字に割り付ける。 |
タブ譜上のフレット番号 |
フレット番号の上 タブ譜上のそれぞれの数字に割り付ける。 |
フレット番号の下 タブ譜上のそれぞれの符尾付き数字に割り付ける。 |
タブ譜上の符尾付きフレット番号 |
フレット番号の下 タブ譜上のそれぞれの符尾付き数字に割り付ける。 |
もちろん上記の原則には例外が存在しますが、これらの例外に対しても臨機応変に対応できるようになっています。符尾を固定している場合には(例えば2つのレイヤーもしくは2つのボイスを同時に作成している場合、または〔選択〕ツールを使用している場合)スラーが自動的に反転することもあります。〔変形図形〕メニューから〔方向〕のサブメニューを使うと、個別のスラーやベンドの向きを設定と関係なく変えることもできます。また、フレックス・スラーの衝突回避機能は、この〔変形図形の配置〕の設定よりも優先されます。
Note: 重要:この設定は全体に影響します。つまり、スライドの位置の設定の変更は、楽譜上の既存のスライドとこれから入力するすべてのスライドに適用されます。ただし手動でおこなった調整については自動的に変更されることはありません。ただし、手動でおこなった調整については自動的に変更されることはありません。
タブスライドの向きや始点/終点の位置は、ピッチの向きや音符の位置が高度に認識されて決定されます。このリストボックス内にはFinaleが自動的に調整する際の原則となるいろいろなスライドが表示されています。
ある特定の状況にタブスライドが割り付けられている場合、それに該当するモデルを選択し始点や終点を編集します。表示エリアのスライドの始点/終点をドラッグ(またはテキストボックスに数値を入力)して設定を編集することができます。
始点の接続 |
状況 |
終点の接続 |
符頭が線上 スライドを割り付けようとしている五線上の音符から、別の五線上にある次の音符に向かってピッチが増していく場合 |
別の線上、ピッチを上げる |
符頭が線上 スライドを割り付けようとしている五線上の音符へ向かって、前にある別の五線上の音符からピッチが増してくる場合 |
符頭が線間 スライドを割り付けようとしている五線の間の音符から、別の間にある次の音符に向かってピッチが増していく場合 |
異なる高さ、線上、ピッチ下降 |
符頭が線間 スライドを割り付けようとしている五線の間の音符へ向かって、前にある別の間の音符からピッチが増してくる場合 |
符頭が線上 スライドを割り付けようとしている五線上の音符から、別の五線上にある次の音符に向かってピッチが減っていく場合 |
別の線上、ピッチを下げる |
符頭が線上 スライドを割り付けようとしている五線の音符へ向かって、前にある別の五線上の音符からピッチが減ってくる場合 |
符頭が線間 スライドを割り付けようとしている五線の間の音符から、別の間にある次の音符に向かってピッチが減っていく場合 |
異なる高さ、線上、ピッチ上昇 |
符頭が線間 スライドを割り付けようとしている五線の間の音符へ向かって、前にある別の間の音符からピッチが減ってくる場合 |
符頭が線上 スライドを割り付けようとしている五線上の音符から、同じ五線上にある次の音符に向かってピッチが増していく場合 |
異なる高さ、線上、ピッチ上昇 |
符頭が線上 スライドを割り付けようとしている五線の音符へ向かって、同じ五線線上にある前の音符からピッチが増してくる場合 |
符頭が線間 スライドを割り付けようとしている五線の間の音符から、その同じ間にある次の音符に向かってピッチが増していく場合 |
異なる高さ、線上、ピッチ上昇 |
符頭が線間 スライドを割り付けようとしている五線の間の音符へ向かって、その同じ間にある前の音符からピッチが増してくる場合 |
符頭が線上 スライドを割り付けようとしている五線上の音符から、同じ五線上にある次の音符に向かってピッチが減っていく場合 |
同じ線上、ピッチを下げる |
符頭が線上 スライドを割り付けようとしている五線の音符へ向かって、同じ五線上の前の音符からピッチが減ってくる場合 |
符頭が線間 スライドを割り付けようとしている五線の間の音符から、その同じ間にある次の音符に向かってピッチが減っていく場合 |
同じ線間、ピッチを下げる |
符頭が線間 スライドを割り付けようとしている五線の間の音符へ向かって、その同じ間にある前の音符からピッチが減ってくる場合 |
符頭が線上もしくは線間 スライドを割り付けようとしている五線上または間にある音符が、その同じ線上または間にある次の音符とピッチが変わらない場合 |
同じ線間、ピッチが同じ |
符頭が線上もしくは線間 スライドを割り付けようとしている五線上または間にある音符まで、その同じ線上または間にある前の音符からピッチが変わらない場合 |
Note: 重要:この設定は全体に影響します。つまり、グリッサンドの位置の設定の変更は、楽譜上の既存のグリッサンドとこれから入力するすべてのグリッサンドに適用されます。ただし手動でおこなった調整については自動的に変更されることはありません。
[図形表示エリア] 図形表示エリアを使用すると、リストボックスで選択された変形図形のモデルを変更することができます。変形図形の先端をドラッグして符頭や符尾からの位置をどこにするかを調整します。ドラッグするに従い始点と終点の数値は随時変わります。ここで設定された変形図形の始点/終点の変更は、こらから作成するすべての同種の変形図形に適用されます。また、この変更は手動で始点/終点を調整した変形図形を除き、楽譜上の既存のすべての同種の変形図形に対しても適用されます。
始点の接続 |
状況 |
終点の接続 |
符頭 グリッサンド開始位置にあるすべての符頭に適用 |
別の線上、ピッチを上げる |
符頭 グリッサンドの終了位置にあるすべての符頭に適用 |
Note: 重要:この設定は全体に影響します。つまり、ギターベンドの位置の設定の変更は、楽譜上の既存のギターベンドとこれから入力するすべてのギターベンドに適用されます。ただし手動でおこなった調整については自動的に変更されることはありません。
始点の接続 |
状況 |
終点の接続 |
ベンド 1弦以外のすべての線のすべてのフレット番号に適用 |
別の線上、ピッチを上げる |
矢印 デフォルトの矢印配置 |
リリース 1弦以外のすべての線のすべてのフレット番号に適用 |
異なる高さ、線上、ピッチ下降 |
矢印 デフォルトの矢印配置 |
クォーターベンド 1弦以外のすべての線のすべてのフレット番号に適用 |
別の線上、ピッチを下げる |
矢印 デフォルトの矢印配置 |
1弦目のベンド 1弦のすべてのフレット番号に適用 |
異なる高さ、線上、ピッチ上昇 |
矢印 デフォルトの矢印配置 |
1弦目でのリリース 1弦のすべてのフレット番号に適用 |
異なる高さ、線上、ピッチ上昇 |
矢印 デフォルトの矢印配置 |
1弦目のクォーターベンド 1弦のすべてのフレット番号に適用 |
異なる高さ、線上、ピッチ上昇 |
矢印 デフォルトの矢印配置 |
変形図形の始点の横方向の位置を変えるには画面上で始点を左右にドラッグします。左に動かすと横のテキストボックスが0(初期設定)から負の数に変化します。右に動かすと横のテキストボックスの数値が正の数になります。
変形図形と音符の間の距離や角度を変えるには変形図形を必要なだけ上または下にドラッグします。縦方向の寄せ幅を変えるには上または下に始点をドラッグします。初期設定より上に動かすほど縦テキストボックスの正の数が大きくなります。始点を下向きにドラッグすると数値は負になります。
変形図形の始点の横方向の位置を変えるには画面上で始点を左右にドラッグします。左に動かすと横のテキストボックスが0(初期設定)から負の数に変化します。右に動かすと横のテキストボックスの数値が正の数になります。
変形図形と音符の間の距離や角度を変えるには変形図形を必要なだけ上または下にドラッグします。縦方向の寄せ幅を変えるには上または下に始点をドラッグします。初期設定より上に動かすほど縦テキストボックスの正の数が大きくなります。始点を下向きにドラッグすると数値は負になります。
参照:
Finale User Manual Home
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