コードネーム
コード・ツールを使って画面上で直接コードを入力(または〔コード定義〕ダイアログボックスで入力)した場合、入力したコードは一定のルールに従って解析されます。コードネームは、ルート音、サフィックス、ベース音などの組み合せで構成されています。これらをすべて入力する必要はありませんが、Finaleはルート音、サフィックス、ベース音の順でコードネームを解析します。
Finaleでサポートしているコードネームは非常に高機能で、入力されている音符を移調するとコードネームもそれに合わせて自動的に移調します。同様に、コードネームを異なる調の楽節(または移調楽器)にコピーすると、ペースト先の調に合わせて移調されます。ギター・フレットボードに関しても同様に自動的に移調されます。
楽譜にコードネームを追加する時は、サフィックスのフォントは後からでも、全体的に、または選択範囲のみ、またはコードネームごとに変更することができます。目的に応じたフォントの選択方法について、詳しくはフォント、ファイル別オプション-フォントなどの該当する項目をご参照ください。
ヒント: コードネームの認識方法は2通りあります。1つ目の方法はコード理論の標準的な規則に基づくもので、maj、min、aug、dim、sus、7th、9th、11thやルートと異なるベース音なども含め、一般的なコードであればほぼ解析することができます。
しかし、5度のイレブンス・コードなど、解析できないコードを作成したり、異なる体系でコードを解析したい場合もあります。例えば、デフォルトで表記するAm7/Cを、異名同和音のC6と表記したい場合があります。このような場合は、もう1つのコード認識方法を使用します。この方法では、学習コード、つまり特定構成の音符の集まりを示すユーザ定義のコードネームを作成します。いったん学習コードを定義すれば、発音構成やオクターブに関係なくコードを正しく解析し、自動的にそのコードネームを表示できるようになります。学習コードの作成や編集の手順は後述します。
ただし、Finaleはルート音のスケール上での度数と各音の距離が、最初に学習させたものと同じ時にのみ学習コードを認識するのでご注意ください。例えば、ハ調のC6を学習させても、ハ調のF6やG6は自動解析されません。しかし、イ調のA6の場合、ルートであるAを基準にハ調のC6と同じ音程で構成されているので、解析することができます。ひとつの調で複数の異なる音程に対して同じ学習コード(例えばハ調でC6、F6、G6など)を定義しておくと便利です。
Finaleでは、楽譜上にコードネームを書き込む方法が3通りあり、いずれも音符パターンの自動解析機能を使っています。しかし、一般的でないコードを演奏入力した(あるいは解析を試みた)場合、コードをFinaleが認識できないことを示すダイアログボックスが表示されることがあります。
〔自分で作成〕をクリックすると〔コード定義〕ダイアログボックスが開くので、「コードネームを手動で定義、入力するには」の手順でコードを作成します。この作業により、学習コードが作成されます。つまり、次にそのコードが入力された時にFinaleが正しく認識できるように“学習”します。学習コードについての詳しい説明は、この項の冒頭の解説をご覧ください。
〔自動作成〕を選択すると、Finaleがサフィックスを自動的に作成して楽譜上にコードネームを表示し、そのファイル内のコード・サフィックスのライブラリに追加します。Finaleが作成したコードネームが目的通りでない場合(例えば“Gm7”と表示されたコードを“G-7”にしたい場合など)は、コード・サフィックスを編集することができます(「コード・サフィックスを編集するには」をご参照ください)。
Finaleのコード解析結果が目的通りでない場合(例えばC6と表記したいのにAm7/Cと解析されてしまう場合など)は、楽譜上からそのコードネームを削除することができます。そして今後そのコードをどのように解析するかを、「Finaleにコードを学習させるには」に記載の手順に従って学習させてください。
コンピュータのキーボードを使って迅速にコードネームを追加する方法については、コードネームのマクロ機能をご参照ください。
コードネームを入力/削除する
コードネームを自動入力するには
- コード・ツールを選択します。メニューバーに〔コード〕メニューが表示されます。
- 〔コード〕メニューの〔手動入力〕にチェックが付いていることを確認します。
中央のドよりも右1オクターブ以内の単音を弾くと、カーソルは次の拍/音符へ進みます。中央ドより左1オクターブ以内の単音を弾くと、カーソルは前の音符へ戻ります。中央のドから左右1オクターブを超える単音を弾くと、小節単位で前後に移動します。コードネームをハイライト表示した状態で中央のドを弾くと、カーソルが上に移動します。
- コードをひとつずつMIDIキーボードで演奏して、コードネームを書き込むには、〔コード〕メニューから〔MIDI入力を使用〕を選択し、楽譜上の拍をクリックします。点滅するカーソルが現れます。MIDIキーボードで和音を(任意のオクターブで)弾くと、コードネームが、ベースラインの揃った状態(画面左の4つの三角形によって調整されます)で楽譜上に書き込まれます。ベース音がルートと異なって演奏した場合、「Am/E」のようにコード/ベース音の形式でコードネームが書き込まれます(点滅中のカーソルにコードネームを入力することもできます)。
- すでに楽譜上に入力されている和音のコードネームを自動解析するには、〔コード〕メニューから(解析対象の音符に応じて)〔1本の五線から解析〕、〔2本の五線から解析〕、〔スコア全体から解析〕のいずれかを選択し、続いて和音をクリックします。Finaleがクリックした和音を解析し、楽譜上にコードネームを書き込みます。その他のコードネームを書き込みたい音符または拍に対しても同様にクリックします。
MIDIキーボードを使用してコードネームを入力するには(MIDIデータ入力)
コードネームで使用する音程やコード・サフィックスを、文字をタイプして指定する代わりに、MIDIキーボードでコードを演奏して入力することができます。
概要を動画でご覧いただけます。クイックスタートビデオ:コードネームを追加する
- コード・ツールを選択します。〔コード〕メニューの〔手動入力〕と〔MIDI入力を使用〕を選択します。
- コードの割り付け先の拍をクリックします。点滅するカーソルが現れます。
- MIDIキーボードで和音を演奏します。指定ベース音をもとにコードが挿入され、カーソルが次の拍に移動します。
- 中央のドから上下1オクターブ以内の単音を弾くと、カーソルが拍単位で前後に移動します。
- 中央のドから上下1オクターブを超える単音を弾くと、カーソルが小節単位で前後に移動します。コードネームをハイライト表示した状態で中央のドを弾くと、カーソルが上に移動します。
楽譜上で直接コードネームを編集するには
- コード・ツールを選択します。メニューバーに〔コード〕メニューが表示されます。
- 〔コード〕メニューから〔手動入力〕を選択します。
- 編集するコードネームをダブルクリックします。
- ひとつの音符に複数のコードネームが割り当てられている場合は、上下矢印をクリックしてコードネームを選択します。
- コードネームの変更部分を選択して、変更内容をタイプします。
- Enterキーを押して、変更を確定します。または、スペースキー、Shift+→のいずれかを押して次の音符に進むか、Tabキーを押して次の小節に進むか、またはコードを書き込みたい別の拍をクリックします。直前の音符に戻るには、Shift+スペース・キーまたはShift+←を押します。直前の小節に戻るには、Shift+Tabキーを押します。
入力された文字列に相当するサフィックスがない場合は、〔未知のコード・サフィックス〕ダイアログボックスが開き、現在開いているファイル内のコード・サフィックスのライブラリへサフィックスを追加することができます。
拍と拍の間にコードネームを入力するには
Finaleでは、音符か休符かにかかわらず、すべての拍にコードネームを入力することができます。拍が複数の音符/休符に細分されている場合でも、1つ1つの音符/休符にカーソルが現れ、コードネームを入力できます。1拍が複数の音符/休符に細分されていない場合で、拍と拍の間にコードネームを追加しようとする場合には、未使用のレイヤーに非表示の音符/休符を入力して、コードネームの割り付け先を作成します。コードネームの位置を手動で調整することもできますが、正確にリズムの細分を指定してコードネームを再生する(〔コード〕メニューから〔コードネームを再生〕)には、この方法が適しています。
- 追加する各コードネームに対して、レイヤー4にダミーの休符を1つずつ入力します。
- 楽譜にコードを書き込むことにより、ダミーの休符にコードネームを割り付けます。
- 五線ツールを選択して、ダミーの小節を選択します。
- 〔五線〕メニューから〔楽譜スタイルの適用〕を選択します。〔楽譜スタイル適用〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔空白の小節:レイヤー4〕を選択し、〔OK〕をクリックします。ダミーの休符は非表示になりますが、コードネームはそのまま配置されます。
また、高速ステップ入力ツールを使用すれば、レイヤー4の休符が再度表示されます。
選択範囲にあるコードネームだけを別の箇所へコピーするには
ここでは、コピー元は現在コードネームが書き込まれている小節、ペースト先はそのコードネームをペーストしたい箇所の小節として説明します。
- 選択ツールを選択します。
- 〔編集〕メニューから〔ペースト対象項目の選択〕を選択します。〔ペースト対象項目〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔すべてを解除〕をクリックしてから、〔コードネームとフレットボード〕のみをチェックします。〔OK〕をクリックします。
- コピー元を選択します。選択方法については楽譜の選択をご参照ください。
- ハイライト表示した小節をドラッグして、ペースト先の小節の先頭に重ねます。コピー先が画面内に表示されていない場合は、選択が解除されないように気を付けながら、その場所までスクロールして移動し、CTRL+Shiftを押しながらペースト先をクリックします。
コピー元とペースト先の調が異なる場合はコードは自動的に移調されます。
コードネームを定義/編集する
コードを編集するには(手動入力)
- コード・ツールを選択します。メニューバーに〔コード〕メニューが表示されます。
- 〔コード〕メニューから〔手動入力〕を選択します。
- 編集するコードネームを右クリックして〔コード定義の編集〕を選択します(または、コードネームのハンドルを選択してENTERを押します)。〔コード定義〕ダイアログボックスが表示されます。
- 必要な変更を加えます。ルートまたはベース音を小文字で表示したい場合は、〔小文字〕をクリックして選択します。ルートまたはベース音を大文字で表示したい場合は、〔小文字〕が選択されていないことを確認します。
- 〔OK〕をクリックすると、変更した内容が楽譜上に表示されます。
コード・サフィックスを編集するには
コード・サフィックスを編集すると、楽譜上に配置されているすべての同種のサフィックスに編集結果が反映されます。
- コード・ツールを選択します。
- 〔コード〕メニューから〔手動入力〕を選択します。
- 編集するコードネームを右クリックして、〔コード定義の編集〕を選択します。〔コード定義〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔サフィックス〕の〔選択〕ボタンをクリックし、さらに〔編集〕ボタンをクリックします。〔コード・サフィックス編集〕ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスでは、コード・サフィックスの各文字を、〔次へ〕および〔戻る〕ボタンを使って文字間を移動しながら、個別に編集します。ハンドルをダブルクリックします。〔コード定義〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔キャラクタ〕ボックスを編集して、文字を変更します。このテキスト・ボックスは、通常一度に1文字しか入力できませんが、下の〔数字〕オプションを選択すると、2桁以上の数字を入力することができます。〔キャラクタ〕ボックスに文字をタイプする代わりに、〔キャラクタ〕ボタンをクリックすると、指定されているフォントに含まれるすべての文字をパレットに表示することができます。
サフィックスには、+や-、やなどの変化記号をつけることができます。〔変化記号〕チェックボックスをクリックして、使用したい変化記号を選択します。
- 〔フォント指定〕をクリックすると、編集中の文字のフォントを変更することができます。
フォントは各文字に個別に設定する必要があるのでご注意ください。コード・サフィックスのフォントは、基本的にはコードネームのルートに使うフォントと同じ設定にしてください。ファイルの全サフィックスのフォントを別のフォントに変更することもできます。「コードネームのフォントを変更するには」をご参照ください。
- キャラクタの位置を調整します。
- マウスを使ってキャラクタのハンドルをドラッグします。編集中の文字(〔戻る〕および〔次へ〕ボタンで文字間を移動できます)のみハンドルが表示されます。
- 〔横〕(水平方向の距離)および〔縦〕(垂直方向の距離)の各ボックスに座標値を入力します。入力する数値の単位は、編集 > 計測単位で指定します。入力した値は、〔更新〕ボックスをクリックするまで画面表示には反映されません。
移動させようとしている文字が小さくてハンドルに隠れてしまい、位置の調整が難しい場合は〔ハンドルを表示〕のチェックを外して、このハンドルを表示しないよう設定します。ハンドル自体は表示されませんが、本来ハンドルが表示されているあたりをドラッグして文字を移動することができます。
- 〔発音構成〕ボタンをクリックすると、編集中のサフィックスの発音構成を定義することができます。〔サフィックス発音構成定義〕ダイアログボックスが開き、サフィックスに含まれる音のルートからの距離(ルートから半音単位でどれだけ離れているか)を入力する一連のテキストボックスが表示されます。
効率よく指定するには、〔実際に弾く〕をクリックします。ルート音が発音構成を算出する基準になるので、まずコードのルートを演奏するようメッセージが表示されます。ルートを演奏すると、その後すぐにサフィック自体を演奏するよう要求されますので、ルート音を除いたサフィックス部分を演奏すると、演奏したサフィックスに該当する番号がテキスト・ボックスに入力されます。
このダイアログボックスでは、とりあえず任意のルートを指定して発音構成を入力しますが、発音構成はそのルート音に関係なく記憶されます。つまり、maj7のサフィックスを入力すると、一度にFmaj7、Emaj7、Cmaj7などすべてのmaj7の発音構成定義をおこなっていることになります。
Finaleにコードを学習させるには
MIDIキーボードを使ってコードを入力する(あるいは楽譜上に入力済みの和音を解析させる)場合、学習させる必要があるコードをあらかじめ用意しておくと時間を節約できます。例えば、楽譜上に5度のイレブンス・コード(F/GやDm7/Gなど)、maj6、その他一般的でないコードネーム(例えばC2など)を書き込む場合、この方法を使用して、前もってそれらのコードをFinaleに学習させておきます。いったんコードが学習されると、(MIDIキーボード入力やコードの自動解析で)次にそのコードに遭遇した時、正しいコードネームが自動的に表示されます。
もちろん、コードネームの入力中にいつでも学習コードを作成できます。〔未知のコード・サフィックス〕ダイアログボックスが開いたときに〔自分で作成〕をクリックします。〔コード・サフィックス編集〕ダイアログボックスで作成されたコードが学習コードになります。
- コード・ツールを選択します。〔コード〕メニューが表示されます。
- 〔コード〕メニューから〔学習コードの編集〕を選択します。〔学習コードの編集〕ダイアログボックスが表示されます。
Finaleはつねに学習コードを特定のスケール(音階)と関連付けます。したがって、コードネームを入力しようとしている楽譜の調に対して、ダイアログボックスに表示された調が適切でない場合は、〔調の設定〕をクリックして適切な調を指定し、適切な状況で新しいコードを解析できるようにします。
- 〔学習〕をクリックします。MIDIキーボードでコードを演奏するよう要求するメッセージが表示されます。
- コードを演奏します。最低音とそこからの各構成音までの距離が計算されます。ボイシングやオクターブは関係ありません。キーボードで演奏すると、〔コード定義〕ダイアログボックスが表示されるので、演奏した和音に対して使用したいコードネームを設定します。
- 通常の手順でコードネームを作成し、〔OK〕をクリックします(またはENTERを押します)。〔コード定義〕ダイアログボックスの使用手順については、「コードネームを手動で定義、入力するには」または「MIDIキーボードを使用してコードネームを手動入力するには」をご参照ください。
〔学習コードの編集〕ダイアログボックスに戻ったら、再度〔学習〕をクリックして上述の手順を繰り返し、新しいコードネームを必要なだけFinaleに学習させます。学習されたコードは、ファイルにすでに読み込まれているコード・サフィックスのライブラリの他のサフィックスとともに保存されます(「コード・サフィックスのライブラリを作成または読み込むには」をご参照ください)。したがって、あるファイルで作成した学習コードは別のファイルに読み込んで使用することができるので何度も定義する必要はありません。
- 〔OK〕をクリックします(またはENTERを押します)。これ以降コード自動解析機能(MIDI入力または音符解析)を使用してコードネームを追加する時には、Finaleはここで学習させたコードを解析してそのコードネームを表示することができます。
Finaleは、異なる調の学習コードを解析しますが、これはルート音のスケール内での音程位置が同じ場合のみです。例えば、ハ調のCsus2を学習させるとへ調のFsus2も解析できますが、ハ調のFsus2は別途学習させない限り解析できません。
学習コードを編集または削除するには
- コード・ツールを選択します。メニューバーに〔コード〕メニューが表示されます。
- 〔コード〕メニューから〔学習コードの編集〕を選択します。〔学習コードの編集〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔検索〕をクリックします。編集したい学習コードをMIDIキーボードで演奏するようメッセージが表示されます。
既存の学習コードを画面上でスクロールして編集したいコードを検索するには、該当のコードが表示されるまで〔戻る〕と〔次へ〕をクリックします。
- コードを演奏します。演奏したコードがすでに学習したコードとして認識されると、対応するコードネームが表示されます。
演奏したコードが認識できない場合は、その旨を知らせるメッセージが表示され、学習コードとして追加するオプションが選択できます。
- 現在表示されているコードを削除するには、〔削除〕ボタンをクリックします。コードネームの表記を編集するには、〔編集〕ボタンをクリックして〔コード定義〕ダイアログボックスで設定を変更します。
- 編集が終わったら〔OK〕をクリックします(またはENTERを押します)。
MIDI入力を使用してコードネームを手動で定義するには
- コード・ツールを選択します。メニューバーに〔コード〕メニューが表示されます。
- 〔コード〕メニューから〔手動入力〕を選択します。
- コードネームを入力したい拍をダブルクリックします。〔コード定義〕ダイアログボックスが表示されます。
- 右側の〔実際に弾く〕ボタンをクリックして、MIDIコントローラーでルート音を弾きます。〔音階内の度数〕と〔半音変更〕の各テキストボックスに値が自動的に入力されます。
- 2番目の〔実際に弾く〕ボタンをクリックして、MIDIコントローラーでベース音を弾きます。
ベース音がルートと異なる場合、〔指定ベース音〕のテキストボックスに値が入力されます。
- 3番目の〔実際に弾く〕ボタンをクリックして、ルートとベース音を除いた残りの音をMIDIコントローラーで弾きます。
サフィックスが認識された場合、つまりコード・サフィックスのライブラリに合致するサフィックスがある場合にのみ、〔サフィックス〕の〔ID〕ボックスに自動的に値が入力されます。ライブラリが読み込まれていない、あるいはライブラリに合致するサフィックスがない場合は、何も入力されません。
- 〔OK〕をクリックします(またはENTERを押します)。
コードネームを移調するには
Finaleでは楽譜上の音符を移調すると、それに伴いコードネームも自動的に移調されます。例えば、ハ調のCmaj7はへ調のFmaj7になります。しかし調号を設定する前にコードネームを入力した場合などは、以下の方法で調や入力済みの音符に関係なくコードネームのみを移調することもできます。
- 選択ツールを選択して、移調したいコードネームを含む小節を選択します。選択方法については楽譜の選択をご参照ください。
- 〔ユーティリティ〕メニューの〔変更〕から〔コード定義〕を選択します。〔入力されたコード定義の変更〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔移調〕ボタンをクリックします。〔移調〕ダイアログボックスが表示されます。
- 移調させたい音程を指定して、〔OK〕を2回クリックします。
プレイバック時にコードが再生されるのを禁止するには
すべてのコードネームの再生を禁止するには、〔コード〕メニューの〔コードネームを再生〕の選択を解除します。
コードネームの作成時には、〔コード定義〕ダイアログボックスの〔再生〕のチェックボックスは初期状態で選択されています。したがって、あえて選択を解除しない限り、コードはプレイバック時に再生されます。コードを再生するかどうかを個別に設定する場合は、各コードネームの〔再生〕チェックボックスを選択解除するのが最善の方法ですが、特定の五線に含まれるコードネームすべてを再生しないよう設定するには、以下の手順に従ってください。
- 〔ウィンドウ〕メニューから〔スコア・マネージャー〕を選択します。〔スコア・マネージャー〕ウィンドウが表示されます。
- 〔パート名〕欄で、コードが割り付けられている五線名の隣にある三角形をクリックします。リストが広がって、「コード」を含めた、その五線の構成要素が表示されます。
- 「コードネーム」の行の「M」の欄をクリックします。これにより、この五線のコードネームはプレイバック時に発音されなくなります。
コード・サフィックスのライブラリを作成または読み込むには
ファイル上で一度作成または編集した(あるいはFinaleに学習させた)コード・サフィックスは、ライブラリという特別なファイル形式で保存することができます。次回別のファイルでコードネームを作成する際に、このライブラリを読み込むことにより、コードネーム(あるいは学習コード)の作成や編集の時間を短縮できます。
- 〔ファイル〕メニューから〔ライブラリを保存〕を選択します。〔ライブラリを保存〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔コード&フレットボード〕をクリックし、〔OK〕をクリックします(またはENTERを押します)。新しいライブラリにつける名前をたずねられます。
- 新しいファイル名を入力して、〔OK〕をクリックします(またはENTERキーを押します)。以後これらのコードネームを使用したい時は、(〔ファイル〕メニューから〔ライブラリを開く〕を選択して)作成したライブラリをそのファイルに読み込み、通常の手順でコードネームを入力します。
コードネームを移動する
コードネームを上下に移動するには
- コード・ツールを選択します。
- コードネームが表示されている段の五線内をクリックします。画面左端に4つの小さい三角形が表示されます。これらの三角形は、コードネームのベースライン(コードネームの横並びの高さを揃えるための線)を調節します(〔コード〕メニューの〔コードネームを移動〕が選択されていることを確認してください)。
- コードネームの位置を調整します。
- 複数のコードネームを移動したい場合は、位置決めの三角形を上下にドラッグします。
- 一番左にある三角形をドラッグすると、楽譜内のコードネームすべてのベースラインを上下に動かすことができます。
- 左から2番目の三角形を動かすと、一番左の三角形の位置に関係なく、特定のパートのコードを全段にわたって動かすことができます。
- 左から3番目の三角形をドラッグすると、その組段内でのみベースラインを動かすことができます。
- 一番右の三角形をドラッグすると、入力済みのコードネームではなく、これから入力するコードネームのベースラインの位置を設定することができます。
コードネームを音符に対して左揃えにするには
Finaleのアプリケーション設定では、通常コードネームを音符に割り付けた場合、コードネームはその音符に対して中央揃えになります。しかし必要に応じて、各コードネームを音符に対して左揃え、つまりコードネームの最初の文字が音符の上になるよう指定することができます。
- コード・ツールを選択します。メニューバーに〔コード〕メニューが表示されます。
- 〔コード〕メニューから〔コードネームの左揃え〕を選択します。
コードネームのフォントを変更する
フラットを含むJazzフォントコードサフィックスを修正するコードネーム:MIDI入力を使用してコードネームを手動で定義するには
コード・サフィックスは、標準の英数字フォント(maj7など)と記譜フォント(, など)の組み合わせで構成されるので、サフィックスを適切に表示させるには多少のノウハウが必要です。特にFinaleのJazzフォントは小文字キャラクタマップがないため、コード・サフィックスにフラットを配置する手順が複雑になります(単に配置しても、JazzCordフォントでは小文字のbが存在しません)。下記の手順により、この問題を起こすサフィックスを修正でき、問題の再発を防止できます。
フラットを含むJazzフォントコードサフィックスを修正するには
- コード・ツールを選択します。〔コード〕メニューから〔手動入力〕を選択します。
- 小節の中央をダブルクリックします。〔コード定義〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔詳細定義を表示〕をクリックしてダイアログボックスを広げます。ダイアログボックス下部にある〔サフィックス〕の隣の〔選択〕をクリックします。
- 編集するサフィックスを一覧から選択して、〔編集〕をクリックします。〔コード・サフィックス編集〕ダイアログボックスが表示されます。
- プレビューエリアの「B」にハンドルが表示される(右上のフィールドには「b」と表示)まで、〔次へ〕をクリックします
- 〔キャラクタ〕ボタンをクリックします。〔キャラクタの選択〕ダイアログボックスが表示されます。
- フラット記号が表示されるまでリストをスクロールします(通常はスロット33または132)。
- フラット記号をクリックして〔選択〕をクリックします。
- ハンドルをドラッグしてフラットの位置を調整します。同様にして、他のサフィックス文字も移動できます。〔戻る〕と〔次へ〕をクリックして文字を選択して、ハンドルをドラッグしてください。
- サフィックスの外観が目的通りになったら〔OK〕をクリックします。この時点で、編集したサフィックスを楽譜に配置することができます。
必要に応じて、他のサフィックスについても同じ手順を繰り返します。サフィックス編集の完了後、「コードネームとフレットボード」ライブラリとして保存すると、他のファイルで再利用できます。手順は、「コード・サフィックスのライブラリを作成または読み込むには」をご参照ください。
ヒント: コード・サフィックスを手早く指定するには、コードネームのルートの後に「:0」とタイプしてください。〔コード・サフィックスの選択〕ダイアログボックスが開き、リストからサフィックスを選択できます。
フラットを含むJazzフォントコードサフィックスを新規作成するには
- コード・ツールを選択します。〔コード〕メニューから〔手動入力〕を選択します。
- 定義するコードネームをタイプします。表示される警告メッセージに対して〔はい〕をクリックします。〔コード・サフィックス編集〕ダイアログボックスが表示されます。
- プレビューエリアの「B」にハンドルが表示される(右上のフィールドには「b」と表示)まで、〔次へ〕をクリックします
- 〔キャラクタ〕ボタンをクリックします。〔キャラクタの選択〕ダイアログボックスが表示されます。
- フラット記号が表示されるまでリストをスクロールします(通常はスロット33または132)。
- フラット記号をクリックして〔選択〕をクリックします。
- ハンドルをドラッグしてフラットの位置を調整します。同様にして、他のサフィックス文字も移動できます。〔戻る〕と〔次へ〕をクリックして文字を選択して、ハンドルをドラッグしてください。
- サフィックスの外観が目的通りになったら〔OK〕をクリックします。指定した記号が楽譜に挿入されます。
コードネームを手動で入力するためのヒント