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FinaleScriptプラグイン

FinaleScriptオプションダイアログボックスもご参照ください。

【このプラグインを使用するには】

〔プラグイン〕メニューの〔FinaleScript〕から〔FinaleScriptパレット〕を選択します。

【機能について】

FinaleScriptプラグインは、Finaleの統合スクリプト作成ユーティリティです。一連のコマンドを記述することにより、繰り返し実行する操作を自動化できます。例えば、ファイルを開き、スペーシングを変更し、移調して、レイアウトを変更する、といった作業のコマンドを連続して自動実行して、複雑な作業も瞬時に完了することができます。

FinaleScriptを使えば、定型的な作業を自動化できます。独自のプラグインのようなプログラムを作成したり、一度に複数のファイルを編集することもできます。このため、編集効率が飛躍的に向上します。使用できるコマンドは限りがありますが、工夫すれば様々な方法で利用できます。Finaleのすべてのメニューと、ダイアログボックスの大部分の設定がFinaleScriptで操作できます。

以下の解説では、新規スクリプトの作成方法を紹介し、コマンド一覧を示します。コマンドを記述するには、スクリプトの中に記述するか、〔コマンド入力〕テキストボックスに入力します。スクリプトまたはコマンドを実行するには、〔再生〕ボタンをクリックします。〔FinaleScript〕サブメニューからスクリプト名を選択するかショートカットキーを押す方法でも、スクリプトを実行できます。

スクリプトのどれかを選択して〔選択したスクリプトをエディタで開きます〕ボタンをクリックすると、スクリプト例を見ることができます。FinaleScriptパレットには、定義済みのスクリプトがいくつか用意されています。参考にご活用ください。

FinaleScriptパレットの構成要素は次のとおりです。

参照:

FinaleScriptオプション ダイアログボックス

 

スクリプトを新規作成するには

  1. 〔プラグイン〕メニューの〔FinaleScript〕から〔FinaleScriptパレット〕を選択します。〔FinaleScript〕パレットが表示されます。
  2. 〔新規〕ボタンをクリックするか、〔複製〕を使って既存のスクリプトのコピーを作成してから、ボタンをクリックします。〔FinaleScriptエディタ〕ダイアログボックス が表示されます。
  3. パレットの上部にスクリプト名を入力します。
  4. スクリプトコマンドを実行順に入力します。以下に示す構文とコマンドを使用してください。コマンドを入力すると、機能に応じて自動的に文字がカラー表示されます(スクリプト構文のカラー表示を参照)。文字列のどこかでControl+クリックしてコンテクストメニューを表示し、ファイルパスを挿入したり、キーワード候補から語句を選択したりできます(FinaleScriptの「コンテクストメニュー」)を参照)。
  5. 〔プラグイン〕メニューの〔FinaleScript〕サブメニューからスクリプトを選択できるようにするには、〔メニューに表示〕にチェックを付けます。
  6. スクリプトにショーカットキーを割り当てるには、〔ショートカットキーを使用〕にチェックを付けて、〔選択〕をクリックします。〔FinaleScriptショートカット定義〕ダイアログボックスが開き、ショートカットキーを設定できます。
  7. 〔実行〕をクリックすると、ダイアログボックスを開いたままスクリプトの実行をテストできます。
  8. 〔保存して閉じる〕をクリックします。作成したスクリプトの名前が〔FinaleScript〕パレットに表示されます。
  9. 〔スクリプト実行〕ボタンをクリックすると、スクリプトが実行されます。ファイルの処理が完了したら、点滅中の〔レポート〕ボタンをクリックしてください。実行したコマンドのレポートが表示されます。設定によっては、〔プラグイン〕メニューの〔FinaleScript〕からスクリプト名を選択するか、ショートカットキーを押す方法でもスクリプトを実行できます。

FinaleScriptのコマンド

FinaleScriptでは、すべてのメニュー項目と、ダイアログボックスの大部分のコマンドを呼び出すことができます。コマンドの入力方法は2通りあります。FinaleScriptパレット下部のテキストボックスに入力するか、〔FinaleScriptエディタ〕ダイアログボックスの中に入力します。

メニュー項目、ダイアログボックスのコマンド、プラグインの呼び出しは、大文字小文字、句読点、ダッシュ、改行などの有無と関係しません。

スクリプト例は黄色の背景色で表示しています。

 

コマンドの説明は緑の背景色で表示しています。

“//”はコメントを表すので、FinaleScriptの処理から除外されます。

//この文字列はコメントなので無視される

スクリプトを入力すると、機能に応じて自動的に語句がカラー表示されます。詳しくはスクリプト構文のカラー表示をご参照ください。

メニュー関連コマンド

あらゆるメニュー項目を呼び出すことができます。階層形式で指定するのがおすすめですが、必須ではありません。入力例を示します。

menu item "File/New/Exercise Wizard"

次のように指定することもできます。

menu item "exercise wizard" //または

plug-in "apply human playback"

メニュー項目のオン/オフは、次のように設定します。

check/uncheck menu item "display in concert pitch"

メニュー項目名が長い場合は、* か % を使って名前を省略できます。例:

menu item "compile*" //instead of "compile postscript listing"

plugin "band in a box*" //instead of "band in a box auto-harmonizing"

ダイアログボックス関連コマンド

ダイアログボックス内のボタンを押す動作は、以下のコマンドで指定します。

button "ok" //推奨

press "ok" //推奨

hit "ok" //上記と同じ動作

hit ok //上記と同じ動作 

strike "ok" //可

click "ok" //避けた方がよい(同名の他のコントロールと混同される恐れがある)

hit "cancel" //上記と同じ動作

hit cancel //上記と同じ動作

共通して使われるボタン(ok, cancel, save, delete, set font, select)は、引用符が不要です。他のボタンは引用符が必要です。

Tip: 注:tab/clickが使えない限り、スクリプトで指定できるのは文字ベースのボタンだけです(下の「マウスクリック動作」を参照)。

 

同じダイアログボックスに同名のボタンが複数ある場合は、近くにある項目名を指定する必要があります。例えば〔五線の属性〕ダイアログボックスには、〔設定〕ボタンが4つあります。以下の例のように近くの項目名を指定して、どの選択ボタンかを明確にします。

staff tool //五線ツールを選択

menu item "edit staff attributes" //〔五線の属性〕ダイアログボックスを開く

button "settings" //先頭の〔設定〕ボタンを押す

button "settings" near "use note shapes" //対象のボタンを明確にする

button "select" near "use not*" //別のボタンを明示する

 

チェックボックスとラジオボタン

チェックボックスとラジオボタンのオン/オフを指定するコマンドは、"check"、"uncheck"、"click"です。

check "allow undo"//チェックを付ける(すでに選択されていれば、何もしない) 

uncheck "use score colors" //チェックを外す(すでに選択解除されていれば、何もしない)

click "automatic music spacing"//設定されていなければ設定し、設定されていれば設定解除(交互に切り替え)

click radio "update manually" //ラジオボタン

select radio "update manually"//上記と同じ動作

click "update manually" //作動するが、明確さに欠ける(避けた方がよい)

click "measure" near "through end of piece" //近くの項目を指定

click "measure" near "to next time change" //近くの項目を指定

まれに、同名のチェックボックスまたはラジオボタンが複数存在することがあります。その場合は、近くにある項目を指定する必要があります。

Expectコマンド

コマンドと“expect”という語を組み合わせることにより、目的の項目が使用可能になるまでFinaleScriptに待機させることができます。ただし、“expect”モードに入ると、応答を要するダイアログボックスのスキップはおこなわれません。

query source folder //一括処理の入力フォルダを選択

query destination folder //一括処理の入力フォルダを選択

menu item "file maintenance"

uncheck "test file integrity"

hit ok //ファイルメンテナンスを起動

expect to hit ok //〔OK〕が選択可能になるまで待機

save append "_checked"

close

文字と数字の入力

キーボードを使った英数字入力には、typeコマンドを使います。

type 15.7 //(フォーカスが当たっている)現在のテキストボックスに「15.7」を入力

type "15.7" //上記と同じ動作 //この文字列を入力

type 15.7 near "outer tip" //〔先端の外側〕テキストボックスに値を入力

type "15.7" near "minimum measure width" //上記と同じ動作 //〔名前〕テキストボックスに文字列を入力

 

以下に例を示します。

select meas 1 plugin "create tempo marking"

check "display tempo text"

type "Allegro non troppo" near "display tempo text"

type 96 near "="

press "OK"

Tip: 〔メトロノーム記号作成〕プラグインでは、〔表示させるテキスト〕チェックボックスが真下のテキストボックスのオン/オフを指定します。このように、FinaleScriptでは、外観上の近さで2つの項目を結びつけることができます。

 

類似の例を示します。

上の図は、「固定のテキストラベル+テキストボックス」の一般的なテキストボックスです。

type 10000 near "小節幅の上限"

//複数行にまたがる場合は末尾に%をつける

 

 

上の図は、2つのテキストラベルの間にテキストボックスがあります。この場合は、次の2通りの記述方法があります。

type 1 near "変更は" //または

type 1 near "ごと"

 

上の例は、数値を2×2の配列で表示しています。この場合、上記の方法だけではFinaleScriptで正しく解釈できないため、tabコマンドを使う必要があります。例を示します。

menu item "ファイル別オプション"

list "タイ"

check "拍子記号"

type 8 near "拍子記号"

Tab

type 9

check "調号"

type 7 near "調号"

Tab

type 6

press "ok"

 

このほか、Mac版でFinaleScriptからアクセスできないリストがいくつかあります。典型例がフォントリストです。〔フォント〕ダイアログボックスでは、マウスを使ってフォントを選択するか、「P-E-T-R-U-C-C-I」のようにフォント名を直接入力します。この種のリストでは、次のようにraw属性を使います。

menu item "set default music font"

type raw "petrucci"

type "22" near size

hit ok

 

ポップアップメニュー から項目を選択する

pop-up "layer 4" //

select "layer 4" //作動する可能性もあるが、避けた方がよい

pop-up "first upstem*" near "music char*" //近くの項目を指定

 

リストから項目を選択する

FinaleScriptでは、テキストのみの単純なリストのみ対応しています。FinaleScriptで操作できる単純なリストは〔小節番号の表示方法〕ダイアログボックス、〔環境設定〕ダイアログボックス、〔ファイル別オプション〕ダイアログボックスにあります。

Tip: 注:Finaleの大部分のリストは、FinaleScriptから直接操作することはできません(例:〔発想記号の選択〕ダイアログボックス、〔パーカッション・マップの選択〕ダイアログボックス、〔アーティキュレーション選択〕ダイアログボックス、スコア・マネージャーなど)。

以下の2つは同じ働きをします。

select list "display colors"

list "display colors"

 

タブページで構成されるダイアログボックスでタブを選択する

〔発想記号の設計〕ダイアログボックスなどは複数のタブで構成されています。タブを指定するコマンドは次のとおりです。

select tab "playback"

click tab "playback" //上記と同じ動作

hit tab "playback" //上記と同じ動作

click "playback" //たいてい動作するが、明確さに欠ける

 

タブ、ポップアップメニュー、テキストボックス、ボタンを組み合わせたスクリプト例を以下に示します。このスクリプトを発想記号で使用する場合は、発想記号のハンドルを選択してからスクリプトを実行してください。

//発想記号の定義を修正

hit return //選択した発想記号の〔発想記号の設計〕ダイアログボックスを開く

click "positioning" //配置タブを選択

pop-up "left"

popup "start of music"

type 12 near "additional horiz%"

popup "staff reference line"

type 24 near "additional base%"

button "ok"

Tip: 注:FinaleScriptは、上部に表示される標準のタブのみ対応しています(左、右、下のタブは選択できません)。

ウィンドウの選択

ウィンドウを閉じずに作業を続行できるタイプのウィンドウ(フローティングウィンドウ)が画面に複数表示されている場合に、select windowコマンドを使ってウィンドウを選択できます。

select window "align move*"

click "to nearest element"

button "go"

 

ダイアログを拡張表示(プレイバックコントロールなど)するには:

select window "playback controls"

expand window

click "leftmost measure"

click "end of piece"

キーストローク

実際の文字を入力するのでなく、キーボードのキーを使ってダイアログボックスを移動する動作を指定できます。

tab //フォーカスを移動する

shift tab //フォーカスを1つ前に移動する

tab 2 //フォーカスを2つ先に移動する

shift tab 4 //フォーカスを4つ前に移動する

press enter //Enterキーを押す動作

enter key //上記と同じ動作

enter //上記と同じ動作

RETURN //

cmnd enter // ‘power’ enter

ctrl return // ‘power’ return

shift return //

up arrow 2 //2回

down arrow 5 //5回

space bar

spacebar //上記と同じ動作

press del

press delete //上記と同じ動作

delete key //上記と同じ動作

del key //上記と同じ動作

shift ctrl return //修飾キーの組み合わせ

alt cmnd spacebar //修飾キーの組み合わせ

ctrl apple return //apple key = cmndキー

home key

end key

page up key

page down key

 

Tab、Enter、Return、上下左右の矢印、スペースバー、Home、End、Page Up、Page Down、Deleteの各キーは、修飾キー(Shift, Option, Command)と組み合わせて使用できます。

Shift+1のような単純なキーストロークもスクリプトに記述できます。

strike shift 1 //数字は0〜9

press shift 1 //上記と同じ動作

press shift "1" //上記と同じ動作

press shift "A" //英文字キーを使用

 

マクロ機能による移調を設定するキーストロークの例を示します。

//マクロ機能による移調を設定

selection tool

press apple shift 6

click "up"

click "chromatically"

pop-up "minor third"

type 1 near "plus"

check "preserve*"

button "ok"

 

スライダー

FinaleScriptはスライダーに対応しています。

menu item "audio setup"

move slider "mic level" 110

check "enable micnotator"

hit ok

 

マウスクリック動作

マウスポインタの現在位置でのクリックとダブルクリックを指定できます(Command/Shift/Optionキー+ダブルクリックも可能)。ショートカットキーでスクリプトを呼び出す場合に便利です(ハンドルを選択して処理を実行するときなど)。

control click

shift click

double click

shift double click

control shift double click

 

スクリプトにショートカットキーを割り当てるには

スクリプトにショートカットキーを割り当てることができます。〔プラグイン〕メニューの〔FinaleScript〕サブメニューにスクリプト名を表示することも可能です。手順は次のとおりです。

  1. 〔プラグイン〕メニューから〔FinaleScript〕 > 〔FinaleScriptパレット〕を選択して、FinaleScriptパレットを開きます。
  2. 目的のスクリプトをダブルクリックして〔FinaleScriptエディタ〕ダイアログボックスを開きます。
  3. 〔メニューに表示〕にチェックを付けると、〔FinaleScript〕サブメニューから選択できるようになります。
  4. ショートカットキーを割り当てるには、〔ショートカットキーを使用〕にチェックを付けて、〔選択〕をクリックします。〔FinaleScript - ショートカットの定義〕ダイアログボックスが表示されます。

  5. 割り当てるキーをキーボードで押します。キーボードから押したキーの組み合わせが画面に表示されます。すでに別の機能が設定されていれば、その旨のメッセージが現れます。〔候補を表示〕をクリックすると、使用可能なショートカットキーが表示されます。
  6. 〔OK〕をクリックします。以上の操作で、ショートカットキーを押してスクリプトが実行されるようになります。

FinaleScriptのショートカットキーとメニュー項目実行コマンドを組み合わせることにより、ショートカットキーの割り当てを自由に変更できます。 〔FinaleScript〕メニュー項目自体は、FinaleScriptプラグインやmenu itemコマンドで呼び出すことはできません。

Hide Paletteコマンド

〔FinaleScript - オプション〕ダイアログボックスに、ショートカットキーでスクリプトを起動したときにパレットを非表示にするかどうかを選択するオプションがあります(〔スクリプトをメニューから呼び出した際にはパレットを表示しない〕オプションの説明をご参照ください)。このチェックボックスにチェックを付けていなくても、スクリプトで hide palettコマンドを指定して、パレットを非表示にすることができます。

hide palette

control click

type raw "engr"

arrow right

arrow down 2

type enter

 

入出力フォルダ

Note: 一括処理の入出力フォルダは、FinaleScriptのSaveコマンド(およびパラメータ)にのみ適用されます。通常のファイル保存やグラフィック、MIDIファイルのエキスポートには適用されません。

〔FinaleScript - オプション〕ダイアログボックスで、一括処理の入力フォルダと出力フォルダを選択できます。ただし、この設定はすべてのスクリプトに適用されます。個々のスクリプトで別のフォルダを指定するには、以下の例のようにコマンドを記述します。

source batch folder "/Users/main/Desktop/Music"

load folder "/Users/main/Desktop/Music"

load folder "Mac HD:Users:main:Desktop:Music" //上記と同じ、‘HFS’スタイル

load folder "\Users\main\Desktop\Music"

destination batch folder "/Users/main/Pictures/EPS"

save folder "/Users/main/Pictures/EPS" //上記と同じ

注:Macでは、POSIX、HFS、Windowsのパス形式を使用でき、FinaleScriptはパスを自動検出します。

停止と一時停止

スクリプトを一時停止するショートカットキーは、パレットを開くショートカットキーと同じです(デフォルトはCtrl+Cmd+F)。このキーを押すとスクリプトが一時停止します。点滅中の〔再生/一時停止〕ボタンをクリックするとスクリプト処理が再開し、〔停止〕ボタンをクリックすると停止します。

 

Report Font

report fonts コマンドを実行すると、ファイルで使用できるフォント一覧がレポートに書き出されます。見つからないフォントも明示されます。report fontsコマンドはスクリプトの中だけで機能します。コマンドラインでは使用できません。

TGツール

TGツールに直接指示を与えるコマンドがあります。

FinaleScript入力支援機能

短時間で簡単にスクリプトを作成するには、FinaleScriptのコマンド群を簡単に閲覧できるようにする必要があります。このため、FinaleScriptでは、エディタ画面のコンテクストメニューからコマンド候補を表示できるようになっています。正確なコマンドが分からないときは、適当な語を入力してControl+クリックしてください。類似コマンドの一覧が表示されます。一覧からコマンドを選択すると、エディタ画面に入力されます(下の図を参照)。

コンテクストメニューから入出力フォルダを指定することもできます。コンテクストメニューから〔パスの挿入〕を選択し、フォルダを選択して〔OK〕をクリックすると、ファイルパスが入力されます(下の図を参照)。

 

エディタ画面に入力したテキスト行をコメント指定/コメント解除する操作も、コンテクストメニューを使えば簡単にできます。テキストを反転表示してからControl+クリックして、〔コメント表示/非表示〕を選択します(下の図を参照)。

 

FinaleScriptの一般的なコマンド

Tip: 「Commands Reminder」というスクリプトに、すべてのFinaleScriptコマンドが収録されています。

 

process all open(このコマンドを指定しないと、現在選択しているファイルのみ処理される)

dont process active doc(開いている他のファイルが処理対象になる)

batch process folder

process subfolders

switch to main document

Switch to previous/active/next doc(〔ウィンドウ〕メニューの順序に従う)

stop, end

ファイル別オプションの操作

多くのファイル別オプション(チェックボックス、ポップアップメニュー、テキストボックスなど)を直接操作できます。スクリプトには〔ファイル別オプション〕ダイアログボックス内の表示順にコマンドを記述します。値を表すオプションは、後ろに単位(EVPU、スペース、インチ、センチメートル、ミリメートルなど)を付けることができます。指定しなければ現在の計測単位が使われます。

例:

staff line thickness = 2.7 evpus

check Use Straight Flags

select Flatten All Beams

uncheck Allow Rest To Float //チェックボックスの場合は、“no”または“don't”と組み合わせて使用する(例:don't use smart hyphens)

(don't) use engraver slurs

(don't) use cross-layer accidentals

(don't) use smart hyphens

(don't) use smart extensions

 

FinaleScriptで直接操作できるファイル別オプションの一覧を以下に示します。

space between accidental and note //音部記号

space between dot and note //付点

close barline at the end of each system //小節線

heavy line thickness //小節線

thin line thickness //小節線

base slop on end notes only //連桁

flatten beams based on standard notes //連桁

flatten beams based on extreme notes //連桁

flatten all beams //連桁

allow primary beam within a space //連桁

allow rest to float //連桁

extend beams over rests //連桁

extend secondary beams over rests //連桁

beam thickness //連桁

broken beam length //連桁

maximum slope //連桁

maximum distance from middle staff line //連桁

display clef only on first staff system //音部記号

spacing before clef //音部記号

spacing after clef //音部記号

clef change reduction //音部記号

clef change offset //音部記号

use standard/straight flags //旗

flag spacing //旗

secondary group adjust //旗

music font = “font name” //フォント

grace notes size/spacing //装飾音符

always slash fagged grace notes //装飾音符

display key signatures only on first staff system //調号

cancel outgoing key signature //調号

display courtesy key signature at end of staff system //調号

space before key signature //調号

space after key signature //調号

space after canceled key //調号

space between key signature accidentals //調号

staff line thickness //直線と曲線

start number at 5 measures //長休符

minimum/maximum measure width //スペーシング

minimum distance between items //スペーシング

minimum distance between notes with ties //スペーシング

spacing before/after music //音符と休符

scale manual positioning of notes //音符と休符

heavy/thin repeat line thickness //反復記号

normal stem length //符尾

shortened stem length //符尾

stem line thickness //符尾

use outer placement //タイ

space before/after time signature //拍子記号

display courtesy time signature //拍子記号

use engraver slurs

他のファイルとの間でファイル別オプションをコピー/ペーストする

以下のコマンドを使って、ファイル別オプションの設定を他のファイル(複数ファイルも可)にコピーすることができます。

例えば、あるファイルで設定したスペーシングと連桁のオプションを他のファイルでも使いたいとします。この場合、元のファイルをテンプレートとして使用し、多くのファイルにその設定(またはファイル別オプション全部)を適用して、独自の出版社フォーマットに統一することも可能です。手順は次のとおりです。まず、テンプレートとして使うファイルを開きます(FinaleScriptでは、このファイルを「main document」と呼びます)。〔FinaleScript〕ダイアログボックスで、一括処理するフォルダを選択します(ファイル別オプションを他のファイルに転送する場合には、フォルダを一括処理する代わりに、他のファイルを開いてからフォーカスをmain documentに戻し、スクリプトを実行するという方法もあります)。〔FinaleScript〕プラグインを選択して、スクリプトを記述してください。

例:

batch process the folder

import music spacing options from main document

import beaming options from main document

respace

update layout

 

同様に、自分で作成した大譜表括弧を他のファイルにペーストしたい場合には、次のように記述します。

batch process the folder

import piano braces from main document

update layout

 

最後に、main documentを開いた状態でスクリプトを起動します(スクリプトの起動時、main documentがアクティブのファイルになります)。上記の手順でコピー&ペーストできるオプションは次のとおりです。

import doc options (or) import house style //すべてのファイル別オプション

import accidental options through import tuplet options

page format for score

page format for parts

import extract parts options

import human playback options

slur contour

smartshape placement

smartshape options (including regular options, Smart Slur Options and Guitar Bend Options.)

 

小節の選択/削除

小節を選択/削除するコマンドは次のとおりです。

select meas 3

select first meas

select last meas

select meas 1 to 5

select meas 6 to the end

select first meas to 6

//

delete meas 3

delete first meas

delete last meas

delete meas 1 to 5

delete meas 6 to the end

delete first meas to 6

 

ツール関連コマンド

selection tool

page layout tool

pge layout

layout //ツール名の入力で任意のツールを指定できる。ただし、この方法で道具箱ツールは選択できない。道具箱ツールパレットのツールを選択するには、Finaleの〔ツール〕メニューを使用する必要がある。

表示関連コマンド

unit evpu(s)

inches (i, inch)

centimeters (cent, c)

millimeters (mill, mm)

spaces (s, sp, spce)

パイカ

show all layers

all layers

show active layer only

active layer only

hide others

zoom (50, 75, 100, 200, 400)

fit in window

home

go to page 5, page 5, pge 1

go to measure 124, meas 124

ページレイアウト関連コマンド

ページレイアウト専用の強力なコマンドがいくつかあります。これらのコマンドはファイル全体に適用されることが多いのでご注意ください。ブロック編集操作と同様に、多くのページレイアウト・コマンドはツールを切り替えずにその場で入力できます。

(don’t) display in concert pitch

resize pages to 75%

resize systems to 80%

staff height = 0.3 inch

resize staff to 65% (選択範囲に適用)

page format A4 (or A4)

page format Letter landscape

page format portrait (or Portrait)

page format 21x29 cm

reverse page margins, reverse margins

apply page format (スコアのページフォーマット)

fit 4 measures (1段あたり)

update layout, updt layt

reorganize Layout, reorganize, reorg (最大限多くのオプションでレイアウトを更新)

redraw, refresh

音部記号ツール関連コマンド

first clef/default clef

treble // (または 'g')

bass //(または 'f')

tenor //(または treble + '8')

alto //(または 'c'、第3線のハ音記号。このコマンドは五線全体に適用され、他の音部記号変更をクリアする。

ユーティリティメニュー関連、その他のコマンド

以下のコマンドのほとんどは、選択ツールによる選択を必要とします。何も選択しないと、ファイル全体に対して処理されます。なお、どの処理も、事前に選択ツールを起動する必要はありません(すべて自動起動します)。

note spacing //or respace

beat spacing

time signature spacing

rebar

rebeam

check accidentals

check ties

convert mirrors

fill with rests

move layer 1 to 2 //このあと移動元のレイヤーを削除

freeze stems down/up

remove manual slur adjustments

remove stem changes

respell notes

retranscribe

lock/unlock systems

transpose to G major/minor (+属性)

Fit Measures 4 meas //1段あたり

chord style Nashville A //または、使用できる他の任意のスタイル

show/hide fretboards

resize fretboards to 80%

update hyphens

update word extensions //または update extensions

execute plug-in "flat beams" (またはrun plug-in " xxx", plugin " yyy", pi " zzz")

プラグイン名の後ろに省略記号“...”を付けてダイアログボックスを開く)

delete lyrics

delete chords

swap layers x and y

編集メニュー関連コマンド

選択、削除、コピー、ペーストをおこなうコマンドの例を以下に示します。

undo

redo

[選択] layer 3, layer 3, l 3

work on layer 3 レイヤー3選択+編集中のレイヤーのみ表示+レイヤー3表示)

select measure 1 to 15

select staves “flute” to “ saxophone” (大文字小文字をチェックしない)

select “piano” (グループ名)

select instrument 2 to 5 (譜面上の表示順)

select “clarinet” to bottom

select staves “flute” to 5 (名前と番号の混合)

select top to “horns”

select pages 2 to 5

select systems 1 to 10

select/deselect all

delete staff (=現在選択している五線)

delete measures (選択範囲)

clear measures (音符と変形図形のみ)

copy, cp, cpy

paste, replace entries, replace

insert, ins

(disable) automatic music spacing, auto spacing

(disable) automatic update layout, auto update

ファイルメニュー関連コマンド

quit, q

close,c

new, n (default document)

open, o, open midi, open mus, open ftm, open all

open ?(スクリプトからFinaleの〔開く〕ダイアログボックスを呼び出す)

save, sv, save and append, new, save as midi, save as

print, p ('print' のみ記述すると、現在のページ設定でファイル全体を印刷する)

印刷属性: 2-up, 4-up, even, odd, page 3 to 18, to page 20, ("2, 4, 6-9" のように複数の印刷範囲を指定することも可能)

print booklet //16ページ、両面のブックレットを印刷する。ブックレットのページ数を指定することもできる。使用するプリンタが両面印刷に対応していない場合は、ブックレットが適切に作成されるようにオモテ面を印刷してから裏返して裏を印刷する。

他のコマンド

transpose instrument to Bb //移調楽器

run plug-in "flat beams" //下位フォルダの指定は不要、どのプラグインも指定可能

display in concert pitch

uncheck display in concert pitch

create/break multimeasure rest

(五線の追加/挿入)例: add 1 staff, append piano staves "Piano", add 3 staves bass clef, insert 1 staff "Clarinet in B^b"

apply staff style

clear staff style

show/hide measure numbers

title

composer

copyright

description

staff name

left/right/top/bottom page/system margin

文字列の検索・置換

FinaleScriptには文字列の検索・置換機能が含まれています。スクリプトから検索・置換を呼び出す例を示します。

search “© Music Sales” replace with “© Neverland Publishing”

search “Violin” replace “Violon”, match case

search “Clarinet in A” replace “Trumpet in B^b” (キャレット文字を使用)

search [Times] and replace [Chicago]

search font “Times” and replace “Chicago” (上記と同じ)

search “Cl.”[Palatino] 12 italic bold replace with “Fl.”[Times] 13 non bold, in staff names

上記の項目に以下の属性を付加することもできます。

(non) italic

(non) bold

(non) plain

(non) fixed size

(non) underline

(non) hidden

[font name] (括弧でくくること)

size: 48(数値のみ)

match case

whole words

expressions

staff names

text blocks

Tip: 〔編集〕メニューの〔文字列の検索/置換〕ダイアログボックスからでも同じ機能を使用できます。

変形図形

(属性を指定しないと、すべてのテキスト項目が対象になります。)

キャレット文字を使って一致条件を指定します。

^l = 改行

^t = タブ

^© = 著作権記号挿入

^c = 著作権情報

^C = 作曲者

^T = タイトル

^d = 備考

^# (or ^s) = シャープ記号

^b = フラット記号

^n = ナチュラル記号

^S = ダブルシャープ記号

^B = ダブルフラット記号

^^ = キャレット文字

<65> ASCII番号

フォント関連コマンド

(属性を指定しないと、すべてのテキスト項目が対象になります。)

キャレット文字を使って一致条件を指定します。

記譜フォント [maestro wide] //フォント名を引用符で囲んでも可。属性:サイズとボールド

Swap Font [times] with [JazzText] //フォント名を引用符で囲んでも可。属性指定は不可。このコマンドはファイル全体に適用される。

プレイバック関連コマンド

FinaleScriptには、Human Playbackをはじめプレイバック用のコマンドがいくつかあります。

キャレット文字を使って一致条件を指定します。

playback, play, listen (楽譜スクロールなしのプレイバックを実行。小節が選択されている場合は選択範囲のみプレイバック)

wait 3 seconds (ファイル演奏間のポーズを設定するタイマー)

wait for a key

internal speaker playback

uncheck internal speaker playback

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