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Human Playbackカスタム・スタイル ダイアログボックス

【このダイアログボックスを表示するには】

〔MIDI/Audio〕から〔Human Playback〕>〔カスタム〕を選択します。

【機能について】

このダイアログボックスを使うと、独自のHuman Playback設定を作成することができます。楽譜の一部分にHuman Playback 機能と特定の音楽要素を適用することもできます。その場合は、〔Human Playbackの部分適用〕プラグインを使います。

作成したHuman Playback 設定を別のファイル(複数ファイルも可)にコピーしたい場合は、〔FinaleScript〕プラグインを使って転送できます("import human playback custom style from main document" コマンドを使用)。

Tip: FinaleScriptを使うと、他のファイルとの間でHuman Playback設定をコピーすることができます。

プレイバックに反映させる項目:Human Playbackで演奏に反映させる項目をチェックして選択します。

どの程度重ねるかは楽器によって異なります。例えばピアノやハープシコードは、管楽器と比べて音符を重ねる時間が長くなります。また、Human Playbackの他のパラメータと同様に、楽曲の前後の状況によっても重なりの度合いが異なります。ただし、たいていの場合、テンポによって音符の重なりの度合いが異なることはありません。

スラーでつながれたフレーズの最後の音符は比較的短くなります。

スラーでつながれたフレーズ内のスタッカート部分(ストリングスのスピッカート)は、音符の重なりはありませんが、通常のスタッカートと比べて長く演奏されます。

スラーでつながれたフレーズ内で同じ音符が連続する部分は、音符が重ならないように考慮されます。

スラーでつながれていない音符は、音の終わりの時間の値を比較的短くして、やや分離して聞こえるようにします。

装飾音符、トレモロ、グリッサンドなど一定の音符については、スラー記号がなくても自動的にスラーを付けて演奏します。例えばピアノの白鍵または黒鍵のグリッサンドの場合、実際に演奏者の指が鍵盤を滑らせて演奏するので、強くスラーのかかった演奏になります。

注:Garritan楽器を使用した場合のスラーについて 持続音系の楽器(管楽器、ストリングス)にはコントローラー#64か#68が使われます。スラーの最初の音符の開始直後に値127を適用し、フレーズの最後の音符の末尾直前に値0を適用します。アタックを変更するには音符と音符の間をわずかに(1 EDU)重ねます。Garritan Personal Orchestraのマニュアルによれば、ソロの管楽器にはポリフォニーを「1」に設定するよう推奨していますが、ポリフォニーが1より大きくてもレガート効果は実際に働きます(Garritan Instruments for Finaleでは、ソロ楽器のポリフォニーはデフォルトで「2」に設定されています)。持続音系でない楽器(ピアノなど)は、通常の音符の重なりを使用します。

また、楽曲の前後の状況によっても速度変化の効果が変わります。例えばPrestoからとAndanteからでは、速度の落とし方が異なります。

さらに、〔ルバート〕スライダーの設定によっても速度変化の効果に差があります。

Human Playbackが認識する項目に、Human Playback機能が認識する語句の一覧が記載されています。Human Playback機能が無視する(速度変化の効果を与えない)語句もいくつかあります。具体的には、poco a poco、peu à peu、nach und nach、little by little、sempre、toujours、always、immerです。

その他の語句(molto、moltissimo、moltiss、très、beaucoup、much、più、unpoco、poco、pochissimo、poch、un peu、legerement、etwas、a little)は、速度変化の効果に反映されます。

装飾記号の音価が特定されるかどうかは、楽曲の前後の状況と記譜内容によって決まります。Human Playbackにおける不定音価の装飾記号のスピードは、テンポにもフェルマータにも依存しません。この場合、楽曲の前後の状況と、〔Human Playback初期設定〕ダイアログボックスの〔トリル/トレモロ:最も遅い演奏〕の設定値によって速度が決まります。例えば〔より自然な演奏にする〕が選択されている場合、ストリングスと管楽器のトリル速度は多少音程に依存します。実際、バスクラリネットのモルデントは、ピッコロの高い音程と比べてゆっくり演奏されます。

Human Playbackでは、トレモロは2つのカテゴリに分類されます。1つはストリングスのトレモロとパーカッションのドラムロール(スラッシュ付き音符)、もう1つはピアノのトレモロ(省略表記)です。トレモロの音価が特定されるかどうかは、楽曲の前後の状況によって決まります。一般に、ストリングス以外のトレモロで、テンポが速くない場合(2分音符> 60)、スラッシュ3個未満(連桁を含む)のトレモロは音価が特定されます。〔ドラムロールを正確に演奏する〕を選択すると、ドラムロールおよびストリングスの連桁16分音符のトレモロは常に音価が特定されます。

トリル/トレモロは、スラーが付いているかのように多少レガートをかけて演奏されます。

装飾記号(トリル、ターンなど)にアーティキュレーションによる臨時記号が指定されていない場合、前後の音符をもとにベストの音程が決定されます(臨時記号を追加すると、それに応じて音程も修正されます。臨時記号には、括弧でくくった臨時記号、小型表記、Engraverフォントセットのトリル付き音符のどれでも使用できます)。

ロングトリル (複数の小節に渡る変形図形)もプレイバックに反映できます。トリル付きの音符は変更でき、また、アーティキュレーションなど複数の異なる臨時記号を指定できます。一般に使用できる臨時記号のほか、あまり一般的でない記号(November Extraキャラクタ#132〜136、Engraver #76、89、180、194、231、241など)も臨時記号として使用できます。

特に指定がある場合(前に装飾音符が付いているか、〔バロック様式の装飾〕にチェックが付いている場合)を除き、トリルは通常、下方の音符から始まります。

和音にトリルか装飾記号が表記されている場合、記号の位置に応じて一番上または一番下の音符のみHuman Playbackで処理されます。

同じパートで複数のトリルを処理することもできます(複数のレイヤーで2つのトリルを進行させるなど)。

フェルマータの位置にトリルが配置されていても、減速はおこなわず、末尾の最後の音符のところで少し停止し、曲を再開する前にブレスを置きます。

〔より自然な演奏にする〕を選択すると、最終のトリルスピードに向けた線形進行を使用しながら、トリルの開始部分(最初の3〜4つの音符)を少し遅らせます(〔ランダム係数〕の値も加味されます)。また、フレーズ/パートがソロかどうかによって、遅れの度合いがわずかに異なります。

ターン記号 (記譜フォントキャラクタ#84)は、古典の解釈規則に従って演奏されますが、楽曲の前後の状況によって演奏の仕方が異なります。付点音符の後ろに半分の音価の音符が付いている場合(例:付点4分音符+8分音符)、付点のない音符と違った演奏になります。〔バロック様式の装飾〕にチェックを付けると、比較的短い音符に付いているターン記号は上方の音符から演奏されます。通常の長い音符に付いているターン記号は、フレーズの末尾にかけてターンが演奏されます。

装飾音符: Human Playbackは、短前打音と前打音とを区別します。短前打音は斜線の付いた装飾音符で、拍の前に短く演奏されます。前打音は斜線のない装飾音符で、比較的ゆっくりと演奏されます(拍の冒頭から開始して、後続の音符の半分程度の長さを演奏します)。

パーカッションフラム: 装飾音符として表記されたシンプルフラム、ダブルフラム、トリプルフラムは、短く反復する演奏として解釈されます。速度は通常のトリルと同じで、リアルタイムのテンポに依存しません。先行音符の音価が極度に短い場合、適宜音価が調整されます(音符を重ねることはできません)。

ジャズシェイク(波線の変形図形): 比較的速い短3度差のトレモロとして解釈されます。持続音系の楽器の場合、〔より自然な演奏にする〕にチェックを付けると、正弦曲線と直線の混合により、ピッチベンドのバリエーションのような優れた演奏になります。Jazzフォントのキャラクタ#148と#149もアーティキュレーションとして使用できます。

他のジャズ演奏: ターン記号(キャラクタ#84):解釈の仕方は、メロディの状況(音程が上昇するか下降するか)によって異なります。詳細については、下の「グリッサンド/ベンド」をご参照ください。

パーカッションロール(トリル): 〔Human Playback初期設定〕ダイアログボックスで〔より自然な演奏にする〕にチェックを付けると、ティンパニ、スネアドラムなどのロールには特別な処理がなされ、いっそうリアルな演奏になります。ロール演奏の音符は主要音より多少ソフトに演奏され、全体では、不規則で小さいディミヌエンド/クレッシェンドが連続的にかかります。ディミヌエンド/クレッシェンドの範囲と長さは、楽曲の前後の状況およびランダム係数の設定によって異なります。また、音の始まりの時間もわずかに不規則化されます。このような効果は、Garritan Personal Orchestraのような優れたサウンドライブラリでの使用に適しています。楽譜に表記された速く繰り返すパーカッション音にも、自然な演奏にする処理が多少適用されます。トレモロ/トリルにも微妙な効果がかかります。

Garritan楽器を使用した場合のトリル/装飾記号/トレモロ: トレモロと装飾記号には、GPOコントローラーのいくつか特別なエフェクトが適用されます(〔より自然な演奏にする〕を選択する必要があります)。

Garritan Instruments for Finaleは、ピアノのサステインペダルと持続音系楽器のレガートを同時に処理できます。これは、レガートにCC#64でなくCC#68を使用するからです。このため、Human Playbackの自動ピアノペダル機能を利用しながら、標準のペダル記号もプレイバックに反映できます。

ストリングスと管楽器のトリル/トレモロ: CC#21(長さ)(デフォルト=64)を110に上げて、調和をいっそう向上させています。Human Playbackでは、キースイッチによるトリルは使用しません。

ティンパニのロール: CC#22(イントネーション)(デフォルト=10)を105に上げ、CC#23(音色)(デフォルト=10)を20に設定しています。

バスドラム(Basic Orchestral Perc、MIDIノート35/36): CC#22を45、CC#23を24に設定しています。スネアドラム(MIDIノート59/60)はCC#22を23、CC#23を28に設定し、サイドドラム(MIDIノート57/58)はCC#22を15、CC#23を18に設定します。ロール演奏のあと、CC#22とCC#23の値は標準値の10に書き戻されます。

ティンパニ、バスドラム、スネアドラム、サイドドラムにはオルタネートストロークを使用しています(ティンパニは代替音符を2オクターブ分離)。他の打楽器は、CC#22/23と代替音符の変更はありません。

ストリングスのトレモロ: 〔弦楽器、ハープ、金管楽器独自のパッチ変更をおこなう〕にチェックを付けると、キースイッチが使用されます。Garritan Instruments for Finaleは、セクションとソロのどちらのストリングスにも統一のキースイッチを使用します(〔パッチ変更にキースイッチを使用〕はデフォルトで選択されています)。MIDIノート0=アルコ/オルディナーリオ、MIDIノート1=ミュート、MIDIノート5=ピチカート、MIDIノート6=トレモロミュート、MIDIノート7=トレモロです。

Human Playback機能は、図形の松葉形クレッシェンドも文字の発想記号(cresc.、dim.)も解釈できます。松葉形クレッシェンドは、別の強弱記号が現れない限り、クレッシェンドの図形が持続する間はプレイバックに反映されます。松葉形クレッシェンドによる強弱変化を次の音符に適用するかどうかは、Human Playback側でいくつかの要素(次の強弱記号までの距離、後続の松葉形クレッシェンドがあるかどうか、フレーズの末尾かどうか)を評価して判断します。

打楽器、打鍵楽器、撥弦楽器(キーボード、パーカッション、ハープなど)は、ベロシティのみを使って強弱変化を処理します。

一方、持続音系の楽器(管楽器、ストリングスなど)は、ベロシティとボリュームを複雑に組み合わせて強弱を処理します。これは、MIDIボリュームだけでは音色の変化を十分に表現できないためです。処理が難しい典型的な例は、で始まってで終わる単一の持続音です。Human Playbackでは、ベロシティとボリュームの間で分数乗の等価関数を用いて対処しています。ただし、持続音系楽器の速いテンポのフレーズでは、ベロシティを使った方が一般に演奏結果が良いため、ベロシティを使って処理しています。計算に際しては、基本パートのボリューム値、または対象パートがソロ楽器かどうかが考慮されます。松葉形クレッシェンドは、常に前後の状況を入念に吟味しながらフレーズごとに処理されます。

複雑な例としては、ピチカートとアルコを交互に演奏するフレーズがあります。ピチカートはベロシティとして処理し、アルコはボリュームで処理します。ピチカートとアルコの切り替えが頻繁におこなわれることもあるため、Human Playbackは、こうした変化を滑らかに処理できるように設計されています。

Human Playbackが認識できる文字の強弱記号については、Human Playbackが認識する項目の一覧をご参照ください。

注:Garritan楽器を使用した場合の松葉形クレッシェンドと強弱記号について 打楽器と撥弦楽器は、GMスタンダードと同様にベロシティを使って強弱を処理しますが、持続音系の楽器(管楽器、ストリングスなど)については、GPOはCC#1(モジュレーション)を使用するという独自の方法で強弱を処理します。この機能を有効にするには、〔Human Playback初期設定〕ダイアログボックスの〔ボリューム変化にモジュレーションホイールを使用〕を選択する必要があります。

Human Playbackが認識する記号と発想記号は、Ped、con pedale、pedale、 ° (#161), * (#42)です。

"*"記号がない状態で複数のPed記号が続いている場合は、Ped記号とPed記号の間で自動的にペダルを離して、音が混ざらないようにします。また、ペダル記号と〔自動ピアノペダル〕機能が競合することはありません。近くにペダル記号が表記されていれば、自動ペダル機能は適用されません。

注:Garritan楽器を使用した場合のペダル記号について Garritan Instruments for Finaleは、ピアノのサステインペダルと持続音系楽器のレガートを同時に処理できます。これは、レガートにCC#64でなくCC#68を使用するからです。このため、Human Playbackの自動ピアノペダル機能を利用しながら、標準のペダル記号もプレイバックに反映できます。

Jazzフォントを使ってアーティキュレーションとして作成された音符付随のスラーとベンドも、Human Playbackで認識し解釈できます。ピアノ、ハープ、その他シロホンなどの和音(または3度、5度、オクターブなどのグリッサンド)も可能です。〔Human Playback初期設定〕ダイアログボックスで、いくつか追加の設定ができます。

Human Playbackは、ほとんどあらゆる状況でグリッサンドとベンドを演奏できます。基本的に、グリッサンド/ベンドは2種類(音階使用とピッチベンド)に分かれます。

グリッサンド: グリッサンドは音符付随の変形図形(波線または直線)で表記されます。小節や五線をまたいだ表記も可能です。

ピアノ/キーボードのグリッサンド: 開始時の音符が白鍵か黒鍵かによって、白鍵または黒鍵のグリッサンドが自動で演奏されます。このグリッサンド効果は対象箇所の調号には依存しません。音程差が5度未満の半音階のグリッサンドもできます。

ハープのグリッサンド: ハープのグリッサンドは、調号と臨時記号の状況に依存します。Human Playback機能は、ハープのグリッサンドを正しく演奏する目的で、事前に調号と臨時記号を確認します。また、予告の小さな音符を使って変化音を示すこともできます(例:ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」)。なおHuman Playbackでは、ハープのグリッサンドが半音階で演奏されることはありません。

ハープまたはキーボードの場合、複数の音符のグリッサンドも演奏できます(和音のグリッサンド)。どちらも、平方根を使ったアルゴリズムにより、グリッサンド時のスピードにいくぶん柔軟性を持たせています。

持続音系楽器のグリッサンド: 持続音系の楽器にはピッチベンドが使われます。指定のピッチベンド範囲(〔Human Playback初期設定〕ダイアログボックスの〔ピッチベンドの変化幅〕で設定)を超えるグリッサンドは、半音階または全音階のグリッサンドとして演奏されます。

Human Playbackでは、ピッチベンド変化を開始するときと通常のピッチベンド(=0)に戻すとき、ブレスと共鳴をできるだけ考慮して処理します。カーブは、楽曲の前後の状況に応じて三次曲線または直線が使われます。

ドゥイット/フォール、プリベンド:これらは一般にJazzフォントのアーティキュレーションですが、単一の音符または音符と休符に付ける変形図形(波形、直線、スラー)として作成することもできます。Human Playbackの側では、位置と方向を確認してベストの演奏方法を決定します。

変形図形として作成されたギターベンド、プリベンド(1/2、1/4などあらゆる種類)も、Human Playbackで認識されます。ギターパートに表記された波線は、減衰の指数/正弦曲線を用いてピッチベンドビブラートとして解釈します。

注:Garritan楽器を使用した場合のグリッサンド/ベンドについて Garritan Instruments for Finaleは、Human Playbackのベンド/グリッサンド機能を十分に活用できます。なお、Human Playbackではポルタメントを使用しません。

終止線 楽曲の末尾に対しては、様々な音楽要素(強弱記号、音符の間隔など)と〔ランダム係数〕と〔ルバート〕の設定に応じて、独特の効果を与えます。同じファイル内の複数の楽章にも、この効果が適用されます。この場合、楽章と楽章の間にブレスが演奏されます。D.C. al fineなどの反復記号も考慮してプレイバックされます。

詳細設定 以下のオプションを使って、カスタム設定にHuman Playbackの効果を設定(または選択解除)します。

この項目はピアノ譜でのみ機能します。和声進行を分析して、CC#64データを自動作成します。基本的に、いくつかの要素(長7度の音程、スタッカート音と休符の存在など)にもとづいて和音の濁りをなくすように処理します。スラーでつながれた和音進行(音符の重なり)も考慮に入れます。また、ペダル記号と〔自動ピアノペダル〕機能が競合することはありません。近くにペダル記号があれば、自動ピアノペダル機能は適用されません。

注:Garritan楽器を使用した場合のストリングスのハーモニクスについて 〔Human Playback初期設定〕ダイアログボックスの〔ハープ・ハーモニクス〕にチェックを付けると、キースイッチを使用してベストのハーモニクスが演奏されます。統一キースイッチの場合、ハープハーモニクスはMIDIノート番号2、標準値はMIDIノート番号0です

Note: Human Playbackが有効になっている場合、MIDIツールや発想記号などに手動で設定されたMIDIパラメータはHuman Playbackにより上書きされます。それらの効果を有効にしたい場合は、Human Playbackを〔なし〕に設定してください。

 

 

 

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