パートごとのボイシング

楽器や記譜によっては、ひとつの五線の中に複数の声部が含まれる場合があります(Flute 1と2や、divisiパートなど)。このような五線であっても、たとえばFlute 1とFlute 2を別々のパート譜として書き出したいケースもあるかと思います。Finaleでは、このようにひとつの五線の中にある複数の声部を個別に抜き出してパート譜として編集あるいは印刷することができます。

ただし、片方のレイヤーに含まれる音符に割り付けられた記号類は、自動的にはもう片方のレイヤーの音符にはコピーされませんのでご注意ください。また、下記の項目は抜き出されたパート譜には含まれません。

  • 休符位置の手動調整
  • 符尾の調整
  • 連桁の調整
  • 音符の配置調整(2度音程での衝突回避など)

複声部が含まれる五線から単声部のパート譜を生成するには

ステップ入力、高速ステップ入力、音符移動の各ツールは、声部別の表示が適用されたパートでは使用できません。それらの音符情報を編集するには、スコア譜に戻って該当するパートを選択してください。

  1. 〔書類〕メニューから〔パート譜の管理〕を選択します。〔パート譜の管理〕ダイアログボックスが表示されます。
  2. 〔新規パート譜〕をクリックし、〔パート譜名の編集〕をクリックします。パート名を入力し、〔OK〕をクリックします。左側のリストに新しいパートが追加され、自動的に選択状態となります。
  3. 右側のリストから複声部を含む五線を選択し、〔パート譜に追加〕ボタンをクリックし、今作成したパート譜に含めます。選択した五線が真ん中のリストに移動します。
  4. 真ん中のリストで、先ほど追加した五線をクリックして選択します。
  5. 〔声部表示〕ボタンをクリックして、〔五線のパートでの声部表示〕ダイアログボックスを表示します。

    ここでは、それぞれの声部の音符がどのようにして五線上で混在しているかを確認してください。例えばFlute 1のパートがつねにレイヤー1に含まれている場合は、〔つねにレイヤー_のみ表示〕を選択して、ポップアップ メニューから「1」を選択してください。ただし、多くの場合、複数のパートがユニゾンで演奏する際には、表記上は1つのレイヤーにまとめて表示します。例えば、曲中にtuttiがある場合、Flute 1もFlute 2も同じレイヤー1で表示されます。この様な場合は下記を実行してください。

  6. 〔レイヤーの構成に応じた表示〕を選択します。
  7. 〔音符の表示方法〕欄で、目的に一番近い設定を選択します。例えば、2声部を含む五線からバイオリン2(下声)を抜き出す場合、〔一番下の音符のみ〕を選択し、〔複数のレイヤーで構成されている小節で表示するレイヤー〕では「2」を選択します。

    声部を分離した状態で音符を追加もしくは削除すると、アーティキュレーションは適切でない位置にとどまったままになる場合があります。アーティキュレーションが、声部/レイヤーを認識して正しい位置へ自動的に移動するように設定するには、〔アーティキュレーション設計〕ダイアログボックスで、〔位置〕ポップアップ メニューから〔自動判別〕を選択してください。(既に楽譜上に配置されているアーティキュレーションについては、そのアーティキュレーションのハンドルを選択してCLEARキーにより手動の位置調整を解除するまで、効果は反映されません。)

  8. 設定が完了したら〔OK〕をクリックします。詳しくは五線「_」の「_」パートでの声部表示ダイアログボックスをご参照ください。〔パート譜の管理〕ダイアログボックスに戻ります。
  9. 〔OK〕をクリックします。一部、不要な音符が含まれている場合もあるかと思いますが、そのような場合は楽譜スタイルなどを使用して見た目を調整してください。
  10. 五線ツールを選択します。選択した範囲をControl+クリックして、〔空白の小節(休符表示)〕を選択します。選択した範囲の音符が休符に変更されます(下図)。この楽譜スタイルは、小節に割り当てられた記号(松葉形クレッシェンドなど)は隠しませんが、スラーやアーティキュレーションなどの音符割り当ての記号類は非表示になります。

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