フレーム編集ダイアログボックス

【このダイアログボックスを表示するには】

  1. 高速ステップ入力ツールを選択します。
  2. 五線の外側をクリックして、高速ステップ入力の編集フレームを非表示にします。
  3. 音符が入力されている小節をOPTION+クリックします。

【機能について】

このダイアログボックスでは非常に技術的な内容を取り扱うため、普段使用されることはめったにありません。このダイアログボックスには、選択された小節に含まれる音符が持つプログラム内部の様々なコード情報が表示され、画面表示には現れない生のFinaleデータをそれぞれの音符について編集することができます。

入力されたそれぞれの音符には、ID番号や、声部の割り当て、タイの有無など様々な情報が含まれています。このダイアログボックスではそれらの項目を手動で設定することができます。この項ではいくつかの技術的な用語が登場しますが、その中で特に重要なのは「エントリー」という言葉です。これは、音符、休符、和音といった、入力されたもの全般を指します。

例えば、このダイアログボックスを使用して、加線を非表示にしたり、スラーの割り当てを確認したりすることができます。

エントリー番号

  • フレーム番号  この表示は現在編集中の小節を表します。1つのフレームは、楽譜上の特定の五線の特定の1つの小節を表します。Finaleは楽譜上に表示されている順番でフレームに番号をつけるのではなく、作成された順番に番号をつけることにご注意ください。
  • 最初のエントリー(番号)・最後のエントリー(番号)  これらの数値は、編集中の小節の最初の音符/休符と最後の音符/休符のID番号を表しています。Finaleは、入力された順番に音符にID番号を振っていきますが、実際の音符の入力では削除や挿入などを伴うため必ずしも前の音符から順に入力するとは限らないので、ID番号は必ずしも音符の表示上の並び順とは一致しません。
  • 現在のエントリー(番号)  この部分は現在設定が表示されているエントリーの番号を示します(Finaleは表示上の実際の並び順ではなく、入力された順にエントリーにID番号を振っていくことに留意してください)。
  • 音価  テキストボックスの数字は、EDU(4分音符=1024EDU)で現在のエントリーの音価を表します。音価をリストで選択して変更したい場合には〔音価〕ボタンをクリックしてください。〔音価指定〕のパレットが現れます。
  • 位置  このテキストボックスの数字は、編集中のエントリーが本来の位置から左右にどれくらい移動しているかが表示されます。〔高速ステップ入力〕ツールや〔道具箱〕ツールでエントリーを右に動かした場合、ここの数値は増加します。逆に左へドラッグした場合、ここの数値は減少します。
  • エントリー番号  ここには、現在どの音符、休符、または和音を編集しているのかが表示されます。1つのエントリーに対して、1つの“枠”があたえられます。エントリーのID番号は入力された順につけられますが、この“枠”の番号は前から順につけられますので、ここで自分がどの音符を編集しているのかを容易に知ることができます。その小節内の一番最初のエントリー番号は「0」になり、順に右へ向かって番号が増えていきます。また、それぞれの小節には“小節の最後”を認識するための見えない枠が挿入されます。例えば、小節内に4つの音符と1つの休符があった場合、この認識用の枠を含めて合計6つのエントリー番号が小節に存在することになります。
  • エントリー:戻る・次へ  これらのボタン(ダイアロボックス内にあるうちの上の方)をクリックすると現在のエントリーから前後のエントリーに移動します。
  • エントリー:追加・削除  これらのボタンは、小節にエントリーを挿入したり現在選択しているエントリーを小節から削除したりします。
  • アーティキュレーション  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーにはアーティキュレーション記号が割り付けられています。
  • 連桁延長  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーの連桁は〔連桁伸縮〕ツール(〔道具箱〕ツールの中)によって延長されています。
  • 連結しない  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーはその前の音符とは連桁でつながってはいません。
  • 休符の統合  このチェックボックスが選択されている場合、現在表示しているエントリーは、他のレイヤーの同じ拍にある休符と統合されます。このチェックボックスが選択されていなければ、このエントリーと同じ拍にある休符の統合はおこなわれません。
  • 五線をまたぐ  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーの音符(和音の場合はそのうちの1つ以上の符頭)が五線をまたいだ音符です。
  • 符尾重複  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーは上向きと下向きの両方の符尾を備えています。
  • 水平な連桁 このチェックボックスが選択されている場合、現在表示されている音符の連桁は水平に固定されています。
  • 逆向きタイ  このチェックボックスが選択されている場合、(〔道具箱〕ツールや〔高速ステップ入力〕ツールを使用して)局所的に、またはファイル別オプション-レイヤーの設定によってタイが上下反転しています。
  • 休符の位置  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリー(休符)は五線の真中の線に固着されています。ファイル別オプション-レイヤーの設定で、あるレイヤーの全ての休符の位置を動かす設定がされている場合は他の位置に固着されます)。このチェックボックスが選択されていない場合、〔高速ステップ入力〕ツールを使って休符を上下にドラッグできます。
  • 連桁を固定  このチェックボックスが選択されている場合、現在表示されている音符の〔連結しない〕のボックスの設定内容が固定されます。以降この小節に編集を加えても、この音符の連桁の設定に関しては変更されず、連結されている、あるいは切り離されている状態のままになります。ただし、〔ユーティリティ〕メニューの〔連桁の再連結〕を実行した場合は、設定が上書きされます。
  • 符尾の固定  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーの符尾は上向きか下向きで固定されています。(このダイアログボックスの〔符尾(上/下)〕も合わせて確認してください。この項目がチェックされている場合は符尾は上向きに固定されます。)
  • 装飾音符  このチェックボックスが選択されている場合は、現在選択しているエントリーは装飾音符です。
  • 非表示  このチェックボックスが選択されている場合は、現在選択しているエントリーは見ることができずプレイバックもおこなわれません(高速ステップ入力でOのキーを押した場合にチェックされます)。
  • 加線  このオプションは、必要な音符に自動的に加線がつけられるように、デフォルトでチェックされています。特定の音符の加線をあえて表示したくない場合は、このボックスのチェックを外してください。そのまま楽譜上に戻ると、その音符から加線が消去されます。隠されている加線を再び表示させたい場合は、同じ要領でこのボックスにチェックを入れてください。
  • 認識  このチェックボックスの機能は非常に技術的なものですので、決して不用意にクリックしたりしないようにご注意ください。簡単に言うと、このボックスが選択されていない場合、現在選択しているエントリーとその小節のそれ以降のエントリーはすべて表示されなくなります。つまり、このボックスがチェックされていないエントリーは“小節の最後”を示す合図として使用されるのです(詳しくは上記「エントリー(#)」の説明をご覧ください)。
  • 音符変更  このチェックボックスが選択されている場合、現在編集しているエントリー(符頭、符尾、連桁なども含む)は、〔サイズ〕ツールでサイズが変更されているか、〔符頭変更〕または〔臨時記号調整〕ツール(〔道具箱〕ツールの中にあります)で符頭や臨時記号が変更されています。
  • 音符/休符  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーは音符です。選択されていない場合は休符です。
  • 演奏情報  このチェックボックスが選択されている場合は、現在選択しているエントリーに関連する演奏データ(ベロシティや発音タイミング情報など)が存在します。
  • プレイバック  このチェックボックスが選択されている場合、プレイバック時にその音符が発音されます。
  • 逆向き符尾(上/下)  これらのチェックボックスのいずれかが選択されている場合、〔符尾逆向き〕ツール(〔道具箱〕ツール内)によって反転された(通常とは逆の側を向いた)上向きか下向きの符尾がついています。
  • 不完全連桁の分割  このチェックボックスが選択されている場合、〔連桁分断〕ツール(〔道具箱〕ツール内)によって現在選択しているエントリーの連桁が調整されています。
  • スラー  このオプションが選択されている場合、エントリーには変形図形スラーがついています。このオプションはあくまでも参照用です。この設定を手動で変更しないでください。
  • スペーシング  このチェックボックスが選択されている場合、現在表示されている音符はスペーシング幅の計算時に影響を与えます。選択されていない場合、スペーシング幅の計算時にこの音符が持つ音価は無視されます。
  • 道具箱  このチェックボックスが選択されている場合、〔タイ〕ツールまたは〔付点〕ツール(〔道具箱〕ツール内)によって現在選択しているエントリーのタイや付点が修正されています。
  • 符尾分割  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーの音符は〔符尾重複・分割〕ツール(〔道具箱〕ツール内)によって符尾が分割されています。
  • 符尾の変更  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーの符尾は、〔特殊符尾〕〔符尾調整〕〔連桁調整〕〔連桁分断〕の各ツール(〔道具箱〕ツール内)によって修正されています。
  • 歌詞付随  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーには歌詞のシラブルが割り付けられています。
  • 連符  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択しているエントリーは連符の第1音です。
  • 符尾(上/下)  〔符尾固定〕のボックスが選択されている場合、このチェックボックスに、固定された符尾の向きが上向きか下向きかが表示されます。このボックスがチェックされている場合は上向きで、チェックされていない場合は下向きです。
  • ボイス2  このチェックボックスが選択されている場合、現在表示されているエントリーはボイス2に属します。
  • ボイス2開始  このボックスがチェックされている場合、現在選択しているエントリー(ボイス1)から、ボイス2が“開始”されます。

和音中のエントリー番号

  • 戻る・次へ  これらの2つのボタン(ダイアログボックス内に2つあるうちの下の方)をクリックし、和音の中のある音から他の音へ移動します。(〔戻る〕は上の音から下の音へ、〔次へ〕は下から上へ移動します。)
  • 和音中のエントリー番号:追加・削除  これらのボタンは、和音に音符を挿入したり現在選択している音符を和音から削除します。
  • 音符ID  このテキストボックスの数字は和音の中の現在選択している音符を識別します。
  • ルートからの音程  このテキストボックスの数字は選択している音符の音程が、スケールの第1音(主音)から全音階で何段階分離れているのかを表します。例えばEの音はCの2段階分上にあるので、Cのキーでのこのボックスの値は2になります。
  • 半音の変化  このテキストボックスの数字は、現在選択している音が臨時記号の追加によって通常の音程からどの程度(半音単位で)上げ下げされたかを表します。例えばCのキーではBbの値は -1となり、F#の値は-1となります。
  • 和音中のエントリー番号  この表示は、エントリーが和音の場合にその和音の中のどの音符の情報を編集しているのかが示されます。和音のそれぞれの音には下から上に向かって0から番号が付いています。
  • 臨時記号  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択している音符に通常は臨時記号を表示しない場合でも(CのキーでのC音につくナチュラルなど)強制的に表示されます。これは「親切臨時記号」などと呼ばれます。
  • 括弧付き臨時記号  このチェックボックスが選択されている場合、現在選択している音符には括弧付きの臨時記号が表示されています。
  • 五線をまたぐ  このチェックボックスが選択されている場合は、現在選択している音符は装飾音符です。
  • 下向き符尾の2度  このチェックボックスが選択されている場合、現在表示されている音符の符頭は符尾に対して“本来とは逆の側”に付いています。たいていの場合、和音中に2度音程でぶつかる音符が存在するために起こります。(上向きと下向きは符尾の方向を表します。)
  • 臨時記号を固定  このチェックボックスは、〔高速ステップ入力〕ツールで編集中にアスタリスクキーを押して強制的に臨時記号を表示(または非表示)させたことを表します。
  • 認識  このチェックボックスが選択されていない場合には、表示されている音符(符頭)と和音中のそれ以降の音符を全て隠し、Finaleに対し“和音の最後”を伝える合図として作用します。
  • プレイバック  このチェックボックスが選択されている場合、プレイバック時にその音符が発音されます。
  • スペーシング  このチェックボックスが選択されている場合、現在表示されている音符はスペーシング幅の計算時に影響を与えます。選択されていない場合、スペーシング幅の計算時にこの音符が持つ音価は無視されます。
  • タイ開始・タイ終了  これらのチェックボックスは現在表示されている音からタイが開始または終了することを表します。これらのチェックボックスはここでは編集しないでください。
  • 上向き符尾の2度  このチェックボックスが選択されている場合、現在表示されている音符の符頭は符尾に対して“本来とは逆の側”に付いています。たいていの場合、和音中に2度音程でぶつかる音符が存在するために起こります。(上向きと下向きは符尾の方向を表します。)
  • 符尾分割  このチェックボックスが選択されている場合、〔符尾重複・分割〕ツール(〔道具箱〕ツール内)を使って現在表示されている音符の符尾が和音中の他の音から分断され、現在選択している音符が上向きの符尾を有することを表します。
  • OK・キャンセル  〔OK〕をクリックすると、このダイアログボックスでおこなった設定を確定し楽譜上に戻ります。〔キャンセル〕をクリックすると、設定内容を破棄して楽譜上に戻ります。楽譜上に戻ります。

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