はじめに、マイク採譜の各設定が使用する楽器に合わせて正しく設定されているかをご確認ください(マイク採譜を設定するを参照)。リアルタイム入力についての詳細はリアルタイム入力でのレコーディングをご参照ください。
マイク採譜は演奏された音をそのまま採譜していきますので、入力する際には実際の演奏とは異なり楽譜上に正しく表記されるように演奏しなくてはなりません。つまり、スタッカートがついた8分音符は、その通りに演奏すると楽譜上には16分音符として表記されてしまうのです。なので、演奏の際はすべての音をその長さを十分に保って演奏しなくてはなりません。また、全体的に遅めのテンポの方がより正確に採譜される様です。
クォンタイズの設定については、MIDIキーボードで入力する時と同様に、基本的なガイドラインに従ってください。一般的には、演奏されるフレーズに含まれる一番小さな音符に合わせてクォンタイズをかけます。例えば、一番小さな音符が8分音符の場合は、16分音符よりも8分音符でクォンタイズするように設定した方がよい結果が得られます。また、たいていの場合、クォンタイズ設定で〔連符を使用しない〕を設定した方が、よい結果が得られます。もし演奏するフレーズに3連符が含まれていたとしても、取りあえず連符を使用せずに入力しておいて、あとから高速ステップ入力ツールで修正した方が結果的には効率良く入力できます。
もし、16分音符のフレーズがうまく採譜されない場合は、〔クォンタイズ設定〕ダイアログボックスの〔詳細設定〕で、〔極端に短い音符〕の設定を「20 EDU」から「0 EDU」に変更してみてください。
- 〔MIDI/オーディオ〕メニューから〔クォンタイズ設定〕を選択して〔クォンタイズ設定〕ダイアログボックスを表示し、〔詳細設定〕をクリックします。〔クォンタイズ設定〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔詳細設定〕ボタンをクリックします。〔クォンタイズ詳細設定〕ダイアログボックスで設定します。
- 〔極端に短い音符〕の下の〔_EDUより短い音価の音符を取り除く〕のテキストボックスに「20」と入力します。
- 〔装飾音符を取り除く〕をチェックします。
- 〔オプション〕欄の〔ボイス2を判別する〕と〔付点休符の使用を許可〕の両方にチェックが付いていないことを確認します。
- 〔OK〕をクリックします。〔クォンタイズ設定〕ダイアログボックスに戻ります。設定を調整して、〔OK〕をクリックします。詳しくは、クォンタイズ設定ダイアログボックスをご参照ください。
- 〔リアルタイム入力〕ツールをクリックします。メニューバーに〔リアルタイム入力〕メニューが表示されます。
- 〔リアルタイム入力〕メニューの〔拍の設定〕サブメニューから〔プレイバックとクリック音〕を選択します。〔プレイバックとクリック音〕ダイアログボックスが表示されます(詳しくはプレイバックとクリック音ダイアログボックスをご参照ください)。自分でタップを刻みながら自由なテンポで入力したい場合は、タップ信号ダイアログボックスをご参照ください。
- 〔拍の単位〕のリストの中から、メトロノームに使用する拍と同じ音価の音符をクリックして選びます。パレットに表示されていない音価を使用したい場合はEDUで数値を指定してください。
- 録音時に使用したいテンポが分かっている場合は、〔テンポ〕のテキストボックスに直接入力します。はっきり分からない場合は、〔実際に弾く〕をクリックして、希望するテンポと同じ速さでダイアログボックス内をマウスでクリックします。ここでタップされた内容の平均的なテンポが自動的に入力されます。
- 〔録音開始の信号〕
ドロップダウンメニューから開始信号を選択します。Finaleはここで選択した信号を受け取るまで、カウントオフや録音を開始しません。メトロノーム信号と同じMIDI信号を使用したい場合には、〔現在選択中のメトロノーム音〕を選択してください。ペダルをタップした時に録音を開始させたい場合には〔一般的なサスティーンペダル〕または〔特殊なサスティーンペダル〕を選択してください。特殊なMIDI信号を開始信号として定義したい場合には、〔その他〕を選択して〔MIDI信号〕ダイアログボックスで設定してください(MIDI信号ダイアログボックスを参照)。
- 〔録音時に他のパートを再生〕のチェックを外すか、もしくはマイク採譜の入力チャンネルが他で使われていないことを確認します。オーディオ設定ダイアログボックスをご参照ください。
- メトロノーム音とカウントオフについて設定する場合は〔クリック音とカウントオフ〕をクリックします。詳しくはクリック音とカウントオフダイアログボックスをご参照ください。
- 〔OK〕をクリックします。楽譜上に戻ります。
- 〔リアルタイム入力〕メニューの〔レコーディング・モード〕から〔1つの五線に入力〕を選択します。マイク採譜は単音楽器しかサポートしていません。
- 録音を始めるには、録音を開始したい小節をクリックします(録音開始の信号を設定している場合は、録音開始の信号をFinaleに送って録音を開始します)。小節をクリックします。または、〔ウィンドウ〕メニューから〔プレイバック・コントローラー〕を表示します。必要に応じて小節を変更して、プレイバック・コントローラーの〔Record〕ボタンを押します。
最初に録音を開始する小節をクリックした場合は、プレイバック・コントローラーに別の小節が表示されていても、クリックされた小節から録音が開始されます。
- 自分でタップを刻みながら入力している場合は、録音が終ったら最後にもう一度タップします。Finaleはこの最後のタップによって、拍を確定しクォンタイズ設定に基づいて最後の音を処理します。
- 録音を中止するには、画面上の適当な箇所をクリックします。楽譜の採譜結果を確認し、クォンタイズや分割ポイントがうまく処理されていない場合は、設定し直してもう一度録音します。リアルタイム入力では、五線上にすでに音符があってもそれを上書きしていきます。
また、Finaleの〔MIDI入力のレイテンシー〕設定を調節すると、認識がいっそう良くなることがあります。録音時に音符が拍子に遅れて表示される傾向がある場合は、以下のようにしてください。
- 〔MIDI/Audio〕メニューから〔MIDIセットアップ〕を選択し、〔詳細〕をクリックします。
- 〔MIDI入力のレイテンシー〕に「50」と入力して〔OK〕をクリックします。何度か値を変えて試しながら、最適なMIDIレイテンシー値を見つけてください。