パッチ

MIDIの世界においては、“パッチ”というものがすべてのMIDI機器が持つ様々な音色を指すと定義するのには、多少矛盾があるといえます。例えば、あるバイオリンの音色について、様々なメーカーのMIDI音源により、サウンド、パッチ、パート、ボイス、プログラムと異なる名称で呼んでいます。そのため、単にトランペットの音色をサクソフォーンの音色に変更したいだけの場合でも、迷ってしまうことがあります。PrintMusicとそのファイル上においては、一貫性を重視して個々の音色を「パッチ」と呼んでいます。この用語の語源は、初期のシンセサイザーに由来します。初期のシンセサイザーでは、音色を変更する際に、パッチコードやパッチケーブルと呼ばれるもので実際に配線をつなぎ変えなければなりませんでした。

パッチは、シンプルなプログラムチェンジ・メッセージのみからなる場合もあり、MIDI機器によっては、すべての音色を使用するためにさらにバンクセレクト・メッセージが必要な場合もあります。

PrintMusicは、プレイバック中のMIDIインストゥルメントのパッチの変更のデータ（プログラムとバンクの選択の情報）を記録してプレイバック時に反映させることができます。スコア・マネージャーでは、〔音色〕ドロップダウンメニューから名称を選択して、パート、楽器、チャンネルとパッチの設定リストを作成することができます（〔Audio〕メニューの〔プレイバックにMIDIを使用〕を選択してください）。

Note: お使いのMIDI楽器がプログラムチェンジに応答していない場合、お使いのシンセサイザーが、プログラムチェンジを有効にする所要のコントローラーを有している可能性があります。

すべてのMIDI機器で、そのプログラムナンバーが1から始まるわけではありません（MIDI機器によっては0で始まるものもあります）。したがって、お手持ちのMIDI機器によっては、以下の説明において入力するプログラム・ナンバーが1だけ違う場合があります。この場合は、記載されている番号から1を引いたり足したりしてください。

パッチを設定する最も簡単な方法は、スコア・マネージャーの〔音色〕欄の下の〔General MIDI〕ドロップダウンメニューから楽器で選択することです。パッチの名称を選択すれば、自動的にバンクセレクトやプログラムチェンジのナンバーが設定されます。バンクセレクトとプログラムチェンジ情報を指定したい場合（例えば、General MIDI以外のサウンドを用いて外部MIDIデバイスでプレイバックするなど）は、以下の手順に従ってください。

各パートの最初の音色を設定するには

1. 〔MIDI〕メニューから〔プレイバックにMIDIを使用〕を選択します。
2. 〔ウィンドウ〕メニューの〔スコア・マネージャー〕を選択します。スコア・マネージャーが表示されます。パート内の特定のレイヤーを異なるパッチ（音色）でプレイバックしたい場合は、パート名の隣の三角形をクリックします。リストが広がり、個々のレイヤーが設定可能になります。
3. 〔音色〕欄で、各パートに割り当てるMIDIサウンドを選択します。〔音色〕欄のリストに目的の音色がない場合は、ドロップダウンメニューの矢印をクリックして〔パッチの編集〕を選択します。〔パッチ選択〕ダイアログボックスが表示されます。
4. 〔パッチ〕 ドロップダウンメニューから外部MIDIデバイス用のバンクとプログラムチェンジのオプションを選択し、バンクナンバーを入力します。スコア・マネージャーでは、MIDIチャンネルとパッチを簡単に選択できます。〔OK〕をクリックします。
5. 〔MIDI〕メニューの〔プレイバック時にMIDIデバイスにパッチ情報を送る〕にチェックが付いていることを確認して、〔OK〕をクリックします。

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