使用したい記号がフォントに含まれていない場合でも、まだあきらめないでください。Finaleでは、フォント中の複数のキャラクタを組み合わせたり、自分自身で(フリーハンドで描いた図形、またはそれらの図形を組み合わせて)作成した図形を音部記号として使用することができます。それぞれのファイルで内部に持つことができる音部記号は18種類までです。そのため、自分で独自の音部記号を新たに作成する場合、既存の音部記号のどれかを置き換えなくてはなりません。
- 〔書類〕メニューから〔ファイル別オプション〕を選び、〔音部記号〕を選択して、〔音部記号の設計〕をクリックします。〔音部記号の設計〕ダイアログボックスが表示されます。
- 変更したい音部記号のアイコンをクリックして選択します。
- 〔第5線からの中央のドの位置〕テキストボックスに、中央のドの位置を入力します。「0」を入力した場合、中央のドは五線の一番上、つまり第5線上に設定されます。この数値は第5線から数えた中央のドの位置を数字表記したものです。例えばト音記号を使用した場合、入力する数値は「-10」となります。これは、ト音記号の場合、中央のドは五線の下に1本加えられた加線の線上になりますが、2度音程つまり五線のそれぞれの線とそれに隣接する線間との間隔を1として数えると、“第5線(=0)から下に-10個分下がった位置”ということになるからです。
- 〔第5線からの音部記号の位置〕のテキストボックスに、五線内のどの位置に音部記号を配置するかを設定します。「0」を入力した場合、その記号のベースラインを五線の一番上、つまり第5線上に位置合わせして記号が配置されます。ただし、ここでいうベースラインとは、一般的な文字フォントのものとは若干異なりますのでご注意ください。記譜用フォントとしてデザインされているフォントのベースラインは、音楽的な意味に基づいて設定されています。例えば、ト音記号のキャラクタのベースラインは、記号自体の一番下の部分ではなく、(五線上のソの位置に合わせて)“カール”している部分の中央あたりに設定されています。また、ヘ音記号のベースラインは2つの点の間(つまり五線上のファの位置)に設定されています。このため、ト音記号の位置は「-6」と設定されています。これは五線上のソの位置が、2度音程つまり五線のそれぞれの線とそれに隣接する線間との間隔を1として数えて、第5線から-6つ分下に位置するからです。
- 〔ベースライン調整〕テキストボックスに値を入力します。ここで入力する数値には、〔計測単位〕で選択されている単位が適用されます。
- 〔図形〕ボタンをクリックし、〔選択〕をクリックして現れたダイアログボックスで〔作成〕をクリックします。〔図形作成〕ウィンドウが表示されます。五線を表すガイドラインが表示されていますので、それを参考にして希望する音部記号を作成します。ウィンドウ内の小さな円はその図形の原点を表します。Finaleはこの点を基準にしてその図形を楽譜上に配置します。その記号の前に特別な余白が必要な場合などの特別な理由がない限り、この円の近くに図形を描いてください。その記号の後ろに特別な余白が必要な場合は、その記号の右側にフォントなどで空白のキャラクタを置いてください(五線上の音部記号の前後の空間についてはファイル別オプション-音部記号をご参照ください)。原点の小さな円の五線上の位置を変更したい場合は、前述の音部記号の位置の設定を変更してください。図形に文字を挿入するには、〔図形作成〕メニューから〔フォント設定〕を選んで、フォントを選択してください。〔図形作成〕ウィンドウ内の〔テキスト〕ツールで、ウィンドウ内をクリックすると、選択したフォントで文字を入力できるようになります。〔図形作成〕ウィンドウスの使用法について、詳しくは図形作成ウィンドウをご参照ください。
-
Returnキーを2回押します。〔音部記号の設計〕ダイアログボックスに戻ります。
- 〔OK〕を2回クリックします。楽譜上に戻ります。これ以降〔音部記号の選択〕パレットには新しく設定された18種類の音部記号が表示されます。音部記号を楽譜上に配置すると、それ以降の音符は、“中央のド”の設定に基づいて再表記されます。また、ここで作成/編集した音部記号を他のファイルでも使用したい場合は、ライブラリを保存ダイアログボックスをご参照ください。