発想記号
概要を動画でご覧いただけます。クイックスタートビデオ:文字発想記号などの記号を割り付ける
発想記号は、楽曲のフレーズをどう解釈(表現)するかを演奏者に伝える働きをします。Finaleでは、五線の上下に文字または図形の発想記号を表示します。発想記号には強弱記号、速度標語(例:Allegro)、奏法表示(例:pizz.)などがあります。発想記号は位置設定を伴うので、リハーサルマークなどの記号も発想記号として扱います(スラー、松葉形クレッシェンドなどの図形も表現方法を指示する記号ですが、特にグラフィックを編集するのが特徴であるため、変形図形として設定します。特定の音符/拍に適用する記号は、アーティキュレーションとして設定します)。
似たタイプの発想記号は位置や外観の設定が共通していることが多いので、Finaleでは、発想記号をいくつかのカテゴリに分類しています。同じカテゴリに属する記号には、同じフォント、フォントサイズ、配置設定が自動的に適用されます。あるカテゴリの設定を変更すると、作成済みの発想記号を含め、そのカテゴリに属するすべての発想記号の設定が変更されます。最初は6種類のカテゴリがあり、カテゴリごとにフォント、配置などが設定されています。各カテゴリの設定は、〔発想記号カテゴリの設計〕ダイアログボックスでいつでも変更できます。
発想記号の種類 |
例 |
強弱記号 |
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速度標語 |
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速度変化 |
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発想標語 |
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演奏指示 |
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リハーサルマーク |
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発想記号のカテゴリを追加するには、〔発想記号カテゴリの設計〕ダイアログボックスを使います。個々の発想記号の所属先カテゴリを変更するには、〔発想記号の選択〕ダイアログボックスを使います。
〔発想記号の選択〕ダイアログボックスに表示される発想記号は、実際にはに保存されています。楽曲によって様々な記号が使われるため、Finaleの発想記号、アーティキュレーションなどの記号は「ライブラリ」にまとめて保存されています。例えば、ビッグバンド用の楽譜を作成する場合、フォールオフやベンドなどの記号が必要になりますが、弦楽四重奏などの楽譜では、この種の記号は必要ありません。Finaleの〔ファイル〕メニューに〔ライブラリを開く〕と〔ライブラリを保存〕の2つのコマンドがあります。楽譜書式 にライブラリが含まれているので、新規ファイルを作成するとき、ライブラリが自動的に読み込まれます。
〔ファイル〕メニューの〔新規作成〕から〔セットアップ・ウィザードによる新規ファイル〕、〔デフォルトの新規ファイル〕、〔テンプレートからの新規ファイル〕のいずれかを選択して新規ファイルを作成すると、最初に基本的な発想記号が読み込まれます。〔発想記号の選択〕ダイアログボックスの一覧に発想記号が1つも表示されなければ、ライブラリを読み込むと、一覧に記号が表示されるようになります。手順は次のとおりです。〔ファイル〕メニューから〔ライブラリを開く〕を選択します。「Library」フォルダからライブラリを選択してダブルクリックします(発想記号ツールが関係するライブラリは「文字発想記号」と「図形発想記号」です)。
個々の記号に関する説明は、速度標語、クレッシェンドなどのトピックをご参照ください。
リンクしたパート譜の発想記号の動作については、リンクしたパート譜の発想記号をご参照ください。
図形発想記号を使用する場合は、楽譜に配置する前に記号にマクロキーに割り当てるようにしてください(「発想記号のマクロ機能を設定するには」を参照)。マクロ機能を使って楽譜に追加しないと、楽譜上で個別に図形を変形することができません。
発想記号を個別に操作する
発想記号を楽譜に追加するには
ここでは、発想記号(強弱記号、速度標語、速度変化、発想標語など)を楽譜に追加する方法を説明します(自動配列機能を使用するリハーサルマークを追加する方法については、「独自のリハーサルマークを作成するには」をご参照ください)。
- 発想記号ツール
を選択します。
- 記号を割り付けたい音符または小節の付近をダブルクリックします。複数の五線に同じ発想記号を配置するには、対象の五線をドラッグして囲みます。〔発想記号の選択〕ダイアログボックスが表示されます。
- 左のカテゴリリストから目的のカテゴリを選択します(または、〔すべて表示〕を選択して発想記号の一覧を表示します)。カテゴリごとにフォント、配置の値が設定されています(発想記号カテゴリの設計ダイアログボックスを参照)。すでに楽譜に表示されている強弱記号を含め、どの強弱記号も〔強弱記号〕カテゴリの設定が適用されます。カテゴリの設定から除外したい強弱記号がある場合は、〔発想記号の設計〕ダイアログボックスで個々に〔[カテゴリ名]で定義されたフォントを使用〕と〔[カテゴリ名]で定義された配置を使用〕の選択を解除します。
発想記号にマクロ機能が設定されていると、〔発想記号の選択〕ダイアログボックスの記号欄の右上に数字(または文字)が表示されます。マクロ機能が設定されたキーを押しながら楽譜上をクリックするだけで、簡単に楽譜に発想記号を追加できます。発想記号にマクロキーを割り当てるには、〔発想記号の選択〕ダイアログボックスで発想記号を選択して、Shiftキーを押しながら目的のキーを押します。
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- 発想記号をダブルクリックすると、発想記号が楽譜に表示されます。〔配置〕ボタンの隣の ポップアップ矢印をクリックして、割り付け先の五線を選択します。または、〔五線別に割り付け〕をクリックして、新しいリストを定義します。五線別に割り付けダイアログボックスをご参照ください。下記の「発想記号を複数の五線に割り付けるには(割り付けリスト)」もご覧ください。位置設定は、〔発想記号カテゴリの設計〕ダイアログボックスのカテゴリの設定に従っています。
発想記号の割り付け先(拍または小節)を示すインジケータラインが表示されます。発想記号のハンドルを左右にドラッグすると、割り付け先を別の拍または小節に変更できます。割り付け先を別の五線にするには、発想記号のハンドルを上下にドラッグして、別の五線に移動します。
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発想記号を複数の五線に割り付けるには(割り付けリスト)
単一の五線に割り付ける発想記号(強弱記号)を、マクロ機能を使って一度に複数の周辺の五線に割り付けることができます(「マクロ機能を使って楽譜に発想記号を追加するには」を参照)。また、〔発想記号の選択〕ダイアログボックスにある〔配置〕ポップアップ メニューから、割り付け先の五線を選択することもできます。この場合、〔五線別に割り付け〕ダイアログボックスを使ってを作成できます。
- 発想記号ツール
を選択します。
- 記号を割り付けたい音符または小節の付近をダブルクリックします。または、既存の発想記号のハンドルをダブルクリックします。〔発想記号の選択〕ダイアログボックスが表示されます。
- 左のカテゴリリストから〔強弱記号〕、〔発想標語〕、〔演奏指示〕、〔その他〕のどれかを選択します。割り付けリストを設定できるのは、の設定がないカテゴリだけです。
- 〔配置〕ボタンの隣にあるポップアップ メニューをクリックして、割り付け先の五線を選択します。割り付けリストで指定した五線に発想記号が追加されます。最初に発想記号のハンドルをダブルクリックして〔発想記号の選択〕ダイアログボックスを開いた場合は、新しく指定した発想記号に置き換わります。
- 割り付けリストを新規作成するには、〔五線別に割り付け〕をクリックして〔五線別に割り付け〕ダイアログボックスを開き、新規割り付けリストを定義します。
また、発想記号のハンドルを右クリックまたはCONTROL+クリックして〔五線別に割り付け〕を選択する方法でも、同じように割り付けリストを編集できます。発想記号ツールのコンテクストメニューをご参照ください。
発想記号の割り付けに関連するショートカットキー
- 発想記号のハンドルを選択してOPTION+上矢印キーまたはOPTION+下矢印キーを押すと、五線の上または下に発想記号が追加されます。
- 発想記号のハンドルを選択してOPTION+HomeキーまたはOPTION+Endキーを押すと、上下のすべての五線に発想記号が追加されます。
発想記号を移動・削除するには
クレッシェンド記号を手動で移動する手順は次のとおりです。記号同士を整列させる場合は、強弱記号の整列プラグインを参照してください。下記の「ベースラインを基準にして発想記号の縦方向の位置を調整するには」も参照してください。
- 発想記号ツール
を選択します。
- ハンドルをドラッグして、記号を移動します。左右にドラッグすると、割り付け先を示すインジケータラインが拍単位または小節単位で移動します。
- 割り付け先を変更せずに発想記号を移動するには、OPTIONを押しながらハンドルをドラッグします。
- 発想記号を削除するには、ハンドルを選択してからDeleteキーを押します。ハンドルを選択して上下左右の矢印キーを押すと、発想記号の位置を微調整できます。または、発想記号を右クリックまたはCONTROL+クリックして〔削除〕を選択します。
五線別表示リストに割り当てた発想記号を移動するには
Finaleに最初から用意されている発想記号カテゴリのうち、〔速度標語〕、〔速度変化〕、〔リハーサルマーク〕は五線別表示リストの設定ができます。五線別表示リストを利用すると、全パートに適用する発想記号でも、表示対象の五線を個別に指定できます。詳しくは発想記号カテゴリの設計ダイアログボックスをご参照ください。スコア譜では、発想記号を個別に移動することもできます。
- (最上段の五線に割り当てた発想記号)をドラッグすると、後続の発想記号も一緒に移動します。
- 後続の発想記号のどれか(最上段以外の五線に割り当てた発想記号)をドラッグすると、その発想記号だけが移動します。
- セミコロン(;)を押しながらマスターの発想記号をドラッグすると、マスターの発想記号だけが移動します。
特定の範囲ごとに発想記号を操作する
発想記号をコピーするには
Finaleでは、楽譜の一部分をコピーして他の場所に移動できます。ここでは、コピー元小節の発想記号だけをコピーする方法を説明します。
- 選択ツール
を選択します。
- 〔編集〕メニューから〔ペースト対象項目の選択〕を選択します。〔ペースト対象項目〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔発想記号〕を選択して、〔OK〕をクリックします。
発想記号のチェックボックスは2つあります。〔速度標語、速度変化、リハーサルマーク〕を選択する場合は、コピー元として全体を選択する必要があります。
- コピー元の小節を選択します。楽譜の選択をご参照ください。
- コピー元の小節を目的の小節にドラッグして重ねます。コピー先の小節が画面に表示されていない場合には、画面をスクロールしてコピー先に移動し、OPTIONキーを押しながら先頭小節をクリックします。別の方法として、クリップボードを使ってコピーすることもできます(COMMAND+Cでコピー、COMMAND+Vで貼り付け)。楽譜のコピーをご参照ください。
楽譜を編集するときにすべての項目をコピーできるようにするには、〔編集〕メニューの〔選択した対象項目のみペースト〕のチェックを外してください。このダイアログボックスの設定は、Finaleを再起動したときも記憶されています。
全体的に(ファイルごとに)発想記号を操作する
発想記号を作成するには
- 発想記号ツール
を選択します。割り付け先の音符、またはその上か下をダブルクリックします。〔発想記号の選択〕ダイアログボックスが表示されます。
- 左のカテゴリリストから、発想記号のカテゴリを選択します。新しく作成する発想記号には、選択したカテゴリのフォント、フォントサイズ、スタイルの設定が適用されます。各カテゴリに設定されているフォント、フォントサイズ、スタイルを変更するには〔発想記号カテゴリの設計〕ダイアログボックスを使います。
- 〔(カテゴリ名)の作成〕をクリックします。〔発想記号の設計〕ダイアログボックスが表示されます。
- 文字発想記号を作成する場合は、〔文字〕を選択して、発想記号の文字を入力します。「発想記号の非表示を一括で設定するには」もご参照ください。
- 図形発想記号を作成する場合は、〔図形〕を選択してから、〔作成〕をクリックして図形を作成し、〔OK〕をクリックします。図形作成ウィンドウをご参照ください。
- 発想記号にプレイバック効果を設定するには、〔プレイバック〕タブを選択します。「発想記号のプレイバック効果を定義するには」をご参照ください。
- 配置設定は、所属するカテゴリの設定が適用されます。個々の発想記号に対して個別に配置設定を変更するには、〔配置〕タブを選択します。下記の「発想記号カテゴリのデフォルトの位置設定を変更するには」をご参照ください。
- リハーサルマークを作成する場合、Finaleの自動配列機能を使うには、〔自動配列スタイルを使用〕にチェックを付けます。「独自のリハーサルマークを作成するには」もご参照ください。
- 〔OK〕をクリックします。作成した発想記号が〔発想記号の選択〕ダイアログボックスの一覧に表示されます。
- 〔配置〕をクリックします。発想記号が速度標語、速度変化、リハーサルマークでない場合、を使って任意の数の五線に発想記号を配置することができます(を参照)。〔配置〕ボタンの隣の ポップアップ矢印をクリックして、割り付け先の五線を選択します。または、〔五線別に割り付け〕をクリックして、新しいリストを定義します。五線別に割り付けダイアログボックスをご参照ください。
- 発想記号のハンドルをダブルクリックする(またはハンドルを選択してRETURNを押す)と、〔発想記号の選択〕ダイアログボックスが開き、発想記号を編集したり、別の発想記号を選択したりできます。
- 発想記号のハンドルをShift+ダブルクリックする(またはハンドルを選択してShift+RETURNキーを押す)と、〔発想記号の割り付け〕ダイアログボックスが開き、発想記号の配置、表示対象、プレイバックオプションの設定を変更できます。
速度標語、リハーサルマークなど、発想記号のカテゴリによっては、五線別表示リストを使って、複数の五線に発想記号を割り当てる必要があります。〔発想記号カテゴリの設計〕ダイアログボックスで、カテゴリ別に五線リストを設定できます。詳しくは五線別表示リスト ダイアログボックスをご参照ください。
発想記号のプレイバック効果を定義するには
ここでは、発想記号に手動でプレイバック効果を設定する方法を説明します。Human Playback機能を使用すれば、選択したHuman Playbackスタイルに従って自動で発想記号が解釈され、プレイバックに反映されます。
- 発想記号ツール
を選択して、発想記号をダブルクリックします。まだ楽譜上に発想記号を配置していない場合は、いずれかの音符か小節をダブルクリックしてください。〔発想記号の選択〕ダイアログボックスが表示されます。
- 発想記号を選択して〔編集〕をクリックします。〔発想記号の設計〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔プレイバック〕タブをクリックします。
- 〔タイプ〕
ポップアップ メニューから、この発想記号に適用させたいプレイバック効果を選択します。選択項目のほとんどは、名前のとおりの効果(テンポ、ベロシティなど)を持ちます。
- 選択した項目について、数値で設定を変更するには〔絶対値で指定〕テキストボックスに数値を入力します。
数値に適用される単位は、選択した項目によって変わります。〔テンポ〕は1分間あたりの基準音符の拍数、〔ベロシティ〕はMIDIベロシティ値(0が無音、127が最大)、〔移調〕は1ステップが半音階に相当します(1オクターブ移調するには「12」と入力します)。
〔絶対値で指定〕に数値を入力した場合は、プレイバックの定義はそれで完了です。これ以降の解説では、経時的に変化するプレイバック効果、例えばピッチ・ベンドや、テンポ(リタルダンドなど)、ベロシティ(クレッシェンドなど)などを定義する方法を紹介します。
- 発想記号に適用させたいプレイバック効果が経時的変化を伴う場合は、〔MIDI反映図形〕を選択して〔選択〕ボタンをクリックします。〔反映図形の選択〕ダイアログボックスが表示されます。使用したい図形がある場合は、〔編集〕ボタンをクリックして、手順11.に進んでください。
- 〔作成〕をクリックします。現れたダイアログボックスで〔図形番号〕ボタンをクリックし、さらに〔作成〕ボタンをクリックします。〔図形作成〕ウィンドウが表示されます。
- 〔図形作成〕メニューから〔定規とグリッド〕を選択します。〔定規とグリッド〕ダイアログボックスで、グリッドの間隔を設定します。
- 〔8分音符〕を選択し、テキストボックスに「1」と入力して〔OK〕をクリックします。
- 〔図形作成〕メニューの〔表示〕から〔グリッド〕を選択します。〔図形作成〕ウィンドウに、1グリッドの間隔が8分音符の長さを持つグリッドの編み目が表示されます。
- 反映図形を作成します(作成方法は図形作成ウィンドウを参照)。ここで作成するグラフの輪郭に従ってFinaleは楽曲をプレイバックします。例えば、 リタルダンド (rit.)、ディミヌエンド(dim.)などに使用する図形は、右肩下がりの直線、またはゆるやかな曲線で描きます。ピッチ・ベンドであれば、スコップですくいあげるような、あるいは掘り下げるような図形になり、モルデントやトリルは、ノコギリの歯のようなギザギザの線で描きます。
図形を書き込む際は、水平方向のグリッド1つ分が8分音符、上下方向のグリッド1つ分が絶対値1つ分であることを、頭に入れておいてください。例えばクレッシェンド用の図形を作成している場合、上方向に進んだグリッド数だけボリュームが上がります。ラレンタンド用の図形を作成している場合、下方向に進んだグリッド数だけテンポが遅くなります。この図形が適用される音価、例えばボリュームを上げるのを8分音符ごとにするのか16分音符ごとにするのか、といった情報はこの後の項で説明しますが、この時点では、図形の高さ(縦方向のグリッド数)が全体の値の変化量を示すことを覚えておいてください(例えば、ラレンタンド用にグリッド8つ分下がった図形を作成すると、割り付け先の音符がプレイバックされたとき、テンポが8段階遅くなります)。
-
RETURNキーを2回押します。〔MIDI反映図形の定義〕ダイアログボックスが表示されます。ここには〔時間の比率〕と〔変化の比率〕という2つの大切な機能が用意されています。
- 必要に応じて、〔時間の比率〕を設定します。作成した図形が横方向に何グリッド分進んだかによって、プレイバック効果が持続する長さが決まりますが、この2つのボックスに数字を入れて時間の比率を指定することにより、その図形のプレイバック効果の持続時間を調整することができます。1:1のままの場合、グリッド1つ分は8分音符に相当します。
例えば、クレッシェンドを作成する際に、4分音符分の長さ(グリッド2つ分)の図形を作成した場合、〔時間の比率〕の値を「1:1」のままにしておくとクレッシェンドの効果は4分音符分しか持続しません。このクレッシェンドの効果を2倍の長さに延長したい場合は、〔時間の比率〕の値を「2:1」に変更してください。同様に3倍の長さにしたい場合は「3:1」に設定します。ここに入力した値により、作成した図形の持続時間が決定します。
- 必要に応じて、〔変化の比率〕を設定します。〔変化の比率〕も〔時間の比率〕と同様に、2つのボックスで比率を指定します。ただし、図形が持つプレイバック効果の持続時間を設定するのではなく、選択したMIDI値の変化の幅を設定します。
図形をデザインするときに、縦方向に1グリッド進むと、MIDI値が1段階上下します。例えば、テンポであれば60(拍/分)から59(拍/分)となり、ベロシティ値であれば120から121、移調であれば、半音1つ分上下します。しかし、この〔変化の比率〕を変更することによって、プレイバック効果の変化の割合をもっと急激にすることができます。例えばリタルダンドなら、〔変化の比率〕を「10:1」に指定することによって、図形がグリッド1つ分しか下がっていなくても、テンポを10(拍/分)ずつ落としていくことが可能になります。
- 〔OK〕、〔選択〕、または〔配置〕をクリックして楽譜上に戻ります。MIDI反映図形の効果を確認してみましょう。リタルダンドの効果が足りないと感じたら、〔効果の比率〕で割合を増やしてみてください。クレッシェンドするのが速すぎると感じた場合は、〔時間の比率〕で比率を増やしてください。どうやって調節すればいいのか分からなくなった場合は、すでにライブラリとして読み込まれている発想記号(例えば、松葉形クレッシェンドやrit.など)の設定をご参照ください。
ベースラインを基準にして発想記号の縦方向の位置を調整するには
発想記号を入力した後、ベースラインを使って縦方向の位置を調節できます。
- 発想記号ツール
を選択します。メニューバーに〔発想記号〕メニューが表示されます。
- 五線の上側で発想記号を移動するには〔発想記号〕メニューの〔五線上部ベースラインの調整〕を選択し、五線の下側で移動するには〔五線下部ベースラインの調整〕を選択します。譜面の左手に位置調整用の三角形が表示されます。
- 三角形をドラッグして発想記号の縦位置を調整します。この三角形は、発想記号のベースライン(文字の底辺を揃える非表示の線)を調整するハンドルの働きをします。
- 一番左の三角形を上下にドラッグすると、発想記号のベースラインがファイル全体で移動します。
- 2つめの三角形は、そのパートの発想記号のベースラインのみ設定します。
- 3つめの三角形は、その組段の現在編集中のパートのベースラインのみを移動します。ただしこの調整はページ表示モードでのみ有効です。
- 右端の三角形は、次に入力する発想記号のベースラインを設定します。
スコア譜とリンクしたパート譜のベースラインについては、リンクしたパート譜のベースライン調整をご参照ください。
関連トピック:
アーティキュレーション
クレッシェンド/デクレッシェンド
強弱記号
スラー