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Garritan Jazz and Big Band

前のトピックで紹介した方法は、音源としてGarritan Personal OrchestraまたはFinale内蔵のSmarMusicソフトシンセを使ったファイルで使用できますが、他のサウンドライブラリを選択すれば、さらに別の奏法やニュアンスが追加され、高度に優れた演奏をコンピュータで実現できます。

2005年末、GarritanからGarritan Jazz and Big Band(略称「JABB」)が発売されました。このジャンルでは初の楽器ライブラリとなります。JABBは、サキソホン、トランペット、トロンボーン、リズムセクション楽器など、ジャズの曲で一般に使われる楽器の高品質な音源を収録しています。Human Playbackがアップデートされ、JABBの機能を利用できるようになりました。JABB楽器の使い方は他のGarritan楽器とほとんど同じですが、いくつかJABB特有の事柄があるので注意してください。

管楽器のミュート

JABBのトランペットとトロンボーン(Lite版を含む)はすべてキースイッチ付きバージョンがあるので、ジャズで一般に使われる各種のミュートと、ミュートを開いた演奏とを簡単に切り替えることができます。キースイッチ付きの楽器は、「Tpt 1 KS」「Bass Tbone KS Lite」のように楽器名に「KS」が付いています。キースイッチ付きのトランペットかトロンボーンを読み込んでHuman Playbackで再生すると、追加設定なしにbucket、cup、harmon、mute outなどの発想記号が自動で認識され、プレイバックに反映されます。

Note. キースイッチを持たないGarritan楽器もあるので注意してください。Garritan Instruments for Finaleの場合、キースイッチ版があるのはストリングス、ハープ、ティンパニだけです。GPO製品版の方がキースイッチ付き楽器が多く、さらに楽器によっては(ストリングスなど)Garritan Instruments for Finaleにないキースイッチ機能もあります。JABBでは、トランペット、トロンボーン、ギター、ベースのすべての楽器にキースイッチ版があります。

こうした発想記号はJazzTextフォントの囲み文字に囲まれていることがありますが、Human Playbackは囲み文字を無視して語句をさがします。詳しくはキースイッチをご参照ください。

トランペットのリリースエフェクト

JABBのトランペット(Lite版を除く)には、フォールオフ、ドゥイット(上向きのフォールオフ)などの奏法のサンプリング音が収録されています。トランペットパートの音符に一定のアーティキュレーションまたは変形図形が表記され(符頭の右手に表示)、その後ろに休符が続いている場合、これがトリガーとなってHuman Playbackの演奏に反映されます。フォールオフとドゥイットの長さとスピードは一定であり、アーティキュレーションや変形図形の形状は影響しません。詳しくは下の表をご参照ください。

 

JABBトランペット:リリースエフェクトのトリガー
エフェクト トリガー
フォールオフ

アーティキュレーション

変形図形:音符に割り付けられた下向きのグリッサンドまたはタブスライド(その後に休符)

ドゥイット

アーティキュレーション

変形図形:音符に割り付けられた上向きのグリッサンドまたはタブスライド(その後に休符)

Note. ドゥイットとフォールオフのトリガーとなる音符の音域は、中央Cより上のF以上です。この音域より下のトランペットの音符に対しては、JABBのリリースエフェクトは適用されません。

フラッタータンギング

JABBの管楽器(Lite版を除く)は、MIDIコントローラー#18を使ってフラッタータンギングを演奏します。音符にトレモロのア―ティキュレーションが割り付けられていれば、MIDIコントローラー#18を使ってリアルなフラッターが演奏されます。

ジャズ・シェイク

ジャズの楽曲は一般に、ブラスパートの音符の上に表示された波線(トリル表示)は高速なリップトリル(「シェイク」といいます)を表します。〔Human Playbackの初期設定〕ダイアログボックスの〔装飾記号とトレモロ〕画面に、横方向の波線(変形図形またはアーティキュレーション)をピッチベンドトリルで演奏するかを選択するオプションがあります。このオプションを選択すると、ジャズシェイクが一段とリアルに演奏されます。

Note. 〔2音の切り替えではなく、ピッチベンドで演奏する〕を選択していても、変形図形のトリルツールで作成したトリルがあれば、通常のトリルが演奏されます。ピッチベンドを使ったシェイクが演奏されるのは、先頭に「tr」が付いていない横方向の波線があるときだけです。

高度なジャズフィーリング

一般に、基本的なジャズのアーティキュレーションは裏拍の8分音符でタンギングし、表拍の8分音符でスラーをかけます。JABB楽器をHuman Playbackで演奏すれば、このタンギングパターンを使用できます。詳しくはHuman Playabckの初期設定をご参照ください。

処理速度の問題

JABB楽器は、GPO楽器と比べて大容量のメモリと高速なCPU処理能力を必要とします(特にCPUの性能が重要です)。最小限のシステム要件は、Macの場合は1GB RAMと1.8 GHz G5相当のCPU、Windowsの場合は1GB RAMと2.4 GHz Pentium 4相当ですが、これは楽器数5〜6の小編成の場合です。17パートものビッグバンド編成でプレイバックするような場合は、これよりはるかに高性能のシステムが必要になります。しかしながら、JABB楽器(Finaleで使用する“Notation”楽器を含む)にはLite版が用意されているので、Lite版の楽器を使えば最小のシステム構成でも大型編成に対応できます。ただし、Lite版のJABB楽器は完全版の機能を一部使用できません。同じ曲にJABBのLite版と完全版を組み合わせて使うこともできます。詳しくは、コンピュータリソースを効率よく使うためのヒントおよびJABBのマニュアルをご参照ください。

ドラムセットパート

ドラムセットパートとJABBについてはドラムとパーカッションをご参照ください。

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