ポリフォニーの数を減らす。ポリフォニーとは、1つのGarritanインストゥルメントで同時に発音できる最大ノート数のことです。初期設定では、GPOのGteinway PianoやJABBのSteinway Jazz Pianoなどの最大同時発音数は32です。発音するノート数が多いほど、高い処理能力が必要になります。サステインペダルを踏んだ状態でピアノの和音(特に音符数の多い和音)を連続して演奏するような場合、短時間に多くのノートが重なるので、コンピュータ処理が手詰まりになります。ハープのグリッサンドやティンパニのロールなども同様です。急にプレイバックが停止したり音が歪んだりしたときは、最大同時発音数の初期値が大きい楽器(ピアノ、ハープ、パーカッション、弦楽器など)のポリフォニーを減らしてみてください。手順は次のとおりです。
GPOのソロ楽器とJABBの管楽器のポリフォニーは変更しないでください。
Kontakt Player 2では、各楽器のポリフォニー設定は〔Voices〕ボックスにあります。
JABBはGPOよりさらに多くのシステムリソースを必要としますが、JABBもほとんどの楽器にLite版があります。JABBのLite版は、JABBインストゥルメントの高度な機能(エアフローノイズ、フォールオフ、ドゥイットなど)の一部が省かれていますが、RAMなどシステムリソースの使用量が少なくてすみます(JABBインストゥルメントの機能についてはGarritan Jazz and Big Bandをご参照ください)。JABBは高性能のシステム構成を必要とするため、多くのユーザーがJABBインストゥルメントのLite版だけを使っています(Lite版を使うときは「Notation」フォルダ内の楽器だけを使用してください。他のフォルダのLite版は使わないでください)。
Kontakt PlayerのCPU過負荷保護とパージモードを使う(KontaktPlayer2のみ)。Kontakt Player 2には、コンピュータへの負荷が高くなってもプレイバックを続行させる機能があります。コンピュータのCPUがプレイバック音を処理しきれなくなったとき、いくつかのボイスを止める(発音数を減らす)ことでプレイバックを続行します。この機能を有効にするには、まずKontatktPlayer2の画面にある〔Options〕ボタンをクリックします。
パージモードは、楽譜の演奏に必要なサンプルだけをKontakt Player 2に読み込むことでメモリを節約する機能です。例えば、ピアノパートが7オクターブのクロマティックランを演奏するのでなければ、GarritanのSteinway Pianoに含まれているサンプルを必ずしも全部読み込む必要はありません。パージモードを利用すると、必要なサンプルだけをKontakt Playerに読み込むことができます。
現在読み込んでいる楽器をすべてパージ(除去)するには、Kontakt Player 2の〔Purge〕メニューから〔Purge All Samples〕を選択します。
最初からパージモードで楽器を強制的に読み込むようにするには、まずKontakt Player 2の〔Options〕ボタンをクリックします。
次に、〔Load〕タブを選択して、〔Load instruments/banks/multis in "PurgedMode"〕を選択します。
Kontakt Player 2は記譜内容を識別できないことに注意してください。つまり、一度もプレイバックしていない状態では、どの音符が使われているかは把握できていません。すべての楽器をパージしたあと、最初にプレイバックするときは音が鳴りません。これは、読み込まれているサンプルが1つもないからです。プレイバック時に音が鳴っていなくても、楽譜で使われている音符のリストが構築されています。したがって、最初に楽譜全体を1回通して演奏することが重要です。
最初の(無音の)プレイバックが完了したら、Kontakt Player 2の〔Purge〕メニューから〔Update Sample Pool〕を選択します。