ステップ入力ツール
Note. 概要を動画でご覧いただけます。クイックスタートビデオ:ステップ入力
〔ステップ入力〕ツールをクリックすると、様々な音価(4分音符、8分音符など)や、装飾音符、臨時記号、連符などを入力するためのツールが配置された〔ステップ入力〕パレットが表示されます(ステップ入力パレットが表示されない場合は、〔ウィンドウ〕メニューから選択してください)。このパレットから、これから入力する音符の音価、臨時記号、タイ、連符などを選びます。〔ステップ入力〕パレットは複数のツールを選択できるので、複数の特性(例:付点とシャープの付いた8分音符など)を一度に指定できます。また、選択中のツールのどれか1つをダブルクリックすると、他に選択されているツールの選択が解除されます。ツールを選択したら、楽譜上をクリックして音符を目的の位置に入力します。高速に入力するには、コンピュータのキーボードだけを使って(場合によってはMIDIキーボードも利用しながら)入力する方法があります。この場合、キー操作によりパレットのツールを選択し、を使って音符を入力します。ステップ入力カーソルとは、ワープロソフトのカーソルに似た働きをするもので、音符を1つ入力するごとに右に移動します。マウス、コンピュータキーボードのどちらを使う場合でも、修飾キー(Ctrlキー、Shiftキーなど)を使ったキー操作で、直前に入力した音符の編集やアーティキュレーションの追加、音部記号、調号、拍子記号の変更などがその場でおこなえます。
注:Finale 2012Jの「チュートリアル」フォルダにある「ステップ入力の練習.MUS」ファイルを開くと、実際にステップ入力の練習をすることができます。
【特別なマウス操作】
ステップ入力のキーボードコマンドの一部は、デスクトップコンピュータ用キーボードの右手にある数字キーを使います。この数字キーを使ったキー入力を指す場合、この章では「テンキー(操作)」という言葉を使います(例:テンキーの5を押して4分音符を選択)。「テンキー」と指定していないキー操作は、通常のキーボード(標準のデスクトップ用キーボードに並んでいる文字キーと数字キー)を使います。
【ノートパソコン用のステップ入力キーコマンド】
ノートパソコンをお使いの場合は、キーボードにテンキーが付いていないことがあります。テンキーがないと、デフォルトのキーコマンドでは操作しづらい場合があります。この問題に対処するため、ノートパソコン用に最適化したステップ入力キーストロークが用意されています。ノートパソコン用キーコマンドを使うには、以下のように操作してください。
- 〔ステップ入力〕ツールをクリックして、〔ステップ入力〕メニューの〔ステップ入力オプション〕を選択します。〔ステップ入力オプション〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔ショートカットキーのカスタマイズ〕をクリックします。〔ショートカットキーのカスタマイズ〕ダイアログボックスが表示されます。
- 〔ショートカットキーのセット〕の〔セット名〕ドロップダウンリストをクリックして、〔ノートブック用セット〕を選択します。キーマップ表の内容が変わります。
- 〔OK〕をクリックします。以上の操作で、ノートパソコン用のショートカットキーが使用できる状態になります。個々のキー操作を確認するには、〔ステップ入力〕メニューの〔ステップ入力編集コマンド〕からカテゴリを選択してください。ノートパソコン用セットのキー操作が表示されます。
【音符/休符の入力】
- テンキーの1〜8の数字を押してから(または、Ctrl+Alt+Shiftキーを押しながら1〜8のキーを押してから)五線上をクリックすると、64分音符〜倍全音符を入力できます。付点をつけるには、音価を選択してから. (ピリオド)キーを押します。
- 選択した音価に応じた連符を入力するには、9キーを押してからテンキーの1〜8までの数字を押し(または、Ctrl+Alt+Shiftキーを押しながら1〜8のキーを押し)、五線上をクリックします。
- タイのついた音符を入力するには、Tキーを押してからテンキーの1〜8の数字を押し(または、Ctrl+Alt+Shiftキーを押しながら1〜8のキーを押し)、五線上をクリックします。
- 〔消しゴム〕ツール
をクリックして、音符、休符、臨時記号、連符、タイ、付点のいずれかをクリックすると、それらを消去することができます。
- ステップ入力カーソルを表示するには、音符を選択してEnterキーを押します。
- ↑キーを押すとカーソルが上の音階に移動し、↓キーを押すと下の音階に移動します。
- Shiftキーを押しながら↑キーを押すとカーソルが1オクターブ上がり、Shiftキーを押しながら↓キーを押すと、カーソルが1オクターブ下がります。
- カーソルを表示にした状態でテンキーの1〜8の数字を押すと(または、Ctrl+Alt+Shiftキーを押しながら1〜8のキーを押すと)、次に入力する音符の音価(64音符から倍全音符)が選択されます。付点をつけるには、音価を選択してから. (ピリオド)キーを押します。
- カーソルを表示した状態で譜面上の特定のピッチ(音高)でEnterキーを押すと、ステップ入力パレットで選択されている音価の音符が入力されます(カーソルを使って音符を入力すると同時に、その音符が選択された状態になります)。
- カーソルを表示した状態でA〜Gの文字キーを押すと、その文字に対応するピッチ(音高)の音符が入力されます。カーソルがあるピッチの4度上から4度下の範囲で音符が入力されます。
- カーソルを表示した状態で0(ゼロ)キーを押すと、ステップ入力パレットで選択されている音価の休符が入力されます。
- 音符を選択した状態でShiftキーを押しながらA〜Gの文字キーを押すと、その文字に対応するピッチ(音高)の音符が追加されます。カーソルがあるピッチの4度上から4度下の範囲で音符が追加され、音符が追加されると、今度はその音符が選択された状態になります。
- カーソルを使って音符を入力した後でCtrlキーを押しながらEnterキーを押すと、カーソルで指定したピッチ(音高)の音符が、直前に入力した音符に追加されます。
- 音符を選択した状態で通常のキーボードの1〜8のキーを押すと、選択されている音符よりその数字の分だけ高い音程(同度からオクターブまで)の音符が追加されます。音符が追加されると、今度はその音符が選択された状態になります。
- 音符を選択した状態でShift+Ctrlキーを押しながら通常のキーボードの9キーを押すと、選択した音符の9度上の音符が入力され、音符が追加されると、今度はその音符が選択された状態になります。
- 音符を選択した状態でShiftキーを押しながら通常のキーボードの1〜9のキーを押すと、選択されている音符よりその数字の分だけ低い音程(同度から9度まで)の音符が追加されます。音符が追加されると、今度はその音符が選択された状態になります。
- 音価を選択し、カーソルを表示した状態でMIDIキーボードから単音か和音を弾くと、そのピッチ(音高)の音符が入力されます。
- カーソルキーが表示された状態でEscキーを押すと、カーソルが表示されなくなります。
楽譜の選択
- 音符または休符をCtrl+クリックすると、その音符/休符を選択することができます。
- 音符をCtrl+Shift+クリックすると、和音内の音符を追加選択することができます。
- 音符/休符が選択されている時に←キーを押すと、選択対象が1つ左の音符/休符になります。何も選択されていない状態で←キーを押すと、最後に編集された音符/休符が選択されます。
- 音符/休符を選択した状態で→キーを押すと、選択対象が1つ右の音符/休符に移動します。右に音符も休符もない場合は、ステップ入力カーソルカーソルが現れます。
- 音符を選択した状態でCtrlを押しながら←キーを押すと、選択対象が1つ左の小節に移動します。
- 音符を選択した状態でCtrlを押しながら→キーを押すと、選択対象が1つ右の小節に移動します。
- 音符を選択した状態でCtrlを押しながら↑キーを押すと、和音の中で選択されている符頭が上に移動します。五線に音符が1つしかないか、または和音の一番上の音符を選択している場合は、選択対象が上の五線に移動します。
- 音符を選択した状態でCtrlを押しながら↓キーを押すと、和音の中で選択されている符頭が下へ移動します。五線に音符が1つしかないか、または和音の一番下の音符を選択している場合は、選択対象が下の五線に移動します。
- 和音の中の一部の符頭が選択している時にCtrl+Aキーを押すと、和音全体が選択されます。
- EscキーまたはBackspaceキーを押すと、選択が解除されます。
Note. (カーソルを使って音符を入力すると同時に、その音符が選択された状態になります)。
変化記号
- 音符を選択した状態でセミコロン(;)キーを押すと、選択した音符にシャープが付きます。何も選択していない状態でセミコロン(;)キーを押すと、〔シャープ〕ツールが選択されます。
- 音符を選択した状態でマイナス(-)キーを押すと、選択した音符にフラットが付きます。何も選択していない状態でマイナス(‐)キーを押すと、〔フラット〕ツールが選択されます。
- 音符を選択した状態でNキーを押すと、選択した音符にナチュラルが付きます。何も選択していない状態でNキーを押すと、〔ナチュラル〕ツールが選択されます。
- 音符を選択した状態でShiftキーを押しながらマイナス(-)キーを押すと、選択した音符にダブルフラットが付きます。
- 音符を選択した状態でShiftキーを押しながらセミコロン(;)キーを押すと、選択した音符にダブルシャープが付きます。
- 音符を選択した状態でテンキーのマイナス(-)キーを押すと、選択した音符が半音下がります。何も選択していない状態でテンキーのマイナス(-)キーを押すと、〔半音下降〕ツールが選択されます。
- 音符を選択した状態でテンキーのプラス(+)キーを押すと、選択した音符が半音上がります。何も選択していない状態でテンキーのプラス(+)キーを押すと、〔半音上昇〕ツールが選択されます。
- 音符を選択した状態でCtrl+Shiftキーを押しながらマイナス(-)キーを押すと、選択した音符上で警告の臨時記号の表示/非表示が切り替わります。
- 音符を選択した状態でPキーを押すと、括弧の付いた臨時記号が表示されます。同じキーをもう一度押すと、括弧付き臨時記号と括弧なし臨時記号が交互に切り替わります。
【音符/休符の変更】
- (ステップ入力カーソルを表示しない状態で)音符を選択して↑キーを押すと音程が上がり、↓キーを押すと音程が下がります。
- カーソルを使って音符を入力した後でAlt+↑キーを押すと、直前に入力した音符の音程が上がります。同様に、Alt+↓キーを押すと、直前に入力した音符の音程が下がります。
- カーソルを使って音符を入力した後でShift+Alt+↑キーを押すと、直前に入力した音符が1オクターブ上がります。同様に、Shift+Alt+↓キーを押すと、直前に入力した音符が1オクターブ下がります。
- 音符/休符を選択した状態でAltキーを押しながら1〜8のキー(通常のキーボード)を押すと、音価が変化します(64分音符/64分休符から倍全音符/倍全休符まで)。
- 音符を選択してピリオド(.)キーを押すと、付点が追加されます。
- 音符を選択して9キーを押すと、連符が作成されます。
- 音符を選択してRキーを押すと、音符が休符に変わります。もう一度Rキーを押すと、元の音符に戻ります。
- 音符を選択してTキーを押すと、次の音符にかけてタイが作成されます。Shiftキーを押しながらTキーを押すと、前の音符にかけてタイが作成されます。
- タイの付いた音符を選択してCtrl+Fキーを押すと、タイの向きが変わります。
- 音符を選択してAlt+Gキーを押すと、装飾音符、スラッシュ付き装飾音符(旗付き装飾音符用)、通常の音符が順に切り替わります。
- 音符/休符を選択してHキーを押すと、選択された音符/休符が非表示になります。
- 音符を選択して\キーを押すと、異名同音の表記が変わります。
- 音符を選択してDeleteキーを押すと、その音符が削除されます。何も選択していない状態でDeleteキーを押してから、音符、臨時記号、タイ、付点、連符をクリックすると、それらが削除されます。
【連桁、符尾、タイ】
- 音符を選択してTキーを押すと、選択された音符と次の音符がタイで結ばれます。Shift+Tキーを押すと、選択された音符と前の音符がタイで結ばれます。
- 音符を選択してスラッシュ(/)キーを押すと、選択された音符の連桁が切断/接続されます。Shiftキーを押しながらスラッシュ(/)キーを押すと、デフォルトの連桁設定に戻ります。
- 連桁でつながれた音符を選択してAltキーを押しながらスラッシュ(/)キーを押すと、連桁が水平になります。
- 音符を選択してLキーを押すと、選択された音符の符尾の向きが反転します。Shift+Lキーを押すと、符尾の向きがデフォルトの設定に戻ります。
【アーティキュレーションの追加】
- 音符にアーティキュレーションを割り付けるには、音符を選択した状態でテンキーのアスタリスク(*)キー(またはAlt+Aキー)を押して、〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示します。次に、アーティキュレーションのマクロキーを押すと、音符にアーティキュレーションが割り付けられます。例えば、アクセントのA、スタッカートのSなどを押します。または、〔入力ガイド〕ダイアログボックスで〔選択〕をクリックして〔アーティキュレーション選択〕ダイアログボックスを開き、ここでアーティキュレーション一覧から選択することもできます(なお、このダイアログボックスに表示される各アーティキュレーションの右上隅に、設定されているマクロキーが表示されます)。
- カーソルにアーティキュレーション記号を付けて表示するには、Ctrl+テンキーのアスタリスク(*)キーを押して(またはCtrl+Alt+Shiftを押しながらAキーを押して)、〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示します。次に、アーティキュレーションのマクロキーを押します(または〔選択〕をクリックしてアーティキュレーション記号を選択します)。ここで選択したアーティキュレーションは、解除しない限り、それ以後入力したすべての音符に自動的に割り付けられます。カーソルに付いたアーティキュレーション記号を外すには、もう一度Ctrlキーを押しながらテンキーのアスタリスク(*)キーを押します(または、Ctrl+Alt+Shiftキーを押しながらAキーを押します)。これで、アーティキュレーション記号の表示が解除されます。
【発想記号の追加】
- 音符を選択してからXキーを押して、〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示します。次に、発想記号のマクロキー(マクロ機能を参照)を押すと、音符に発想記号が割り付けられます。または、〔入力ガイド〕ダイアログボックスで〔選択〕をクリックするかBackspaceキーを押して〔発想記号の選択〕ダイアログボックスを開き、ここで発想記号の一覧から選択することもできます(注:このダイアログボックスに表示される各発想記号の右上隅に、設定されているマクロキーが表示されます)。
【調号、拍子記号、音部記号の変更】
- 調号を変更するには、Alt+Kキーを押して〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示し、調号のマクロキーを押します。または、〔入力ガイド〕ダイアログボックスで〔選択〕をクリックして〔調号〕ダイアログボックスを表示し、新しい調号を選択します。マクロ機能を使って調号を作成する方法については、調号ツールをご参照ください。現在の小節から調号が変更されます。
- 拍子記号を変更するには、音符を選択し、Alt+Tキーを押して〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示し、拍子記号のマクロキーを押します。または、〔入力ガイド〕ダイアログボックスで〔選択〕をクリックして〔拍子記号〕ダイアログボックスを表示し、新しい拍子記号を選択します。マクロ機能を使って拍子記号を作成する方法については、拍子記号ツールをご参照ください。現在の小節から調号が変更されます。
- 音部記号を変更するには、音符を選択し、Alt+Cキーを押して〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示し、音部記号のマクロキーを押します。または、〔入力ガイド〕ダイアログボックスで〔選択〕をクリックして〔音部記号の変更〕ダイアログボックスを表示し、音部記号の種類と位置を指定します。音部記号にマクロ機能を設定する方法については、音部記号ツールをご参照ください。
【コンテクストメニュー】
音符/休符の上で右クリックすると、ステップ入力のコンテクストメニューが表示されます。コンテクストメニューに用意された様々なコマンドを使って音符/休符を編集することができます。コンテクストメニューでコマンドを選ぶと、選択されているすべての音符/休符に適用されます。
メニュー項目
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機能
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削除
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音符を削除
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表示/非表示
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表示されている音符/休符を隠し、非表示になっている音符/休符を表示
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音符/休符の変換
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音符を休符に変更、または休符を音符に変更
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アーティキュレーションを付ける
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〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示(アーティキュレーションのマクロキーを押してアーティキュレーションを追加するか、EnterReturnキーを押して目的のアーティキュレーションを選択)
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発想記号を追加
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〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示(発想記号のマクロキーを押して発想記号を追加するか、EnterReturnキーを押して目的の発想記号を選択)
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音部記号の変更
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〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示(音符記号のマクロキーを押して音部記号を変更するか、EnterReturnキーを押して目的の音分記号を選択)
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調号の変更
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〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示(調号のマクロキーを押して調号を変更するか、EnterReturnキーを押して目的の調号を選択)
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拍子記号の変更
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〔入力ガイド〕ダイアログボックスを表示(拍子記号のマクロキーを押して拍子記号を変更するか、EnterReturnキーを押して目的の拍子記号を選択)
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【マクロ機能】
〔ステップ入力〕ツールのキーボードショートカットは、技術的にはマクロ機能とは異なりますが、マクロ機能と同じように1つのキー入力で様々なコマンドを実行することができます。これにより、非常に効率的に音符を編集することができます。(〔ステップ入力〕ツールのショートカットキーは、技術的にはマクロ機能とは異なりますが、マクロ機能と同じように1つのキー操作で様々なコマンドを実行することができます。)ステップ入力用に独自のショートカットキーを定義するには、〔ステップ入力〕メニューから〔ステップ入力オプション〕を選択し、〔ショートカットキーのカスタマイズ〕をクリックします。詳しくはショートカットキーダイアログボックスをご参照ください。
〔ステップ入力〕メニューのサブメニューから、ステップ入力で使用できるすべてのショートカットキーを確認できます。
参照:
ステップ入力
メイン・ツール・パレット
ステップ入力パレット
ステップ入力オプション ダイアログボックス