特殊な調号ダイアログボックス
【このダイアログボックスを表示するには】
〔調号〕ツールをクリックし、調号を変更したい小節をダブルクリックします〔調号〕ダイアログボックスが表示されますリストから〔特殊〕を選択します。
【機能について】
一般の楽譜では伝統的な調体系が使用されます。これは、五度圏に基づいて順次変化記号を追加していくことにより構成されています。
しかし、現代音楽ではこの一般的な調体系が当てはまらない場合があります。例えば、4分の1音に基づいた楽曲ではCとDの間には音が1つではなく3つあり、この場合1つの音が半音を示すとは限りません。
このダイアログボックスでは、音符間の半音の数に基づいて、様々な形式の調号を作成することができます。ここから開くことのできる5つのダイアログボックスを使用して、128種類の規則的・変則的な調体系を作成できます。これらの調号は楽譜上のどの部分にも適用可能です。
- [スクロールバー] このスクロールバーを使用して規則的な調体系の調号を選択できます。標準の調体系は規則的な調体系です。五度圏による順序でCからF、FからBfというように調整ができます。
Note: 変則的な調性が設定されている場合、このスクロールバーは無効です。変則的な調性では規則的な調体系にはあてはめることができないため、スクロールバーを使用することはできません。
- 主音の変化:(#)・半音の変化: これらのインジケータは主音の変化(調号のルート)を特定しています。〔主音の変化〕には現在表示されている調号の主音が全音階でCからどのくらい離れているかが表示され、〔半音の変化〕の数値はその音から半音階でいくつ移動させるかを表しています。
例えば、Gメジャー(ト長調)の調号が表示されている場合、GはCより4つ離れた音符なので〔主音の変化〕の値は4です(〔半音の変化〕は0です)。一方、Efメジャー(変ホ長調)の〔主音の変化〕は2で、〔半音の変化〕は-1ですEfはCより2音階分上ですが、半音によって1つ下げられています)。
これらのインジケータは変化記号の数(下を参照)や調号表示と同様に、調号のスクロールバーの上げ下げで調整できます。
- 変化記号の数:(#) このインジケータは現在表示されている調号の変化記号の数を示しています。この数値の範囲は -127(127個のフラット)から127(127個のシャープ)までです。
- 規則的な調体系 規則的な調体系の音階は全音と半音の規則的な繰り返しによって構成されます。例えば、一般的な長音階は規則的な調体系です。Finaleでは、これを「規則的な調体系0」と呼びます。〔次へ〕をクリックすると、規則的な調体系1が選択されます。これは一般的な短音階です。この調体系はドではなく、ラを音階の始めの音とします。これらの調体系はすでに設定されているため、〔順序配置〕と〔属性〕アイコンのみが有効になっています。調体系2以上を選択すると、5つのアイコンすべてが有効になります。
規則的な調体系は必ずしも五度圏に従う必要はありません。例えば、六度圏の調体系を作成することもできます。(1) 全音階の総数が奇数で、(2) 各調の音階が全音と半音の繰り返しの体系をもち、(3) 音階の半分ずつが全音と半音の繰り返しの体系(例えば、標準音階の4和音)をもつ場合、規則的な調体系、シャープ、フラットは、標準の調体系のように連続的に加えられます。
〔キーマップ〕アイコンをクリックしてオクターブを構成する音符の数を指定したり、〔順序配置〕アイコンをクリックしてそれぞれの調に表示される変化記号の順序を指定します。〔主音〕アイコンをクリックすると新しい“調”(主音)の設定と新しい変化記号表示を関係づけられます。〔順序配置〕アイコンをクリックすると変化記号が表示されるオクターブ位置を指定できます。また、〔属性〕アイコンをクリックすると通常のシャープやフラットに使用するフォントや文字を指定できます。
〔戻る〕や〔次へ〕のボタンを使って、64個までの規則的な調体系を定義することができます。一方、スクロールバーではそれぞれの調体系での異なる調を調整できます。
- 変則的な調性 変則的な調性は五度圏を使用せず、調に規則性がありません。規則的な調体系は調号の間に関連性がありますが、変則的な調性は関連性がありません。例えば、変則的な調性では音階のどの音符にも1つのシャープと1つのフラットを付けることができ、その位置に規則は必要ありません。
変則的な調性は他の調との関連性を持たないため、スクロールバーは無効となっています。
- キーマップ このアイコンをクリックすると、〔キー・ステップ・マップ〕ダイアログボックスが表示されます。ここでは、1つの音階にいくつ音程があるか、どの音程が全音で半音かを指定できます。詳しくはキー・ステップ・マップダイアログボックスをご参照ください。
- 順序配置 このアイコンをクリックすると、〔変化記号の順序と配置〕ダイアログボックスが表示され、表示させたい変化記号やその配置を指定できます。詳しくは変化記号の順序と配置ダイアログボックスをご参照ください。
- 主音 このアイコンをクリックすると、〔主音の設定〕ダイアログボックスが表示され、それぞれの新しい変化記号の表示に対する主音の設定つまり“ルート”を指定することができます。詳しくは、主音の設定ダイアログボックスをご参照ください。
- オクターブ このアイコンをクリックすると〔変化記号のオクターブ位置〕ダイアログボックスが表示され、各音部記号に基づいてそれぞれの変化記号を表示させたいオクターブを指定できます。詳しくは、変化記号のオクターブ位置ダイアログボックスをご参照ください。
- 属性 このアイコンをクリックすると、〔調の属性〕ダイアログボックスが表示され、独自に設定した調の様々な属性を指定することができます。例えば、通常のシャープやフラットの代わりに使用する特殊なキャラクタを選択できます。詳しくは調の属性ダイアログボックスをご参照ください。
- 戻る・次へ 別の〔規則的な調体系〕(または〔変則的な調性〕)を選択するときにこのボタンを使用します。ただし、規則的な調体系の「0」と「1」はそれぞれ一般的な長調と短調の調体系としてすでに設定されていますので注意してください。
- OK・キャンセル 〔OK〕をクリックして、調号の設定を続行してください。次のダイアログボックスへ移ります。〔キャンセル〕をクリックすると調号を変更せずに〔調号〕ダイアログボックスを閉じます。
参照:
調号ダイアログボックス
調号ツール