手作業で移調変更することなく、短時間に無調の楽譜を作成することができます。旧バージョンのFinaleは、各楽器を手動で〔モードを保持して移調〕に設定する必要がありましたが、現在は〔無調〕の調号を選択できるので、このような手動設定は不要です。また、〔調号を使わず臨時記号表記にする〕オプションを使用すれば、対応する臨時記号を表示したまま調号を非表示にできます。この2つの方法は、次のような場合に特に便利です。
無調に設定された小節範囲では、臨時記号は異名同音の表記で選択されている規則に従います。〔表記対応表を使用〕が選択されている場合、無調領域はCメジャーとして動作します。移調楽器も通常の異名同音の動作に従います。移調楽器を実音で表示すると、通常通りに臨時記号が表示されます。無調の調号を持つ領域との間で音符をコピーした場合、移調はおこなわれません。
また、無調の調号、あるいは〔調号を使わず臨時記号表記にする〕が選択された調号に対して、他の調号と同様にマクロキーを割り当てることができます。マクロ機能をご参照ください。
Tip: なお、無調の調号を選択しても移調に影響しないのに対し、〔調号を使わず臨時記号表記にする〕を選択した場合は、対象領域に調号があるものとして扱われることに注意してください。
Tip: この設定は、非表示の調号に従って臨時記号は引き続き表示される点で、マクロ機能を使って調号を隠す操作とは異なります。調号と臨時記号の両方を隠す方法は、個別に調号を隠すにはをご参照ください。
Tip: 楽器の一部の領域に対して〔調号を使わず臨時記号表記にする〕が選択または選択解除されている場合、その設定は無効になります。
Tip: 無調領域は移調されないので、〔無調〕を選択すると、移調設定は選択できなくなります。ある領域を有調から無調(またはその逆)に切り替えても、移調はおこなわれません。
注:無調の楽譜では、その楽譜がCメジャーであるものとして、移調パートのコードネームが移調されます。また、Finale 2012ファイルとして保存した場合、無調の楽譜やフレーズの移調楽器には通常の移調の調号が表示されます。
SibeliusファイルをFinale形式にコンバートする作業も、無調の楽譜が導入されたため従来より簡単になりました。手順についてはSibeliusファイルをコンバートするをご参照ください。
参照:
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