Finaleは、例えば発想記号やコードネームのサフィックスなど、異なるファイル間で再利用可能な楽譜要素のセットを格納したライブラリを使用します。Finaleのインストール先ディレクトリに基本的なライブラリのセットがあります(Finaleインストール先フォルダの詳細を参照)。Finaleファイルの作成時に利用できる他のライブラリもインストールされています。また、独自のライブラリを作成して、よく使用する要素を保存しておくことができます。要素一式を他のファイルにコピーすることもできます(ファイル間で設定を移すを参照)。
〔ファイル〕メニューから〔ライブラリを開く〕を選択するか、〔ファイル別オプション〕ダイアログボックスで〔ライブラリを開く〕をクリックすると、ライブラリの内容を現在開いているファイルに読み込むことができます。これらのライブラリを自由に修正したり、自分で作成した記号のセットを含む新しいライブラリを作成することができます。Finaleで使用できるライブラリの種類については、ライブラリを保存ダイアログボックスをご参照ください。同じライブラリファイルにある任意の数の楽譜要素を組み合わせて使用できます。
Finaleの〔アーティキュレーション設計〕ダイアログボックスでは、作成した記号にインテリジェントな機能を加えることができます。例えば、音符の符頭からつねに一定の距離を維持するように、記号に配置情報を記憶させることが可能です。また、音符の符尾の方向が変わるのに合わせて置き換えできるように、“上下が反転した”記号(〔反転した記号〕と呼びます)を別途指定することもできます。
メイン記号 |
反転した記号 |
垂直位置の初期値(EVPUs) |
ハンドル位置 メイン(横、縦) 反転(横、縦)(EVPU) |
プレイバック効果 |
位置設定 |
マクロキー |
|
|
16 |
0,–4/0,0 |
音価 40% |
中央揃え、自動判別、線上には配置しない、スラーの内側に配置 |
S |
|
|
16 |
0,-8/0, -32 |
音価 30% |
中央揃え、自動判別、つねに五線の外 |
X |
|
|
14 |
0,–4/0,–23 |
ベロシティ 125% |
中央揃え、自動判別、つねに五線の外 |
A |
|
|
19 |
0,0/0,-35 |
なし |
中央揃え、自動判別、つねに五線の外 |
Z |
|
|
16 |
0,-8/0,-32 |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
V |
|
|
16 |
0,-8/0,-34 |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
G |
|
|
14 |
0,0/0,-16 |
音価 105% |
中央揃え、自動判別、線上には配置しない、スラーの内側に配置 |
E |
|
|
16 |
0,-2/0,-21 |
音価 75% |
中央揃え、自動判別、線上には配置しない、スラーの内側に配置 |
W |
|
|
なし |
0,0/0,-30 |
音価 125% |
中央揃え、自動判別、つねに五線の外 |
|
|
|
23 |
なし |
なし |
中央揃え、自動判別、つねに五線の外 |
F |
|
|
36 |
なし |
なし |
音符の上、つねに五線の外 |
T |
|
|
24 |
なし |
なし |
音符の上、つねに五線の外 |
|
|
|
24 |
なし |
なし |
音符の上、つねに五線の外 |
|
|
|
24 |
なし |
なし |
音符の上、つねに五線の外 |
|
|
|
なし |
なし |
なし |
記号をコピー(水平)、手動、つねに五線の外 |
Y |
|
|
36 |
0,-13/0,-13 |
なし |
中央揃え、自動判別、つねに五線の外 |
M |
|
|
36 |
0,-13/0,-13 |
なし |
中央揃え、自動判別、つねに五線の外 |
K |
|
|
48 |
0,10/0,0 |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
J |
|
|
12 |
なし |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
U |
|
|
12 |
なし |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
D |
|
|
14 |
なし |
なし |
中央揃え、自動判別、線上には配置しない |
O |
|
|
23 |
なし |
なし |
中央揃え、自動判別、線上には配置しない |
H |
|
|
23 |
なし |
なし |
中央揃え、自動判別、線上には配置しない |
I |
|
|
16 |
0,-4/0/0 |
なし |
中央揃え、音符の上、線上には配置しない |
1 |
|
|
16 |
0,-4/0/0 |
なし |
中央揃え、音符の上、線上には配置しない |
2 |
|
|
16 |
0,-4/0/0 |
なし |
中央揃え、音符の上、線上には配置しない |
3 |
|
|
16 |
0,-4/0/0 |
なし |
中央揃え、音符の上、線上には配置しない |
4 |
|
|
16 |
0,-4/0/0 |
なし |
中央揃え、音符の上、線上には配置しない |
5 |
|
|
60 |
0,-48/0,0 |
なし |
中央揃え、音符の下、つねに五線の外 |
P |
|
|
60 |
0,-48/0,0 |
なし |
中央揃え、音符の下、つねに五線の外 |
L |
|
|
なし |
なし |
アタック(0/–256) |
記号をコピー(垂直)、手動 |
R |
|
|
-48 |
12,-12/-12,-16 |
なし |
中央揃え、符尾側 |
6 |
|
|
-48 |
12,-12/-12,-16 |
なし |
中央揃え、符尾側 |
7 |
|
|
-48 |
12,-12/-12,-16 |
なし |
中央揃え、符尾側 |
8 |
|
|
12 |
36,-36/0,0 |
なし |
音符の上、つねに五線の外 |
C |
|
|
36 |
24,8/0,0 |
音価 50% |
音符の上、つねに五線の外 |
B |
|
|
なし |
なし |
なし |
手動 |
N |
|
|
なし |
-26,-21/0,0 |
なし |
中央揃え、符頭側 |
9 |
|
|
なし |
26,-21/0,0 |
なし |
中央揃え、符頭側 |
0(ゼロ) |
|
|
なし |
なし |
なし |
中央揃え、符尾側 |
|
|
(タブ譜用) |
なし |
なし |
音価 40% |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
|
|
(タブ譜用) |
24 |
なし |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
|
|
(タブ譜用) |
24 |
なし |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
|
|
(タブ譜用) |
なし |
なし |
ベロシティ 125% |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
|
|
|
24 |
0,4/0,-4 |
なし |
中央揃え、音符の上、線上には配置しない、五線の外 |
|
|
|
24 |
4,4/0,0 |
なし |
中央揃え、音符の上、線上には配置しない、五線の外 |
|
|
|
16 |
8,0/8,0 |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
|
|
|
16 |
8,0/8,0 |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
|
|
|
16 |
8,0/8,0 |
なし |
中央揃え、音符の上、つねに五線の外 |
|
|
|
18 |
20,10/20,-10 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
18 |
18,0/10,-18 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
24 |
18,0/10,-24 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
12 |
10,0/10,-2 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
14 |
8,4/8,-4 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
14 |
8,4/8,-4 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
8 |
2,0/2,0 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
|
6,0/6,0 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
10 |
-15,0/-15,0 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
24 |
4,6/4,-24 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
24 |
4,6/4,-24 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
24 |
4,6/4,-24 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
|
|
24 |
4,6/4,-24 |
なし |
中央揃え、符頭側、つねに五線の外 |
|
それぞれのライブラリは、1つのファイルにいくつでも読み込んで使用することができます。例えば、デフォルトファイルを元にして作成された(この場合、最初に読み込まれているライブラリは“サフィックス(Arial)”です)ファイルで作業している時に、もっといろんな種類のサフィックスが必要だと感じた時は、“追加サフィックス(Arial)”を読み込めば、さらに多くのサフィックスが選択できるようになります。新しいコード・サフィックスのライブラリが読み込まれた時、Finaleはそれを現在すでに読み込まれているサフィックスのリストと見比べて、全く同じサフィックスが存在する場合はそのサフィックスを追加しません。ただし、同じサフィックスでもその中に新しい形のフレットボードが含まれている場合は、そのフレットボードは読み込まれます。
分数コード用フレットボードのライブラリも同様にして使用します。ただし、この場合はスラッシュ表記用のフレットボードの情報しか読み込まれません。このライブラリを読み込むと、既存の“Maj、m、min、7、m7、min7”の各サフィックスに、スラッシュ表記用のフレットボードが加えられます。
これらのライブラリは修正が可能で(例えば、“min7”から“m7”に変更)、必要に応じていくつでも追加できます。
ID番号 | サフィックス | ID番号 | サフィックス | ID番号 | サフィックス | ID番号 | サフィックス |
1 | Maj | 22 | min6 | 43 | m11 | 64 | |
2 | min | 23 | 6 9 | 44 | m13 | 65 | |
3 | aug | 24 | 6 min 9 | 45 | m(maj7) | 66 | 713 |
4 | dim | 25 | m | 46 | m9(maj7) | 67 | 79 |
5 | 7 | 26 | M7 | 47 | m7(add4) | 68 | 79 |
6 | min7 | 27 | m7 | 48 | m7(add11) | 69 | 13 |
7 | sus4 | 28 | M6 | 49 | 7sus4 | 70 | 13 |
8 | Maj6 | 29 | m6 | 50 | 7(5) | 71 | 13 |
9 | m7(5) | 30 | (add9) | 51 | 7(9) | 72 | 711 |
10 | aug7 | 31 | (add2) | 52 | 7(59) | 73 | 7sus2 |
11 | 32 | M7(5) | 53 | 7(59) | 74 | 13sus | |
12 | 33 | 7(5) | 54 | 9sus4 | 75 | 9(5) | |
13 | Maj7 | 34 | M7(11) | 55 | 9(5) | 76 | |
14 | 9 | 35 | M9(5) | 56 | 9(11) | 77 | 7sus(9) |
15 | 13 | 36 | M9(11) | 57 | 13sus4 | 78 | 13sus(9) |
16 | 7(11) | 37 | M13 | 58 | 13(5) | 79 | |
17 | 7(9) | 38 | M13(5) | 59 | 13(9) | 80 | |
18 | 39 | M13(11) | 60 | 13(9) | 81 | ||
19 | 11 | 40 | m(add2) | 61 | 13(11) | 82 | |
20 | m7(5) | 41 | m(add9) | 62 | 6 |
|
|
21 | dim7 | 42 | m9 | 63 | M9 |
|
|
それぞれのライブラリには、学習コードとして指定ベース音を含むコードも登録されています。つまり、指定ベース音を使用したコードの場合、〔コード・サフィックスの選択〕ダイアログボックスには表示されていなくても、Finaleは演奏された音からコードネームを判断して表示することができます。例えばキーがCの場合は、F/G、Dm/G、Dm7/Gなどがこれにあたります。もちろん、どんなキーの場合でも元の学習コードと同じスケール内の音でコードが構成されている限り、正しく認識されます。
楽譜スタイル | マクロ機能が割り当てられたキー |
スラッシュ表記 | S |
リズム表記 | R |
空白の小節:レイヤー1 | B |
空白の小節:レイヤー4 | K |
空白の小節:すべてのレイヤー | A |
通常の表記 | M |
1小節の繰り返し表記 | O |
2小節の繰り返し表記 | T |
一般的な五線 | F |
1本線(完全な小節線) | N |
1本線(短めの小節線) | N |
五線を隠す | H |
パーカッション(1本線) | P |
パーカッション(5本線) | C |
特殊な符頭 | X |
フルート(in C) | 1 |
クラリネット(in B) | 2 |
アルトサックス(in E) | 3 |
テナーサックス(in B) | 4 |
あらかじめプレイバック効果が定義されている発想記号には以下のようなものがあります。
発想記号 | プレイバック効果 | 値 |
ベロシティ | 10 | |
ベロシティ | 23 | |
ベロシティ | 36 | |
ベロシティ | 49 | |
ベロシティ | 62 | |
ベロシティ | 75 | |
ベロシティ | 88 | |
ベロシティ | 101 | |
ベロシティ | 114 | |
ベロシティ | 127 | |
Adagio | テンポ | 40 |
Moderato | テンポ | 80 |
Allegro | テンポ | 120 |
移調 | 12 | |
移調 | -12 | |
accel. | テンポ | - |
rit. | テンポ | - |
このライブラリには下記のような文字反復記号が含まれています。
D.C. al Fine | To Coda # |
D.C. al Coda | Fine |
D.S. al Fine | |
D.S. al Coda | |
D.S. al # | # 小節目へ移動 |
数字記号(#)が文字反復記号に使用された場合、その記号は、状況に応じて内容が変化する一時的な“代理”記号となります。例えば、楽譜に“To Coda #”または“D.S.al #”といった記号を入れた場合、Finaleは自動的に数字記号(#)を、飛んだ先の小節に表示されている記号に置き換えて表示します(例えば“To Coda ”のようになります)。また“#小節目に移動”という記号を楽譜に配置した場合、Finaleはこの数字記号(#)を、この記号で飛んだ先の小節の小節番号に置き換えます(例えば“ 44小節目に移動”のようになります)。
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