プレイバック

Finaleでプレイバックするときは、内部、外部のMIDIシンセサイザーのほか、Finaleに付属のハイクオリティGarritan音源ライブラリなど、コンピュータにインストールされているすべてのAudio Units音源を使用できます。

Finaleでは、プレイバック音源を使った再生に加えて、次の方法で楽譜を再生することもできます。1) リアルタイム入力で録音したデータを再生する、2) Finaleに付属のHuman Playbackを使って再生する、3) 楽譜の表示とまったく同じように再生する(楽譜上の音符、リズム、強弱記号だけに従う。〔MIDI〕ツールと〔発想記号〕ツールを使って追加されたMIDIデータがあれば、そのMIDIデータにも従う)。

楽譜の再生

プレイバックサウンドの設定

Finaleでは、プレイバック音源としてMIDI(Finaleの内蔵ソフトシンセのようなサウンドフォント、サウンドカードに搭載されたシンセ、外部MIDIデバイス)と、Audio Units(ライブ演奏と同等の音質を再現するプロ仕様のレコーディングサウンド)のどちらかを使用します。MIDIを使用すれば、コンピュータリソースを最大限に活用できます。RAMの使用量が少なく、瞬時に読み込まれるので、楽譜作成の途中で音を確認する方法として適しています。MIDIで再生するには、〔MIDI/Audio〕メニューから〔プレイバックにMIDIを使用〕を選択します。できるだけクオリティの高い音質が必要な場合は、Audio Unitsによるプレイバックを選択してください。この場合、特に大型のスコアで多くのコンピュータリソースが必要になりますが、ライブ演奏のような音質が得られ、さらに追加機能も使用できます。例えば、付属のGarritan Audio Units音源でHuman Playback機能を使用すると、演奏記号を含めて自動でプレイバックされます(アルコからピチカートへの切り替えなど)。Audio Unitsで再生するには、〔MIDI/Audio〕メニューから〔プレイバックにAudio Unitsを使用〕を選択します。

Garritan音源(Garritan Personal Orchestra製品版を含む)でHuman Playback機能を使用する方法については、GPO とHuman Playbackのチュートリアルをご参照ください。

Human Playbackおよび録音したMIDIデータについて

リアルタイム入力のシーケンス採譜モードで曲を録音するときと、MIDIシーケンサーファイルを読み込むとき、Finaleの側では、ベロシティ(鍵盤が弾かれた強さ)データや連続的MIDIデータ(ピッチホイールその他のコントローラーやホイール)、テンポの揺れなど、楽譜に表示されることのない音楽表現に関わるデータを取り込みます。リアルタイムで演奏されたこれらの情報は、その演奏が楽譜として採譜された後もファイルに記録しておくことができ、そのニュアンスをいつでもプレイバックに反映させることができます。また、微妙なテンポ変化などの音楽的表現がいっさい排除された、楽譜の表示に忠実なプレイバックをおこなうこともできます。さらに、実際の演奏を録音した楽譜でなくても、Human Playbackという機能を使って、人間のライブ演奏を再現することもできます。

重要:録音されたMIDIデータを使って曲を再生する場合、あるいは、〔MIDI〕ツールか〔発想記号〕ツールを使って加えた調整をプレイバックに反映させたい場合は、まず〔Human Playbackスタイル〕を〔使用しない〕に設定してください。Human Playbackをオンにすると、他のMIDI情報が無効になります。「プレイバックのオプションを設定するには」をご参照ください。〔環境設定-Human Playback〕ダイアログボックスでHuman Playback効果をオンまたはオフにするデータタイプを選択できます。また、楽譜内の領域によってHuman Playbackのオン/オフを切り替えることもできます。これをおこなうには、〔発想記号の設計〕ダイアログボックスの〔プレイバック〕タブで、Human Playbackのオン/オフを設定した発想記号を追加します。

Human Playbackは初期状態でプレイバックに適用され、MIDIデータに忠実な演奏よりはるかに洗練されたMIDI演奏を実現します。Human Playbackは、楽譜からMIDIデータを読み取り、追加されている記号を解釈して、プレイバック時に人間の演奏を再現します。Finaleは、テンポ表示(accel.やrall.)、クレッシェンド、トレモロ、ハーモニクスといった様々な記号をインテリジェントに解釈します。曲の最後に少しリタルダンドがかかっていたり、ソロパートのボリュームが大きくなるなど、わずかな変更が演奏に加えられることもあります。楽譜の解釈はスタイルによって大きく異なるため、Finaleにいくつかのスタイルが用意されています(ロマン様式、古典様式、ジャズなど)。これにより、楽譜を的確に解釈できるようになっています。プレイバック・コントローラーをご参照ください。

Human Playbackがオフのとき、Finaleのプレイバック機能は、楽譜に書き込まれたスタッカート、アクセントなどのアーティキュレーションや発想記号、そしてMIDIパッチ・チェンジやチャンネルの指定など、独自の音楽記号をすべて再現します。Human Playbackであればデフォルトの記号を自動的に解釈するので、追加の操作は不要です。プレイバックに反映される独自の記号の作成方法などに関する詳細は、アーティキュレーション発想記号をご参照ください。

リアルタイム演奏を採譜したり、Finaleを楽譜も表記できるシーケンサーとして利用するのであれば、楽譜のプレイバックと、取り込まれたMIDIデータを反映したプレイバックの違いを理解することが重要です。〔MIDI〕ツールに代表されるように、Finaleのいくつかの機能は、この2種類のプレイバックの片方にのみ適用されます。シーケンサー・プログラムでMIDIデータを編集するのと同様に、〔MIDI〕ツールのオプションの多くは、取り込まれたMIDIデータを編集することを目的としています。

また、記譜された楽譜と取り込まれたMIDIデータは、互いに完全に分離しているわけではありません。Finaleの旧バージョンで、シーケンス採譜モードを用いて演奏を採譜し、MIDIデータを取り込んだとします。それらのデータをプレイバックに適用すると、ボリュームやテンポ、ペダルなど、実際の演奏の元の音楽的ニュアンスを再現します。ここからさらに、採譜された音符に対して個別に音程を変えたり、移調したり、強弱記号やアーティキュレーションを付けたりすることが可能ですが、その場合も、プレイバックした時に、これらの取り込まれたMIDIデータの情報が損なわれていないことが確認できるでしょう。

演奏データを取り込む方法については、「MIDIファイルをインポートするには」をご参照ください。

オーディオ再生に関するトラブルシューティング

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