移調楽器の設定ダイアログボックス

【このダイアログボックスを表示するには】

  1. 〔ウィンドウ〕メニューから〔スコア・マネージャー〕を選択します。
  2. 〔移調楽器〕 ポップアップ メニューをクリックして、〔その他〕をクリックします。

または

  1. 〔ファイル〕メニューから〔開く〕を選択し、〔ファイルの種類〕ポップアップ メニューから〔スタンダードMIDIファイル〕を選択します。
  2. 採譜したいMIDIファイル他のプログラムでも解釈できる標準化されたフォーマットで作成されたファイルです。このため、同じファイルを複数の異なるプログラムで使用することができます。例えば、任意のシーケンサープログラムで作成された楽曲をMIDIファイルとして保存し、Finaleで開いて楽譜にすることができます。名をダブルクリックします。〔MIDIファイル入力オプション〕ダイアログボックスが表示されます。
  3. 〔特殊な割り当て〕を選択します。〔トラック/チャンネルから五線への割り当て〕ダイアログボックスが表示されます。
  4. 一番上の割り当てられていないトラック情報の列をクリックします。
  5. 〔移調〕をクリックします。

【機能について】

Finaleではすべての五線に対してあらゆるタイプの移調楽器を設定することが可能です。例えば、トランペットの場合には全音上げて表記し、プレイバックの際にはその入力音を実音に直して演奏します。楽譜上での作業に関しては、それら楽器の表記を移調したものと実音表記のものとで用途に応じて使い分けることができます。

このダイアログボックスを使用して、代表的な移調楽器の設定を選択したり、独自に作成することができます。またそれら移調された五線の表記に際して、それに対応する音部記号を指定することも可能です。

調号を変えることなく、半音ずつ移調することも可能です。〔調号〕または〔クロマティック〕ポップアップ メニューから〔なし〕を選択すると移調は実行されなくなります。〔音部記号の指定〕オプションでは、このファイルで使用できるすべての音部記号が表示され、クリックで選択できます。

  • 調号 〔調号〕リストに一般的な移調楽器の種類が表示されるので、希望するものを選択してください。リスト内には、長、短、完全の種別と数値によって移調される音程数が表されています。このダイアログボックスの〔音部記号指定〕以外の設定を無効にするには〔なし〕を選択してください。特殊な楽器用に手動で設定を実行する場合には〔その他〕を選択してください。〔その他〕を選択した場合には〔移調する音程〕と〔変化記号の増減〕ボックスに必ずその値を入力してください(次の表をご覧ください)。Finaleでは五線の移調設定に際して下記の設定と〔音部記号指定〕を基準にします。

    移調楽器の種類移調設定
    なし音部記号を選択
    A調の楽器(例:Aクラリネット)(A)短3度上げ、フラット3個追加
    Bb調の楽器(例:クラリネット、トランペット)(Bb)長2度上げ、シャープ2個追加
    Bb調の楽器(オクターブ高く記譜)(例:テナーサックス、バスクラリネット)(Bb)長9度上げ、シャープ2個追加、ト音記号
    D調の楽器(例:トランペット)(D)長2度下げ、フラット2個追加
    Eb調の楽器(例:Ebクラリネット)(Eb)短3度下げ、シャープ3個追加
    Eb調の楽器(例:アルトサックス)(Eb)長6度上げ、シャープ3個追加
    Eb調の楽器(オクターブ高く記譜)(例:バリトンサックス)(Eb)長6度+オクターブ上げ、シャープ3個追加、ト音記号
    F調の楽器(例:フレンチホルン)(F)完全5度上げ、シャープ1個追加
    G調の楽器(例:アルトフルート)(G)完全4度上げ、フラット1個追加
    C調の楽器(オクターブ高く記譜)(例:コントラバス)オクターブ上げ
    C調の楽器(オクターブ低く記譜)(例:ピッコロ)オクターブ下げ
    その他独自の設定を作成
  • 異名同調の簡略表記 このチェックボックスが選択されると、移調楽譜に対して、調によって調号がより少ないシャープやフラットによって表記できる調がある場合はその調を使用します。ロ長調の楽曲のBb調の楽器の調号は、このチェックボックスを使用しない場合には記譜で嬰ハ長調、つまりシャープ7つの複雑な調号を持つようになってしまいますが、このチェックボックスを選択すると、代わりにより調号が少ない変ニ長調(フラット5個)での表記を使用するようになります。Finaleの初期設定ではこのチェックボックスはすでに選択されています。
  • 移調する音程 全音階で移調度数を入力します。プラスの数値はその五線の楽器の実音よりも高く、マイナスの数値は低く表記します。「0」と入力すると移調はされず、「1」と入れると1段階(つまり2度)、「2」の場合には2段階(つまり3度)移調がおこなわれます。マイナスの数値は低く移調していきます。例えば1オクターブ下げたい場合には「-7」と入力します。
  • 変化記号の増減 このボックスに数値を入れて調号に修正を加えます。プラスの数値はシャープを追加し(またはフラットの削除)、マイナスの数値はフラットを追加(またはシャープの削除)します。
  • クロマティック 〔クロマティック〕リストは、〔調号〕リストポップアップメニューからキーの変更設定を除いたものです。キー変更の変わりに、Finaleは移調したそれぞれの音符に対し、対応する臨時記号を配置するようになります。このダイアログボックスの〔音部記号指定〕以外の設定を無効にするには〔なし〕を選択してください。特殊な楽器用に手動で設定を実行する場合には〔その他〕を選択してください。〔音程〕ダイアログボックスが表示されます。

    移調楽器の種類移調設定
    なし音部記号を選択
    A調の楽器(例:Aクラリネット)(A)短3度上げ
    Bb調の楽器(例:クラリネット、トランペット)(Bb)長2度上げ
    Bb調の楽器(オクターブ高く記譜)(例:テナーサックス、バスクラリネット)(Bb)長9度上げ、ト音記号
    D調の楽器(例:トランペット)(D)長2度下げ
    Eb調の楽器(例:Ebクラリネット)(Eb)短3度下げ
    Eb調の楽器(例:アルトサックス)(Eb)長6度上げ
    Eb調の楽器(オクターブ高く記譜)(例:バリトンサックス)(Eb)長6度+オクターブ上げ、ト音記号
    F調の楽器(例:フレンチホルン)(F)完全5度上げ
    G調の楽器(例:アルトフルート)(G)完全4度上げ
    C調の楽器(オクターブ低く記譜)(例:ピッコロ)オクターブ下げ
    C調の楽器(オクターブ高く記譜)(例:コントラバス)オクターブ上げ
    その他独自の設定を作成
  • 〔音部記号指定〕が選ばれているときには、楽譜上でその五線の途中で音部記号を変更しても、ここで選択された音部記号が表示されます(〔書類〕メニュー内で〔移調楽器を実音で表示〕が選択されている場合を除く)。楽曲の途中で音部記号を変更させたいときには、このダイアログボックスで〔音部記号指定〕が選択されていないことを確認してから、スコア・マネージャーで希望する冒頭の音部記号を選択してください。

  • 音部記号指定 移調済みの五線の音部記号を変更するためには(例えばバリトンパートのト音記号など)、このチェックボックスをチェックして、使用したい音部記号をクリックしてください。〔五線の属性〕ダイアログボックスで選択した音部記号を使用する場合には、チェックを外してください。
  • OK・キャンセル 〔キャンセル〕をクリックすると、移調設定を変更せずにダイアログボックスを閉じます。移調設定への変更を確定するには、〔OK〕をクリックします。

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