スラー

タイとスラーは、見た目はさほど大きな違いはありませんが、Finaleでの音楽的役割は異なります。タイは、2つの音符の音価が持続する間、ピッチを維持します。これに対して、スラーは、2つの音符をなめらかに演奏します(2つの音符の音高が同じでも、2つ目を必ず打鍵します)。さらに、スラーとフレーズ記号は技術的に異なった目的で用いられます。しかし、どちらもFinaleでの作成方法は同じです。ここでは、「スラー」という語はフレージングも指するものとします。

Finaleには、スラーの作成方法が2通りあります。変形図形〕パレット〔から〔スラー〕ツールまたは〔点線スラー〕ツールを選択するのが最も簡単な方法です。変形図形スラーは譜面にあわせて伸縮し、改行によって2段にまたがる場合は自動的に2つに別れます。ベンドは(Finaleでは)スラーの一種として扱われます。

スラーを音符に割り付けたくない場合には、〔変形図形〕メニューの〔小節に割り付け〕を選択してください。すべての音符付随のスラーあるいはベンドの、上下の向きを特定の方向にそろえたい場合は、スラーやベンドを何も選択していない状態でスラーの方向を選択してください。これにより、デフォルトの向きとして設定されます。

フレックス・スラー

フレックス・スラーは、符尾、連桁、符頭、“スラーの内側に配置”されたアーティキュレーション、臨時記号などとの衝突を自動的に回避します。人の好みはそれぞれですのですべてというわけには行かないかも知れませんが、フレックス・スラーを使用すると、ほとんどのスラーは配置するだけで完璧な見た目に調整されるでしょう。

フレックス・スラーが正しく機能するためには、フォント付加情報が欠かせません。KousakuやBroadway Copyistなどの、Finaleのパッケージに同梱されているフォントをご使用の場合は、それらのフォント付加情報ファイルはすでに用意されていますが、もしその他のフォントを記譜用フォントとしてご利用の場合は、そのフォントに対するフォント付加情報ファイルを作成する必要があります。詳しくはフォント付加情報ダイアログボックスをご参照ください。

スラーが手動で少しでも編集された場合は、フレックス・スラーの設定の変更は適用されません。コンテクストメニューでは、フレックス・スラーを使用しているように表示されますが、実際には“固定”されています。固定されたフレックス・スラーは、その後音符の高さなどを変更しても追随しません。スラーの動作をフレックス・スラーに戻す(スラーの固定を解除する)には、〔スラーの手動調整を解除〕コマンドか〔フレックス・スラー〕>〔使用〕コマンドを使います(どちらも、〔選択〕ツールまたは〔変形図形〕ツールの使用時にコンテクストメニューから選択できます)。

フレックス・スラーは、音符のスペーシングに大きく影響されますので、ページ表示とスクロール表示では、組段のロックなどの様々な要因により、見た目が若干異なる場合があります。フレックス・スラーの最終的な調整は、ページ表示でおこなうようにしてください(ページ表示の状態で最終的に印刷されるからです)。

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