通奏低音

(この項では、ASCII配列のキーボードを想定しています。JIS配列では表示されるキャラクタが一部異なります。)Finale 2012で導入されたFinale Numericsフォントを使って、簡単に通奏低音の数字を入力することができます。Finale Numericsフォントには、通奏低音の表記に必要なすべてのキャラクタ(縦に並べて表示できるゼロ幅フォント、楽譜記号など)が用意されています。

歌詞のない楽譜に通奏低音を表記するには

〔発想記号〕ツールを使って通奏低音を入力することもできます。例えば、Finale Numericsフォントを選択して発想記号を定義し、マクロ機能を使って音符に割り当てる操作などができます。「発想記号を作成するには」と「発想記号のマクロ機能を設定するには」をご参照ください。

  1. 歌詞ツールiconを選択します。
  2. 〔歌詞〕メニューから〔自動歌詞番号〕を選択し、〔バース〕〔コーラス〕〔セクション〕にチェックが付いていないことを確認します。
  3. 〔歌詞〕メニューから〔歌詞オプション〕を選択します。〔ファイル別オプション-歌詞〕ダイアログボックスが表示されます。
  4. 〔自動ハイフンを使用〕のチェックを外します。
  5. 〔自動ハイフンを使用〕に矢印を付けた〔ファイル別オプション-歌詞〕ダイアログボックス
  6. 〔音引き線の設定〕をクリックします。〔音引き線〕ダイアログボックスが表示されます。
  7. 〔自動音引き線を使用〕のチェックを外します。〔OK〕をクリックします。
  8. 〔OK〕をクリックして〔ファイル別オプション-歌詞〕ダイアログボックスを閉じます。
  9. 〔書類〕>〔ファイル別オプション〕を選択し、ダイアログボックス内の〔フォント〕を選択します。〔ファイル別オプション-フォント〕ダイアログボックスが表示されます。
  10. 〔歌詞:バース〕を選択して〔フォント指定〕をクリックします。〔フォント〕ダイアログボックスが表示されます。
  11. 〔歌詞〕ドロップダウンメニューと〔フォント指定〕に矢印を付けた〔ファイル別オプション-フォント〕ダイアログボックス
  12. 〔Finale Numerics〕を選択して〔OK〕をクリックします。

    選択したフォントにフォントキャラクタが表示される場合、が表示されます。

  13. 〔OK〕をクリックして〔ファイル別オプション-フォント〕ダイアログボックスを閉じます。
  14. 〔歌詞〕メニューの〔楽譜へ直接タイプ〕を選択します。
  15. 数字を割り付けるレイヤーを選択します(〔表示〕メニューの〔レイヤーの選択〕から目的のレイヤーを選択するか、画面左下のレイヤー選択ボタンから選択します)。
  16. 通奏低音の割り付け先の先頭の音符をクリックします。五線の下に点滅カーソルが現れます。下の表を参照して目的のゼロ幅キャラクタ通奏低音と和声分析の転回形を作成するために縦に並べることのできるフォント文字。を入力します。下のリストは上、中央、下の3つの位置を示しています。キャラクタの一覧Finale Numericsフォントをご参照ください。
  17. キーストロークキャラクタキーストロークキャラクタ
    Shift+1
    1
    Alt+0161
    キーストロークにより文字1を配置する例Shift+0
    0
    Alt+0186
    キーストロークにより文字0を配置する例
    Shift+2
    2
    Alt+0153
    キーストロークにより文字2を配置する例Shift+w
    w
    文字 > 挿入 > キャラクタ > 290
    キーストロークにより文字xを配置する例
    Shift+3
    3
    Alt+0163
    キーストロークにより文字3を配置する例Shift+x
    x
    文字 > 挿入 > キャラクタ > 302
    キーストロークにより文字#を配置する例
    Shift+4
    4
    Alt+0162
    キーストロークにより文字4を配置する例Shift+y
    y
    Alt+0165
    キーストロークによりナチュラル記号を配置する例
    Shift+5
    5
    文字 > 挿入 > キャラクタ > 293
    キーストロークにより文字5を配置する例Shift+z
    z
    文字 > 挿入 > キャラクタ > 267
    キーストロークによりフラット記号を配置する例
    Shift+6
    6
    Alt+0167
    キーストロークにより文字6を配置する例Shift+u
    u
    Alt+0168
    キーストロークによりダブルフラット記号を配置する例
    Shift+7
    7
    Alt+0182
    キーストロークにより文字7を配置する例Shift+I
    l
    Alt+0172
    キーストロークにより文字+を配置する例
    Shift+8
    8
    Alt+0149
    キーストロークにより文字8を配置する例Shift+m
    m
    Alt+0181
    キーストロークにより文字-を配置する例
    Shift+9
    9
    Alt+0170
    キーストロークにより文字9を配置する例  

    第1転回形はShift+6を入力します(Shift+6はゼロ幅キャラクタの1つで、数字を縦に並べて表示できるようにします。Shift+6は一番上の行に数字を表示します)。6の真下に数字を追加するには、単にその数字を入力します(例:の場合はShift+6, 5と入力します)。数字の右隣にキャラクタを追加するには、`(グレイブアクセント)を入力してから、対応するキャラクタを入力します(例:にする場合はShift+6, `(グレイブアクセント), Shift+yの順に入力します)。他の一般的な転回形の例を次表に示します。

    キーストロークキャラクタキーストロークキャラクタ
    Shift+6, 4, Alt+0153キーストロークにより通奏低音6,4,2を重ねて表示する例Shift+6, 5, Alt+0153, ` (グレイブアクセント), Shift+y, yキーストロークにより通奏低音ナチュラル6,ナチュラル5,2を重ねて表示する例
    Shift+7, xキーストロークにより通奏低音7,#を重ねて表示する例Shift+4, 2, ` (グレイブアクセント), Shift+lキーストロークにより通奏低音4+,2を重ねて表示する例
  18. 次の音符/休符に移動するには、スペースキーを押します。

歌詞が作成された楽譜に通奏低音を表記するには

  1. 歌詞ツールiconを選択します。
  2. 〔歌詞〕> 〔自動歌詞番号〕を選択します。〔バース〕〔コーラス〕〔セクション〕のうちのいずれかのチェックを外します。
  3. 〔歌詞〕メニューから〔編集する歌詞を選択〕を選択します。〔編集する歌詞を選択〕ダイアログボックスが表示されます。
  4. 〔グループ〕から、ステップ2で選択した自動歌詞番号が不要なものを選択します。数字を入力することにより、歌詞が含まれていないバース、コーラス、またはセクションを選択して、〔OK〕をクリックします。

    例えば、バース1とバース2に自動歌詞番号が設定され、セクションには自動歌詞番号が設定されていない場合、〔セクション〕を選択して、〔歌詞セット番号〕に「3」と入力します。これにより、歌詞の真下に通奏低音を表記できるようになります。または、任意の数字を入力してから、必要に応じて画面左端の三角形を動かして横位置を調整します。

  5. 数字を割り付けるレイヤーを選択します。(〔表示〕メニューの〔レイヤーの選択〕から目的のレイヤーを選択するか、画面左下のレイヤー選択ボタンから選択します)。
  6. 〔歌詞〕メニューの〔楽譜へ直接タイプ〕を選択します。
  7. 通奏低音の割り付け先の先頭の音符をクリックします。五線の下に点滅カーソルが現れます。
  8. 〔文字〕メニューから〔フォント〕を選択します。〔フォント〕ダイアログボックスが表示されます。〔Finale Numerics〕を選択して〔OK〕をクリックします。

    選択したフォントにフォントキャラクタが表示される場合、が表示されます。

  9. 上の表を参照してゼロ幅キャラクタを入力します。
  10. また、通奏低音の記号を入力する途中で、自動音引き線歌詞の1つのシラブルが複数の音符にわたって持続する場合に表示される赤色の下線を、Finaleでは「音引き線」といいます。歌詞の追加やページレイアウトの修正に応じて、五線に沿って音引き線が伸縮します。を個別に削除する必要が生じることがあります。その場合は、〔歌詞〕メニューから〔音引き線の編集〕を選択し、音引き線のハンドル楽譜上で選択可能な項目に表示される、小さな四角形です。ハンドルを使って楽譜要素の選択、編集、調整ができます。をクリックしてDeleteキーを押します。

1つの音符の下に複数の数字を入力するには

音価の長い音符の場合、2つ以上の数字を横に並べて表示することがあります。2番目の数字は歌詞のシラブルとして入力しますが、真上に音符はありません。歌詞シラブルは必ず音符に割り付けて配置されるので、通奏低音では特殊なケースとして扱う必要があります。

対処方法は、正確にスペーシングするかどうかによって異なります。正確なスペーシングが不要であれば、1番目の数字を入力したあと、`(グレイブアクセント)を何回か入力しておおよその位置を定め、2番目の数字を入力します。この場合、組段がロックされていない状態で(ユーティリティ / 組段ロックを参照)その後スペーシングを実行すると、音符の位置が変更され、小節内の音符と通奏低音の相対的な位置関係が変わることがあります。シラブルとして配置した通奏低音の小節内の位置が、Finaleの自動スペーシング機能で調整されるようにするには、非表示の音符/休符をアンカーにします。手順は次のとおりです。

1つの音符の下に複数の数字を入力するには

  1. 通奏低音を表記するには」の手順に従って、音価の長い音符の下に一番目の通奏低音シラブルを入力します。
  2. ステップ入力ツールiconを選択します。
  3. レイヤー4を選択します(〔表示〕メニューの〔レイヤーの選択〕から〔レイヤー4〕を選択するか、画面左下のレイヤー選択ボタンからレイヤー4を選択します)。
  4. レイヤー4の対象小節に休符を入力します。シラブルとして配置する通奏低音の真上の拍に休符を入力してください(例えば4拍目に通奏低音を配置する場合、付点2分休符の後ろに4分休符を入力するなどの処理をします)。
  5. 休符をCTRL+クリックしてHキーを押し、休符を非表示にします。
  6. 歌詞ツールiconを選択し、非表示にした休符をクリックします。五線の下にカーソルが表示されるので、ここに通奏低音の数字を入力します。以上の操作で、自動スペーシングが実行されたとき、非表示の休符に追随して通奏低音の位置も調整されます。
  7. レイヤー1で通奏低音の入力を続けるには、レイヤー1を選択します(〔表示〕メニューの〔レイヤーの選択〕から〔レイヤー1〕を選択するか、画面左下のレイヤー選択ボタンからレイヤー1を選択します)。

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