大型字体で印刷した楽譜

Modified Stave Notation規格の詳細(サンプル提供、採譜サービスを含む)については、RNIBのWebサイトと、UK Association for Accessible Formatのガイダンス文書(G009: Modified Stave Notation)をご覧ください。

プリント・ディスアビリティ「プリント・ディスアビリティのある人とは、視覚、認知、または身体上の障害のため印刷物を読むことが困難な人のことです。印刷物の扱いを妨げる 視力障害、失読症、身体障害のすべてが含まれます。」(出典:UK Association for Accessible Formats."G009: Modified Stave Notation", p. 5. 入手先:Copyright Licensing Agency Print Disability Licensing Scheme, Guidelines for Licensees 2010)のある人々は、読みやすい楽譜を必要としています。Royal National Institute of Blind People(RNIB)が策定・推進しているModified Stave Notation「大型字体で印刷された楽譜を表す用語です。概して、そModified Stave Notation(MSN)は楽譜を拡大して一貫性を高めますが、比率の変更も伴います。音符のスペーシングを調整し、さらに、アーティキュレーションや発想記号を過度に大きくする場合もあります。」(出典:UK Association for Accessible Formats."G003: Creating Clear Print and Large Print Documents", p. 59ff)呼ばれる拡大浄書ガイドラインは、既存の楽譜を目の不自由な人向けに調整するための規格となっています。Modified Stave Notationは、一般的なルールを規定していますが、拡大やレイアウトの具体的な推奨値を示すものではなく、具体的なフォーマットを提示するものでもありません。

各種の楽譜作成ソフトは、Modified Stave Notationの推奨する変更を簡単に実行し、様々な設定を試行する機能を搭載しています。Finaleの場合、Modified Stave Notation規格に準拠した基本的な調整を含むテンプレートが用意されています。しかしながら、個々の状況や使用者のニーズはそれぞれ様々です。付属のテンプレートは出発点として使用するには有用ですが、作成の際には、実際に楽譜を利用する人と直接相談することを強くお勧めします。

Modified Stave Notationとは、単に既存音符を所定倍率で拡大するものではないことに留意することが重要です。単なる拡大も重要な要素の1つですが、優れた浄書に不可欠なルールの特徴は最終的な仕上がりです。したがって、種々の楽譜要素の比率を変更することも考慮する必要があります。忘れてならないのは、Modified Stave Notationによる大型字体の楽譜は「オーダーメイド」でなければならないことです。1つの変更一式ですべての状況に対応できる可能性はほとんどありません。

UKAAFによれば、「Modified Stave Notationは多くの場合、演奏、分析などの最終使用の前に楽譜を記憶するのに使われます。重度の視力問題を持つ演奏者は、楽譜を見ながら演奏するのでなく、楽譜を読み、記憶した上で演奏するのが一般的」です。Finaleを使用すれば、SmartMusicを用いた練習用に、画面表示楽譜ファイル(伴奏あり/なし)に変換することもできます。その場合は、変更が完了した後、FinaleファイルをSmartMusicファイルとしてエクスポートしてください。

ピアノ譜とSATB合唱楽譜の例を以下に示します。「Apply MSN」(MSN適用」スクリプトを実行した後、既存の楽譜要素に微小変更を加えています。

元の楽譜 Modified Stave Notation適用後

この例では、変換後の2つの楽譜間にわずかに相違があり、状況に応じて個々の楽譜を調整する必要があることを明示しています。ピアノ譜と比べて、SATB譜には以下の設定が加えられています。

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